今日はいま話題になっている郵政民営化会社(日本郵政株式会社)の資産の売却について、私の思うところを少しお話したいと思います。
現時点で問題になっているのは、郵政民営化会社がオリックスに対して売却する予定だった簡易保険の施設を中心とした様々な施設について、それがどうして一括であったのか、あるいは安すぎたのではないかということが議論されています。
この点については、総務大臣が疑問があると言われ、具体的に手続きに問題がなかったのか、きちんと説明すべきだと言われています。
私は、手続きが本当に適切になされたのかどうかということについては、国民の疑念を招かないように、きちんと説明する責任が郵政民営化会社にはあると思いますし、同時に総務省も認可する立場ですから、国民に対してきちんと説明できなければならないと思います。
したがって、その結果がきちんと説明されるかどうか、その結果が出るのをいまは待ちたいと考えています。
ただ、この今回の事件は1つのきっかけに過ぎないと私は考えています。
私がかねて指摘してきたのは、もっと額としては大きい、例えば、東京駅や名古屋駅の近くにある旧郵便局を建て替えて高層ビルにするという話がそれぞれ進んでいます。おそらく、大阪などでも同じような話があるのだろうと思いますが、そのことについて、一体どういうチェックが働くのかということです。
一般の民間の会社であれば、それはその会社が自らのリスクをかけて建設するわけですから、もちろん政府としてそれに口を挟むということはありません。そして、民間の会社であれば、株主も当然存在するわけですから、株主のチェックも入るわけです。
しかし、郵政民営化会社は、現時点において100%国が資本を持った会社で、民営化という名前はありますが、実質的には特殊法人と何ら変わりません。あるいは、国そのものと言ってもいいかもしれません。
そういった、100%国が株式を持つカッコ付きの「民営化会社」ですが、小泉さんは民営化には2つあるとおっしゃっていたと思います。
従来ですと、民営化というのは、民間の資本がきちんと入ったものを民営化と言ったはずですが、いつの間にか国が100%資本を持っていても、経営者が民間から来れば民営化である。
あるいは、将来株式の上場を目指せば、現時点においては100%国が持っていても民営化である。そういう非常に誤解を招きやすい、いい加減な言葉の使い方が小泉政権のときに一般化したわけです。
東京駅や名古屋駅の前の郵便局を高層ビル化するというようなことは、金額的に言うと、おそらく1000億円をはるかに超えるような規模になると思います。国が100%資本を持っているわけですから、事実上は公共事業です。
それに対して、国の公共事業であれば、国会のチェックもできますし、あるいは、様々な法律の適用があります。例えば、それに伴ってお金を受け取れば、公務員ですから収賄になります。贈るほうも贈賄になります。しかし、民営化された郵政会社には、そういった法令の適用もありません。
したがって、私は民営化論議が進んでいる当時から、自民党の一部の議員が駅前の郵便局を高層化すればいいということを盛んに言われるのを聞いていて、危ないなと、そういう過程で、例えば、いろんな口利きや談合といったことが行われる可能性はないのかと疑問に思っていました。
今回のこの簡保をめぐる事件は、それよりもはるかに規模の大きいところで、国民に理解できない取引が進む可能性があるということを示したものだと思います。
したがって、そういう大きな工事・事業を現在100%国が資本のままやるということであれば、やはりそこは国会のチェックも含めて、様々な規制・監視ができる仕組みにしなければならないと私は思っています。
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小泉氏の郵政民営化は、お粗末な襤褸がぞくぞく。
大掃除が必要です。
1000億の話は初耳です。
郵政民営化は小泉氏の絶叫に負けましたが、民主党、岡田さんの判断は間違っておりませんでした。
ホリエモンを選挙で担ぐ話も、否定した岡田さんが正しかった。
岡田さんは、目先の現象に振り回されないのです。
先の先を見据えるので、凡人には岡田さんが的をはずしているように見え歯がゆい時もありますが、岡田さんの先の見通しはびっくりなほど正しいです。
頭がよいのです。
受験脳とはまた別のものです。
岡田さん勝訴おめでとうございます。
このような裁判をされていたとは存じませんでした。
ファンから見ても、も少し「やまっけ」があってもよいのではと思う岡田さんが、名誉を傷つけられるなど、あってはならないことです。
政権交代で、国の建て直し、いたしましょう。
私が岡田さんは石部金吉過ぎると言いましたら、知人が「今まで不真面目な人間が総理をしすぎているから、真面目な人間に代わってほしいと言っていました。
私も、そう思います。
目先の現象に惑わされない、先を見通す政治家に総理になっていただきたいものです。
まあ、年の順もあり、なかなかすぐとはいかないでしょうけど。
投稿情報: 地球人 | 2009/02/06 09:06
根底には不動産利権がらみではないかとおもいます新興オリックス対旧来の財閥系の争い、国民の財産ですので納得のいく解決を期待します。又岡田代議士には民主党の政権を期待してます。
投稿情報: tozawa : | 2009/02/07 14:27
私は駅前の郵便局を高層化することについては賛成です。駅前にある郵便局を高層化してオフィスビルにしたり、住居にして人に貸したりして、収益を得ることは郵政民営化会社にとってもプラスになり、なおかつ地域の活性化につながります。しかし、建設にあたって不透明なことではなく誰にでも納得できるちゃんとした手続きを踏むことが大切だと思います。
投稿情報: ハーモニー | 2009/02/09 15:30
岡田さんがおっしゃられているように、今回のかんぽの宿問題は、総務大臣側も、日本郵政・オリックス側も、不透明さが目立つと思います。
まず総務大臣側は、入札に関し、憶測でなく、客観的証拠に基づき問題点を指摘すべきです。そうでないと、政府が政治的・恣意的にビジネスへ介入することを可能にしてしまうからです。
一方、日本郵政・オリックス側の説明も不十分だと思います。報道によると、オリックスは、問題長期化による企業イメージ悪化への懸念から、日本郵政に入札の白紙撤回を促したそうですが、もし入札の経緯になんらの問題もないのであれば、関連資料を全面開示し、入札の正当性を主張すべきだと思います。
岡田さんが的確に指摘されているように、今回の問題の背景には、日本郵政のあいまいな位置づけとその監視・監督のための制度の不備があると思います。このままでは、郵政民営化の進展にともない、様々な問題が、より大規模に発生する可能性があると思います。
民主主義の下においては、適正手続き(DUE PROCESS)に則り、オープンかつ公正に物事が進められるべきです。今後、日本郵政に関しては、不明朗な入札・取引が起こらないよう、国会によるチェックあるいは行政オンブズマン・独立監査機関の設置を含め、規制・監視の仕組みづくりを進めるべきだと思います。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2009/02/10 16:25
先日から良く報道されている『簡保の宿』ですが、この岡田氏のブログを読ませて頂いて、小泉前内閣のいい加減さを改めて認識させられた様です。 発言の全てがイラク派遣に代表された様に『自衛隊の居る所は非戦闘地』と言う、まるで子供だましの様な説明でしたが~ 郵政民営化に関しても 今麻生首相の発言の様に『国民はその内容を理解してなかった~と思う』と言うのは 当たって居る様に思います。 理解すると言うより 裏を返せば 失礼な言い方かも知れませんが『ごまかされて居た』と言う方が当たっているかも知れませんね。 本質は何時も適当な説明でカムフラージュ・・・ 小泉政治の検証はしっかりして欲しいですね。 岡田氏の疑問点は、此の侭見過ごせない大きな問題を含んでいると思います。 又、経団連との癒着に近い政治と言うか~ 今続々起きている問題。 オリックス、キャノン、の問題等。 バブルが弾けると色々粗が見えて来る物です。 年頭の新年会でキャノンの社長が『自民党政権が何時までも続く事を祈る~』と言う様な挨拶をされたとか~と言う記事を読みましたが、自民党政権だと、色々都合の悪い取引も庇ってもらえると思ったのでしょうか? 幾ら一切関係無いと強調されても、親戚だとか長年の友人だとか~と言う仲で、本当に何も無かったか?と不信感を抱かれる様な問題が、当事者の会社の足元で起きている事自体が、傍から見てまともでは無く、見えてしまいます。
21世紀の大会社の幹部の経営メンタリティーに疑問を持つ次第です。 昔、松下会長がドアを開けて待つ目の前を、秘書もつけず、トコトコと身軽に螺旋階段を5階の株主総会会場まで軽々と上がられたのを見て、感心させられました。 社長とは一般的に、偉そうにお供を従えて、階段など使わず、エレベーターで上がって行く物と思って居りましたので~ ご苦労されて叩き上げで、トップになられた方と、その苦労されたトップの方のお陰で大きくなった会社に、高学歴で入社された幹部の方のメンタリティーと経験の違いでしょうか? 現場を理解する事は不可能です。 今の日本は、戦後の焼け野原から復活させた人々の苦労の上に成り立っている事を忘れた、高学歴で世渡りして来た人々の、金銭感覚だけで世の中が回って居る気がします。 其処には思いやりや、助け合いが欠如した格差社会が生出され、丁度、高層ビルの上から下を見下す構図そのものの様な気がします。 余談ですが、石原都知事はその象徴の様な気がします。 発言の中に何時も差別、見下しを感じます。 この知事のオリンピックは絶対反対です。 自由、平等、博愛の国、フランスのクーベルタンの主旨に反する方だと思います。 『民主党の若手の馬鹿~が』と言ったと言うような記事を読んだり、フランスの計算は九九が劣るとか~、東南アジアに対しても、日本女性に対しても、今までに相当差別用語が発せられています。 是ほど差別的な人を見下した言葉を発せられ、自分より偉いものは無い風な方は世界に通用しませんし、日本人として恥ずかしい事です。 オリンピックは、オバマ氏のシカゴが、最適と思っています。 色々書きましたが、早い時期の政権交代を祈って居ります。
投稿情報: 如月 | 2009/02/11 07:25
郵便、配達は、国営に戻す必要ないと思います。
国営の時でも、遅達、未配達などの不始末、配達員の無礼はあり、民営になって配達は少し改善。
郵便局の郵送部門の職員など、定額料金で郵送できるか調べてもらうのをお願いした時、封書の裏表、住所指氏名しっかり見て、人の顔を覗き込むようにまじまじと見て、それから答えるのですよ。
職員教育がなっていないというか・・。
民営化が決まって、しばらくしてから、まともになっていました。
あの人は、国営に戻ると、また、無礼にえばりだすのかなと思っちゃいます。
公務員の方達って、やはり、民間常識とかけ離れていて、びっくりすることがあります。
税金に対する意識も、民間は減らしてはならないという意識なのに、もらえるだけむしりとろうという意識で、たかり的といいますか、いずれは自分に跳ね返るかもしれないと考えない。
民間サラリーマンと公務員のみぞは予想以上に深いと思います。
民主党の課題ですね。
投稿情報: 地球人 | 2009/02/18 11:11
郵政ーオリックスの闇は、オリックスが外資に支配されている企業であるという視点も見逃せないものです。
私は現段階では、民主党・岡田氏を中心とした政権が早期に成立することを望むものですが、外資に支配された法人からも献金を受けるということは、きっぱりと見直すべきと考えています。
投稿情報: m-内藤 | 2009/02/19 17:05
表題から数ヵ月後の投稿にて誰も見てないかもしれませんが、一言言わせてください。
手続きの透明化は結構、おっやるとおりとも思いますが、オリックスへの売却はマスコミ報道の情報のみで申し訳ありませんが、全く問題ないと思っています。正直今回の一括売却を逃したゆえに今後生じる簡保の宿の赤字垂れ流しに、最終的には税金が使われるのは許せないと思います。簡保の宿が不良資産であることは誰もが認識しているはずであり、人の雇用まで保証させての一括売却でのアノ価格はビジネス感覚的には郵政にとり非常にいい取引だったと考えます。岡田さんはプロセス論であり、感情論での否定ではないので安心しましたが、このような経済活動等、今後の国民負担になりえることに感情論で結論をだすことだけは勘弁してほしいと思います。
投稿情報: 税負担を重く感じている者 | 2009/06/19 12:38