いま本会議が終わりまして、安倍さんの所信表明演説を聞いてきました。そのことについて、一言申し上げたいと思います。
非常に捕らえどころのない演説だったと思います。参議院選挙におけるあれだけの大敗、そして、それにもかかわらず続投するということであれば、いままでの何が悪くて、何をどう変えるのかという明確なメッセージがあるべきだったと思います。残念ながら、そういうものは安倍さんの演説からは感じ取ることができませんでした。
安倍さんがまず言われたことは、参議院選挙の結果について、「国民の皆様の思いや怒りに対して、これまで十分応えきれていなかったこと、政治と行政に対する不信を招いたことについての深い反省の上に立って、今後、国政に当たっていきたい」ということです。
つまり、配慮が足りなかった、だからそのことは反省しますということですが、あの参議院選挙で示された国民の気持ち、民意はそういった「配慮が足りなかったね」というような次元のものではなくて、より本質的な問題ではなかったかと思います。
安倍さんにはそういう認識はないようです。うまくくみ取れなかったところがあったから負けちゃったと。私は決してそうではないと思います。
その上で安倍さんが言われたのは「戦後レジームからの脱却」、戦後長きにわたり続いてきた諸制度を原点にさかのぼって大胆に見直す改革、すなわち、戦後レジームからの脱却が、どうしても必要です」と言われました。
まず、私も含めて、国民の皆さんが「戦後レジームからの脱却」という安倍さんの言葉を初めて聞いたときに、そこに含まれる一種のイデオロギー性、つまり、戦後の日本が歩んできた道に対して非常にネガティブな、例えば憲法に対して、これはアメリカが作ったものだから全面的に見直さなければいけない。教育基本法もそうだ。そして、戦後の民主主義というものに対しても正当な評価をしない。ある意味では、戦前回帰のような一種のイデオロギー性を感じ取ったからこそ、多くの国民が「戦後レジームからの脱却」という言葉に対してノーと言ったのだと思います。
それを安倍さんは、戦後レジームの見直しというものを、ある意味で言葉を変えることで、根本的に一から見直すんだ、それこそが戦後レジームからの脱却である、大胆な改革というのは戦後レジームからの脱却であると言われているわけです。ここに言葉の置き換え、誤魔化しがあります。単なる見直し、改革、そういうことではない意味で、「戦後レジームからの脱却」ということを言っておられたはずです。
そういう本来の意味での「戦後レジームからの脱却」ということが今回放棄されたのか、それとも実はフラついているのか、そういったことは安倍さんの演説からは明確に伝わってこないわけです。
そして、安倍さんのもう1つの政策が成長至上主義、つまり、経済が成長するなかでいろんな格差の問題なども解決できるという考え方でした。これについても、経済成長は重要であると述べておられます。そのことは、もちろん私も否定するつもりはありません。
しかし、成長すれば格差が解消していくという従来の考え方を安倍さんが今回変えたのか、あるいは変えていないのか、そのことは今回の演説からは全く明らかではありません。
その他、「美しい国」という言葉も最後に出てきますが、これも従来の「美しい国」、これも定義がはっきりしなかったわけですが、言葉の置き換え、誤魔化しがそこにあるように思います。
いずれにせよ、従来の路線をどう反省し、これから何がやりたいのかというメッセージ性が極めて乏しい演説でした。自民党のチルドレンの皆さんはじめ、前のほうの席は一生懸命演説に拍手をしていましたが、公明党も含めて、自民党以外からの拍手はほとんどないというのが大変印象的でした。
いずれにしても、今日10日から国会が始まるわけで、この国会は極めて重要です。明後日から衆参の代表質問がスタートします。
そして、私が筆頭理事を務める予算委員会での議論、しっかりといい議論をしていきたいと。国民の皆さんの前で、どちらがより説得力があるかということを感じてもらうことができる、つまり、民主党に対する期待感が高まるような国会に是非ともしたいものだと思っています。
それにしても、ここ1週間、若干私はツイてないところがありまして、札幌に行ったら飛行機が飛ばずに1日遅れてしまい、昨晩は名古屋から新幹線に乗ろうとしたところ、大雨で新幹線が動かずに名古屋に1泊、今朝東京に出てくる羽目になりました。ちょっとツイてないなと思っています。
そのツイてない分を予算委員会での審議で逆にツキに回したいと思っています。
岡田さんはついていないとおっしゃいますが、それは厄を落としていらっしゃるのだと思います。非常に論理的な文章の終わりに、ついていないというようなフツウのことを真剣にお書きになっているので、私は笑ってしまいました。岡田さんの可愛げを見た気分です。
安倍さんの演説はお書きになってる通り、すり替えの狡さが目立ち、本当に不愉快です。
どうせ、支持率上がればまた、集団的自衛権とか、改憲とか金切り声を上げはじめるのです、彼は。
安倍さんがおためごかしを言っても、どうせ、外国の政治家や国連で安倍さんがいい顔をしたいだけで言っているように見えます。上がああだと、子供の道徳にも、ほんとによくありません。民主党が早く政権取って、サイテー教育怪悪を元のまともなのに戻してほしいです。
テロ特措延長、勝手にアメリカとその場の雰意気にのまれて約束して、国際的約束と言い切るのは、専守政治です。
政治学を専攻されたそうですが、なにをお勉強したのか、疑います。
アメリカが聞く耳持たずだとしても、テロとの戦いは戦略を見直したほうがよいとか、もっと、何か、対策を話し合ってほしいのに、作り笑いで握手して、同調して終わり。いい加減にしてほしい。
とにかく安倍内閣は悪夢を見ているようです。恐怖さえ感じます。早く政権交代してほしいです。
下卑た自民党はもうたくさん。
投稿情報: 地球人 | 2007/09/11 14:14
岡田さんのツイテナイは、きっと、時にはゆるりとしたら・・、ということなのでは。
それにしても、安倍首相は思考回路がまとまっていないのではないでしょうか。言葉足らずも自分のなかで確たるものがないので、いざ突き詰めて答えを出さなければ、となったときその場でうやむやな抽象的な言葉で逃れるより方法が無いように思います。ただ、祖父や家族の重圧に押しつぶされていない自分を演じなければいけないので、大変だとは思います。
いずれにしろ、一国の首相とは、常に勉強をしていただかなければいけないのです。信念は今までの積み重ねを実行に移すこと。家族を引きずることではないのです。
投稿情報: 斜家庵 | 2007/09/11 18:29
このブログは 本当に岡田さんがお書きになったものでしょうか もし参院選に勝って 有頂天になっているのなら 冷静になる事をお勧めします 安倍さんが民意を上手くくみ取れなかったから負けちゃったと。私は全くそうだと思います 国民を見ずに 自民党を見ていたから負けたんだと思っています 党に対する期待感ではなく 岡田さん個人の政治に対する考え方を訴えて行けば 自然民主党の評価が上がります ツイてないなんて 要りません 予算委員会期待しています
投稿情報: 座敷わらし | 2007/09/11 21:01
政治は屁理屈を言っているだけで何も変わらないと諦めていた私に
この人なら任せたいし希望が見えてくるんじゃないかと
感じてしまったのが当時民主党党首であった岡田さんの切実な演説でした。
争いのひとつ先を考えている坂本竜馬のような印象を受けました。
日本人は判官びいき気質なのでまた民主党にとっては逆風が来るかもしれませんが
岡田さんの舵取りで日本だけでなく世界がよりよい方向に向かうことを祈っています。
投稿情報: ラズミーヒン | 2007/09/13 02:33
人が風に立ち向かうには、それ以上に速く、強い風を吹きながら進まなければならない。周囲の協力も必要不可欠だ。
今の日本には、内・外ともに、さまざまな方向からの入り組んだ逆風が吹き荒れている。
安倍氏はその中を、本当の意味での有志にも恵まれず、一人で走り、果てには歩くことにも疲れてしまわれたのだろう。
総理就任後しばらく経ってからは、場合に応じてはご自身の主義主張を一部オブラートに包み、こういう点では、少しは現状を捉えながら進もうと努力されておられたのかなと思う。
しかし、スケールの大きいイデオロギーをまずご自身の中で不動なものとして確立させ、それを国民に、そして政治に浸透させるには、今の日本ではいささか無理があったのではないだろうかと思う。
ご本人の言葉で公式に発表されていないのであくまで憶測の域を出ないが、心身に不調をきたしておられるのであれば、ここ暫くは医師の治療を受け、とにかく回復に向かわれるべきだ。
先祖、祖国を敬うということは素晴しい。しかし人は、それらのため「だけ」に生きて没するのではない。自分自身というものを探し、運が良ければ見つけ、そして現実と戦いながら生き、そののちに没するものである。
総理という要職に就きながら、先祖や祖国愛という概念ばかりを最優先しようとしたならば誰しも、直面する現実問題に行き詰まるのも当然だ。また、非常に問題である出来事が噴出しすぎた時期でもあった。
今はただ、安倍氏の治療と回復を願う。
そして回復後は、ご自身も謳われておられた再チャレンジの精神で、今の時代に生きるご自分自身を大切にする政治を意識の中に取り戻してから再スタートしていただきたいと、本当に思う。
すべてを一言にしてしまうのならば、無責任なタイミングでの辞任だったということになるのかもしれないが、気力の限界まで務められた結果なのだと思う、思いたい…。また本当に無責任な人は心の病にはかからない。
打たれ強い人も中には居るのだが、ほとんどの方がたは、そうそう強靭な精神を持ちあわせた人ばかりでもない。また、人に優しい人というのは、いわゆる繊細な、優しい人なのだから。ここ数ヶ月に報道された安倍氏の表情に、以前のような明るさが見られなくなってきたと思っていました。
心身症の治療には、周囲の理解と協力が最も重要である。
無責任の一言で批判ばかりが飛び交うようでは、精神医療レベルが発展している欧米諸国からの笑われ者になるだけである。心の病気も身体の病気も全く同じである。
辞任の理由に、もし他にやましい事柄が無いのであれば、要人の辞意の際には、健康状態も医師の見解の下に公式発表をし、報道機関マスメディアも無意味に騒ぎ立てるばかりではなく、安倍氏周辺の状況を見守りながら、次のステップへと進むべきだ。それが今後日本の、強度なストレスと隣り合わせにある総理大臣という立場にたつ人への配慮にも繋がると思う。(ご本人の意思で公表を拒む場合を除く。)
重圧に耐え切れないような弱い人間は要らない、体調管理も仕事のうち、心身症は気の緩みだ、などという時代遅れな発想は、先進国日本から即刻排除すべきである。自己責任の原則が前提ではあるが、熱心な体調管理に生涯を捧げた先人が短命に尽きてしまったという例もある。
投稿情報: 小原 | 2007/09/13 03:03
安倍総理退任。
そんなのどうでもよいけれど、わたしの年金、もらえるのだろうか。
退任して、小泉が出て、また大法螺吹いてパフォーマンスして、ある種のおばちゃんからある種の女子高生まで黄色い声だして騒いで、自民党はまた支持率上げる?
年金問題、政治資金問題ウヤムヤにする気なのか、自民党は。
民主党は、地味で結構、こつこつと調べ上げて、自民党を追い詰めてください。
自民党ってほんとに、国民の生活を考えていない党だと、この総理選挙騒ぎを見て思います。
安倍さんが辞めたんだって、国民の民意を気にしてじゃなく、アメリカの顔色伺っての結果。
投稿情報: 地球人 | 2007/09/13 18:39