昨日は国会本会議もないということで、朝地元に戻って、そして今日の朝、また東京に戻って参りました。
15社くらい、地元の中小企業の経営者の方とお話しをし、そして、工場の中などで働いている皆さんと少し言葉を交わしたり、あるいは握手をさせていただいたりして参りました。
改めて感じるのは、不況が非常に深刻化しているということです。派遣切りなどということが、テレビでも話題になりますが、私の選挙区においても、いつか申し上げたと思いますけれども、かなり深刻な状況です。
逆に言いますと、昨日回った会社の中で2社、経営者の方が言われました。
「いままでは、絶対人が取れなかった。うちの会社は見向きもされなかった。それが、こちらが何も言ってないのに雇ってくれないかと、若い人がやってくるようになった」
こう言って驚いておられました。それだけ、逆に言いますと、職を失っている人、あるいは失うことを予想しておられる方が多いということだと思います。
そして、昨日、ホンダの社長が会見をされて、「先々一瞬の判断によって会社の存続そのものが左右されるような状況である」ということを言われました。
私の選挙区にも実は、ホンダの関連会社である八千代工業という軽自動車の組み立てをしている工場があります。ここ1年ほど前から、そこを増設して、エンジンも含めて一貫した工場にするという構想が進んでいまして、土地の買収などはほぼ終了して、これからいざ建屋を建ててということになっていましたが、昨日の会見の中で、1年ほど先送りしたいという話がなされたようです。
私の選挙区にはもう1つ、東芝の大きな半導体の工場群がありまして、ここももう1棟建てますということで、おそらく5000億円ぐらいの投資がなされる予定になっています。
四日市市のほうもいろいろ努力をして、そのための準備をしてまいりましたが、これが先送りになるのではないかという不安感がいま地元では出ています。
まだ、そういった具体的な話はありませんが、その他も含めて、新しい工場立地についてかなり先送り、慎重な見通しが出てきているということです。
どうしても、自動車の関連が多いということもあると思いますが、世界的な不況の足音が、私の選挙区においても非常に強く感じられる。昨日、地元の企業を回っても、そのことを改めて感じさせていただきました。
もちろん、そういう中でも元気に、例えば1社に依存していたけれども、注文を複数の3社、4社からもらって、多角化してリスクを分散するようにしたとか、様々な活力ある、そういう対応しておられる企業もあって、頼もしく感じた次第ですが、しばらくは雇用の問題を中心にかなり厳しい状況がある。
そこで政治が、民主党はすでに雇用関連法案を国会に提出していますが、しっかり対応しなければいけない。特に現時点で言えば、派遣の皆さん、住宅もなくし職もなくす、そういう方々がこれから大量に出てくる可能性がある。
そのことに対する歯止めと、そして住宅の提供、あるいは失業保険の適応、そういったことについて、まず政治がしっかりと対応していかなければいけないと改めて感じた次第です。
なお、回っているなかで、1つだけちょっと気になることがありました。
「岡田さん、2万円はいつもらえるんでしょうか」と、こういう話が結構あるんですね。
2兆円のバラマキについて、本音ベースでは期待感を表明される方が、特に女性に多いのですが、たくさんいらっしゃることも事実です。
しかし、私はそのときも申し上げたのですが、「これは、結局私たち、あるいは皆さんの税金なんです。ツケは払わされますよ」と。そして、「例えば、いろんな無駄を徹底的に省いて歳出を削減し、その上で、将来それでも必要であれば増税が必要という議論をしている、そういう中でこの2兆円のバラマキは無駄の典型的なものではないですか」ということを、大分申し上げさせていただきました。
2兆円のバラマキの話は、これから国会において大きな議論になると思います。しっかりとした議論をしていきたいと思います。
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2兆円の財源が結局税金であることなんて、誰もが理解しています。それでも今が未曾有の大不況なのだから、将来にツケを残してでも当座をしのぎたいと思っている国民が大勢いる、ということでしょう。
首相の方が庶民感覚を備えているかもしれませんね。
投稿情報: 鐘 | 2008/12/27 03:02
今回の不況は世界全体、全業種を覆っている。従って、車など従来路線の延長には光は見えない。且つ、現在の日本、世界の共通の課題を解決する方向に力を注ぐことではじめて不況を脱出できると思います。それはエネルギー、食料の問題です。これに全力を傾注させるべきで、2兆円バラマキなどは最も無策の代表で、今はまさに「米百票」が必要であります。エネルギーは自然エネルギーの開発、核融合の推進、食料は後継者の育成
若人を積極的に農村へ派遣。自給率の向上も図る。全体として連関図を描きながら政策の企画立案をすべきです。
投稿情報: 稲葉東實(いなば あずみ) | 2008/12/30 20:48