イラク特措法――詭弁を弄しての延長、非常に残念な思い

今日の本会議において、イラク特措法の２年間の延長が決まりました。もちろん、我々民主党は反対をしたわけですが、多数決で成立をしたということです。

考えてみると、あの愚かなイラク戦争を開始、日本政府、当時の小泉総理はいち早くこれに支持を出しました。

ここは自民党の中にもいまでもある議論ですが、あのときに「支持」を表明する必要が果たしてあったのだろうか、「理解する」という程度に留めておくべきではなかったかと、そういう議論は自民党の中も含めてかなり多いわけです。

そして４年経って、このいまのイラクのおかれた悲惨な現状、そういう中で引き続き自衛隊が活動する意義というのは、私は見出しがたいと思います。

特に、その活動の中身が問題です。いままでのサマワにおける支援活動は、学校の補修であったり水の供給であったり、したがって、憲法上の疑義は非常にあるものの、活動自体は「人道復興支援活動」、そういうものであったと思います。

しかし、いま航空自衛隊がやっていることは、その大部分は米軍（多国籍軍）の兵士あるいは物資を、場合によっては武器を運んでいるわけで、これはもちろん人道復興支援活動ではありません。むしろ、「安全確保支援活動」と言われるもの、いわば戦争に対する、あるいは治安活動に対する協力です。

そういったことを、きちんとした説明もないままに、そして、ときには「人道支援」だとオブラートに包みながら続けているのです。

日本政府の説明では、多国籍軍だけではなくて国連の物資や人も運んでいるということですが、その割合は微々たるものであるということは国会の中でも明らかになっています。

そして安倍総理は、中東地域は日本の石油の９割を依存している非常に重要な地域だと、したがってここの平和と安全が死活的に日本にとって重要だと答弁されました。そのことは事実かも知れません。

しかし、中東が大事であるということと、だからといって戦争を正当化したり、あるいは現時点において活動している米軍を支援したりすることが正当化されるわけではありません。むしろ、あのイラク戦争を通じて中東は不安定になったという見方も当然できるわけです。

いずれにしても、詭弁を弄しての今回の延長、私は極めて残念な思いで今日の本会議に出席をして、延長に反対の採決に参加しました。

Comments

[投稿情報: ナオ]

こんばんは。
本会議、お疲れ様でした。

確かに戦争に協力するような姿勢を見せるのは、辞めて欲しいですね。
そんな暇があるのなら、今にも死にそうになっている人達を早く助けて欲しい。

こんなことでは、いつまで経っても世界中から戦争がなくならないような気がします。

どうしてみんな仲良く出来ないのでしょうか。
悲しいですね。

[投稿情報: たか]

はじめまして。航空自衛隊がイラクでそういう活動をしていることをなぜマスコミは報道しないんですか？多分陸上自衛隊が撤退したニュースを見てイラクではもう自衛隊は活動していないと思っている人も大勢いると思います。

[投稿情報: 小原]

先日、政「財」界の要人約180人が、訪米直後である首相の中東訪問に同行した。

この人数は、イラク戦争支持にも象徴される結果となってしまった日米関係とともに、日本にとっての原油の重要さを物語っている。産油国との結びつきは確かに重要である。

そして一般人の日常に直接的には関係のない、狭義の国益外交というものもあるのだろう。この部分では私たち国民が事後報告的な情報しか得られないのは仕方がないのかもしれない。

なぜなら、例えば一応一般人である投資家と政界との双方がエネルギー情報のやりとりをしていたりすると、これは国家間インサイダー。返って問題だからである。

一般人としての非難の代わりに極論を言ってしまえば、新旧含む保守系政財界の皆様方が、現在に至るオイルマネー経済外交をますます振り回し、行くところまで行くのは勝手である。

しかし私たち国民は、その、安全保障とは切っても切り離せないらしいという経済の行き着く先が何なのかということと、そして、イラク戦争への日本の長期間に及ぶ「支持」という暴走に、「帰り道」はあるのかということを、常に考えておかねばならない。

国家が道を誤った場合には、引き返すのなら一刻も早いほうがよい。長期化するほど、安全な帰り道という選択肢がなくなる。

[投稿情報: 都民]

９条があるから、自衛隊は攻撃されずにすんでしますが、これが、９条なし、もしくは、アメリカ軍が責められるときに自衛隊が応戦するとなると、自衛隊も攻撃されることになります。
自民党はむちゃくちゃです。
私は自衛隊の方たちが気の毒です。
岡田先生のおっしゃるとおり、おかしいです、自民党。ほんとに詭弁ですね。
今の自民党は国民にとって、公害のようなものです。