この連休を利用して、安倍総理が訪米されました。そのことについて、一言申し上げたいと思います。
訪米の成果が何だったのか。あまり具体的なものはなかったというのが、率直なところだと思います。
安倍総理ご自身の不用意な発言によって火が着いた形になった従軍慰安婦の問題について、その火消しに努められた、その効果は一定程度あったと思いますが、これはいずれにせよ、前向きな成果とは言えません。
そして、もう1つは、地球温暖化の問題で一定の話し合いができたと。具体的な成果があったわけではありませんが、アメリカのブッシュ大統領にも温暖化の問題について話題に引き寄せることができたという意味はあると思います。
地球温暖化の問題は、来年日本で開かれる北海道洞爺湖サミットの大きな課題だろうと思います。
特に重要なことは、京都議定書が定めるその先、アメリカも入り、あるいは中国やインドも組み込むなかで、地球全体として、この温暖化問題についてきちんと希望の見える新たな目標設定、来年のサミットでそこまで行くのは難しいと思いますが、首脳間で大まかな合意ができることが非常に重要だと思います。
そして、そのためには、日本の総理として来年のサミットまでにやっておかなければいけないことは、中国やインドとの話し合い、連携、それに1つの方向性を出すということが1つ。
そしてもう1つは、これも言うまでもないことですが、京都議定書に定める目標を確実に達成する、日本自身が達成をする。
このこと自体、実際は極めて難しい状況にありますが、しかし、いまからでも遅くはありませんので、そのための総合的な対策をきちんと打ち出す、そして実行する。
このことが来年のサミットにおいて、日本が温暖化問題を持ち出したときに、その日本の提案が説得力を持つかどうか、日本自身が自ら責任をきちんと果たしているというなかで、新たな提案をすることが望まれていると思います。
以前、地球温暖化の問題に関して、興味深い記事がありましたので、それについて申し上げたいと思います。
「CO2削減 業界着々 33業種中21業種が達成」(朝日新聞2007.2.23)
「地球温暖化防止のため各業界が進めている二酸化炭素(CO2)排出削減に向けた自主行動計画について、環境省と経済産業省が05年度の実施状況を点検したところ、33業種中21業種がすでに目標を達成し、うち8業種は当初の目標を引き上げるなど対策が進んでいる事がわかった・・・」
目標達成が困難な業種もあるものの、国内でのCO2排出量が増え続けているのは、企業等の努力だけではなく、個人・家庭でのCO2排出の削減への取り組みがまだ不十分な点にもあるのではと思います。
個人で、CO2削減のためにできる、効果的な事と言えばなんだろう、と考えたのですが、
①自動車(マイカー)は使わない。
②電気の使用量を減らす。
くらいかな、と思ったのですが、なかなか難しい事ではあります。
特に①は、交通の不便な地域にお住まいの方もいらっしゃいますし、公共交通機関の動いている時間帯に通勤できない方もいらっしゃいますので、自分でもいささか暴論だとは思いますが、富山市では、JR線を路面電車化することによって、マイカー利用を減らし、CO2の削減を図っているという話を聞きました。
この件については、民主党の参議院議員の加藤敏幸さんも、去年の10月26日の国土交通委員会で質問をされています。
政府に関して言いますと、国民への訴えかけ、具体的な対策がまだまだ不足している感があります。
京都議定書で定められた目標を達成できるか否かの問題にとどまらず、政府は、地球の環境に深刻な影響を及ぼしている温暖化という問題について、もっと国民に説明し、地球温暖化防止のため、CO2の排出を削減しなければいけない、そのために我々がなすべき事を広く国民に知らしめ、政策としても打ち出していかなければならない時に来ているのではないかと思います。
投稿情報: 匿名 | 2007/05/09 16:40