今日は、昨日発表された日本経団連の政党に対する政策評価について、少しお話をしたいと思います。
この話は、もともと経団連が各会員企業に対して献金の斡旋をしていた。それが様々な「政治とカネ」をめぐる問題が起きて、そして、平岩会長の時代に一旦そういった斡旋は行なわないことを決めたわけです。
それが前会長の奥田さんのときに、従来の形では行なわないものの、各政党の政策を経団連として評価して、いわば通信簿をつける。そして、会員の企業に対して、「自主的に」という前提は置かれているものの、その評価を参考にしながら政党に対する献金をしてください、こういう仕組みが出来上がっているわけです。
まず、この仕組みそのものですけれども、基本的にかなり危ういものだということは言わなければいけないと思います。
つまり、経団連の政策を示して、それについての合致度、政党の政策がどうなのかAからDまで評価をする。その評価を今回のように公表して、そして会員の企業に「自主的に」ということは言いつつも献金を奨励する。
これは一歩間違えると贈収賄の関係になりかねない、そういうかなり際どい問題です。
私は、経団連という1つの経済界の団体が、そういう形で各企業の政党に対する献金について、いわば介入をするというやり方が、決して良いとは思わないということをまず申し上げておきたいと思います。
その上で、今回も自民党に対してはA評価、B評価が非常に多いものの、民主党に対してはAはなく、C評価、D評価が目立つものになっています。
例えば、エネルギー・環境政策について、民主党の取り組みはDだということになっています。
これは、具体的な中身を読みますと、国内排出権取引や環境税を民主党は主張している、自民党はそういうことは否定している、だから自民党は良い評価で民主党は駄目というとこういうことであります。
もちろん、経団連が従来から地球温暖化対策に対して、環境税や国内排出権取引という手法に非常に後ろ向きである、むしろ否定的であるということは私も承知をしています。
しかし、世界の流れがどうなっているのか、EUやあるいはアメリカもいくつかの重要な州がそういった方向に向けて進んでいる。
そして、具体的にこれから2050年に向かって数値目標を立てて、日本自身の温暖化ガスの排出量を思い切って減らしていくということを考えたときに、そういった手段なしにどうやって実現していくのかということが、むしろ経団連からは語られていないわけであります。
経済界の中にも、個々には環境問題に熱心に取り組んでいる企業がたくさんあります。あるいは同じ経済団体でも、経済同友会は温暖化対策に対して非常に前向きです。
それに対して、経団連はなぜか非常に否定的なわけですが、私はむしろその「なぜか」ということもきちんと説明をしていただきたいと思います。
もちろん、政党と経済団体で政策の方向が一致する必要がないわけですが、なぜ、それだけ温暖化対策について、特に環境税や国内排出権取引について否定的なのか。そして、それは本当に経団連の会員企業の多数の考え方なのかということや、中でどういう議論があったかということも含めて、きちんと情報開示をしてもらいたい。私は決して多数の企業の意思ではないとも思っていますので、きちんと説明してもらいたいと考えています。
その他、労働関係あるいは安全保障関係について民主党はDがついているわけであります。
私は、それは先ほど言いましたように、政党と経済団体ということで方向が必ずしも一致する必要はないと思いますが、それだけに、国民の少なくとも2000万以上の方に支持をしていただいている民主党に対して、その政策がDだと言うのであれば、もう少ししっかりと、なぜそうなのかということを説明してもらいたいと思うのです。
いつ見てもあまり愉快でない、そういう経団連の評価です。もし、与党自身が政策転換したら、例えば、安倍さんから福田さんに代わって、いろんな政策の重点が変わってきたわけですが、安倍さんのときも福田さんのときも同じような評価だということであれば、結局はこういった政策評価というのは献金を合理化するための手段に過ぎないと、そういう極論されても仕方がない面もあると思っております。
まったっく同感です。co2削減といいながら、大量生産でco2を排出し続けている企業を抱えている経団連が、環境対策で自民党に対して高い評価を、民主党に対して低い評価を与えているとは(゚Д゚♯)!エゴとしか言いようが有りません。経済成長がいかに環境を破壊しているのか?長時間労働によりどれほど多くの人が心身を病んでいるのか?自民党と経団連は、自分たちの保身しか考えていないと思えてなりません。多くの国民が(富裕層の人も全ての人のことを考えて)この国の将来を思ってほしいです。
投稿情報: ito | 2007/11/13 21:29
経団連の今回の評価は、あまり気にしないでよいのではないでしょうか。銭儲けを最大の基準とする経済ですから、ある意味、理にかなっていると思います。自分たちの銭儲けに繋がらない事は評価できないのです。ましてや、生き残るために銭儲けをし続けなければ存続しないのですから。今、問題になっている食品偽装も、大きくすること、存続させること(長期的な視野に立てなかった人たち)を、目先だけの視点でしか捉えられなかった人達なのです。
経済もなければ国民の生活は成り立たないのですが、これは一部なのです。
政治にとって、もっと大事な安心・安全・世界平和など、長期的に考えることが政治であって目先だけを気にしていては、前に進めません。
日本人として日本の将来のあり方を国民と一緒に考えて、基本的な部分をしっかり捉えていってくださればいいのです。
国とは一家の家庭の中と一緒で、父親がかつてのように仕事だけやって、お金を家に沢山入れているから家庭のことに何も関与しない、これではなんのための家庭なのでしょう。
多少貧しくとも、暖かい家庭を子どもたちは望んでいるのです。父親、母親に安心していられる家庭が子どもたちにとっての幸せなのです。
投稿情報: 斜家庵 | 2007/11/14 09:39
情報のdisclosure、ありがとうございます。
これでまた一歩、国民は賢くなります。
読んだ感想としましては、時代の変遷を感じます。
企業が与党(自民党)に物申すことは、高度成長期に企業が雇用者とその家族を手厚く庇護していた時代はよかったのでしょう。
しかし、終身雇用制が崩れ、雇用者は自分で人生設計を考えなければならなくなってきているいま、企業と一個人の関係になりつつあります。
したがって、政界と財界の関係も微妙に変化していると思います。
またサラリーマンも一個人として政治を考えなくてはならない時代になっています。
そのような意味で民主党は、右翼左翼等のイデオロギーを抜きにした、そのニッチな隙間にぴったり合致する政党ということになります。
たとえば私は医師をやっておりますので従来ならば、医師⇒医師会⇒自民党という流れになります。
しかし、職業を抜きにして一国民として国の未来を心配すると、比較論として民主党が国民を大切に思っていると感じているため民主党を応援する。
(実際には勤務医は医師会にははいっておりませんので、これは例えの話です。)
私の希望としては、やはり政権を担える2大政党制の確立と、自民はちょっと企業寄り、民主はちょっと個人よりで、理想は同じ様な政策ができるようになるといいですね。
投稿情報: 41歳勤務医 | 2007/11/14 12:27
経団連とはつまり社長さんの集まりのようなもの。
社長さんの集団にAをつけてもらえる自民党は、自ら経団連の手下であること、上流階級党であることを暴露したようなもの。
金持ちの集まりからDをつけられた民主党は、庶民の味方である事が、証明されたことでもあると思います。
今日の新聞に、政府審議会、委員会の常任委員の給料が出ていましたが、驚くべきものです。
常任審議員年収1797万、月額94万円です。任期をつとめると、約374万の退職金が出る。
このポストに、官庁を辞めた高級官僚がたんまりの退職金貰った後に、つくわけです。
激務なのでしょうか。
この審議委員の給料は、今の6分の1の300万程度で十分だと思います。
このような税金の無駄遣いを一掃してほしいと思います。
民主党が自民党の審議員採用に3人のダメをだしたことを、省の幹部は国民の理解を得られるとは思わないともらしたそうです。
しかし、この審議員の年収自体、国民の理解を得られるものではないと思います。
経団連もその手下の自民党も、浮世ばなれています。
投稿情報: 地球人 | 2007/11/14 13:29
朝日の社説21シンポジュウムのことを思い出しました。
ゲスト出席者に、経団連側の方がいらしたのですが、環境問題で「家庭のCO2などの排出量も多いらしい。」とさらりと言ったのです。
そしたら、環境問題に携わるゲストの方が、きっぱりと優しい言い回しでですが、いかに企業のほうが家庭よりその排出量がなににおいても多いかを、グラフを使い丁寧に説明されました。
まさに、経団連側の方はコテンパンに粉砕された観がありました。
経団連側の方は2の句が告げないかんじで沈黙しました。
まあ、経団連というのは、その程度のものなのではないでしょうか。
そんな経団連にAを貰う自民党がろくなものではないということだと思います。
経団連は家庭の味方ではないし、経団連の顔色ばかり伺う自民党も、家庭の味方ではないと私は思っています。
自民党のセンセーがどんなに、作り笑いして、猫なで声を出してもです。
小泉さんの銀髪カールのおめかしも、失笑もの。経団連からAを貰う自民党は、家庭の味方ではありません。
投稿情報: 地球人 | 2007/11/16 14:04
まったく、その通り!!!!!!
彼らは、自分の利益守る為、自分達の会社に有利な政策でなければ評価しない!
国民全体の利益より、自分の会社の利益を守ってくれる自民党の政策にしか評価できないのでしょう。
なので、民主党の会社よりは、生活第一の政策は、自分達の利益にならないので、評価をしていない、まったく困ったモラルの無い会社の集まりですね!
お金さえあれば何でも許される、日本の借金が増えようが、温暖化が進もうが、自分達の会社が利益を上げればそれで後の事は関係ないと言う、お金さえ稼げれば良いと言うモラルのかけらも無い会社の集まりの会です。
もちろん中には少しだけでありますが、違った考えの会社もあるとは思いますが・・・
何様のつもりと言いたくなりますね。
もちろん、民主党にも財源の問題で、政策を達成できるかとの疑問は否みませんが・・・
政権取ればやってくれると言ってるので期待はしてます。
投稿情報: ネット難民 | 2007/11/21 03:17
本日2日座談会で貴兄のお話をお聞きしました。こんな辺鄙な所まで足を運んでコミニュケを取られる貴兄に頭が下がる思いです。本日も経団連の話が出ましたが、民主党の一番の欠点は自民党と戦う姿勢が見えない事です。二大政党が確立するまでは、徹底的に戦うべきです。例えば、経団連の評価主義に対して評論するのではなく、対座(一般大衆対象)を早急に結成し対抗すべきが常套で有ると考えます。すべからず評論家が多いのが民主党が今一つ主義主張がない様に感じられるのが残念です。日本も二大政党になるべき使命感に燃えて徹底的に戦って下さい。応援してます。
投稿情報: 日本に二大政党を!今後の10年に日本の未来を! | 2007/12/03 02:03