北朝鮮が地下核実験を行いました。そして、短距離ミサイルも発射したと報道されています。
この件について、これはまさしく許しがたい行為であり、そして、断固としてこのことに対して、国際社会は対応しなければならないということを申し上げておきたいと思います。
6者協議の合意にも反する行為ですし、世界全体が核の抑制、核軍縮、核不拡散に向かって、いま大きな流れが出来つつあるなかで、まさしくその流れを逆流させるような北朝鮮の行為に対して、世界は一致して抗議し、そして繰り返されることがないよう強い態度を示すべきだと思います。
国連の場で緊急に協議をして、そして対応策を合意して打ち出すべきだと考えています。
前回のミサイル発射のときには、ロシアや中国の意見の食い違いがあり、残念ながら、やや弱い対応になってしまいましたが、今回の行為は、単なるミサイルの実験と比べればはるかに重いことですから、一致した行動が出来ると思いますし、一致した行動を取らなければならないと考えています。
それにしても、北朝鮮は一体何を考えているのか。この時期にこういう行為をすることは、自ら墓穴を掘ることになりかねないと思います。
いずれにしても、しっかりとした対応が必要だということであり、党としてもすでに私の名前で談話を出していますが、改めて、そのことを強調しておきたいと思います。
あわせて、参議院の予算委員会において外務副大臣が示した能天気ぶりは全くひどいもので、政府の危機管理能力が問われる事態であるということも申し上げておきたいと思います。
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ビジネスは、平和的な環境を求めます。平和的な環境の下でこそ、物資・情報・資金が自由に移動し、経済活動がスムーズに行われます。
ビジネスは、軍事的対立を好みません。軍事的対立は、物資・資金の移動を滞らせ、何よりも自由な情報の流通を損ないます。また、軍事的対立は、国内的にも中央政府への権限集中を招き、経済活動の自由度を狭めます。
岡田さんがおっしゃられているように、今回の北朝鮮の核実験は、北東アジアの軍事的緊張を高め、地域の安定を損なう許しがたい行為だと思います。
北朝鮮に対しては、国連の安全保障理事会で、非難決議を行なうとともに、金融制裁、および中国を含めた関係各国による経済制裁を実施する必要があると思います。
前回の北朝鮮に対する金融制裁は、ドル札偽造やマネーロンダリング防止が表向きの理由でした。このため、北朝鮮が話合いに戻った段階で一部解除されました。しかし、今回行なう金融制裁は、“核実験・核開発が二度と行なわれないようにすること”、それ自体を目的とすべきだと思います。すなわち、岡田さんがかねてから主張されている、「北東アジア非核兵器地帯」が確立するまで、金融制裁を継続すべきだと思います。[注1]
金融制裁は、きわめて大きな効果があります。仮に、北朝鮮の海外口座が凍結され、世界中の銀行が北朝鮮に対する取引を停止したら、北朝鮮は、貿易による輸出代金の受け取りが全く出来なくなります。また、輸入代金の支払いも出来なくなるため、海外から何も買えなくなります。そして、金融制裁は、事実上、アメリカ国内法の発動で実施が可能です。
また、中国からも北朝鮮に対し強いメッセージを出す必要があると思います。今回の核実験は、北京で、核廃絶を求めるICNND会議が開かれた直後に実施されました。中国のメンツもつぶされた形だと思います。
OBAMA政権は、BUSH政権と政治基盤が異なるため、「北東アジア非核兵器地帯」確立に前向きと思われます。日本は、国際社会に対し「北東アジア非核兵器地帯」確立の必要性を強く主張し、アメリカ、中国を始め、関係各国に働きかけるべきだと思います。
[注1]北東アジア(東北アジア)非核兵器地帯条約(案)について、次のURL参照。http://www.katsuya.net/upload/pdf/joyaku.pdf
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2009/05/25 22:21
北朝鮮を力で屈服できると考えるのは危険です。
北朝鮮指導者はピョンヤンが火の海になって米韓軍の手に落ちても降伏せず、ロシアや中国に亡命してでも抵抗するでしょう。
国が滅んでも大金を抱えて友好国に逃げ込んで、贅沢に暮らそうという指導者のいる北朝鮮を軍事力で屈服させることはできません。
日本国は、本当に戦争をして、何十万人も死者を出して、北朝鮮を占領することは許されないのだから、関係者はもっと高度な外交・政治論議をすべきです。
しかし、もっと呆れるのは、反米であれば北朝鮮は何をやっても良いというような、日本のイデオロギー政治家の考え方です。
民主党はそのような政治家・政党と提携すべきではありません。
むしろ、北朝鮮の政治家を日本に呼んでよく状況を理解させるべきです。
あるいは、民主党主催の6カ国関係者会議を東京で開催すべきです。
北朝鮮問題は必ず「選挙・政治の踏み絵」になります。
民主党政権が短期で終わるとすれば、北朝鮮問題がその原因になる可能性は高い。
実質、党代表の岡田幹事長も中国・韓国だけでなく、北朝鮮にも足を運ぶべきでしょう。
投稿情報: 一国民 | 2009/05/26 10:45
北朝鮮のマツタケは食べられないと、ふと、夕刊の地下原爆実験の写真を見て思いました。
地下でやっても、その上に乗っかっている山が、赤くなるのですから、すごい。
あれは、地下水も汚れそう。
韓国は怖い思いをしていると思います。
自然、地球を苛める行為は、天につばするのと同じですから、やめてほしい。
でも、9月の選挙まで、北朝鮮はいろいろ、やりそうな気がします。
日本が政局がらみになっているときに、この様な騒ぎが起きます。
そして、なぜか、自公の支持率が少し戻ると。
偶然なのか、こう何回もあると、疑問です。
投稿情報: 地球人 | 2009/05/26 11:13
日本のメリット、憲法9条を守る。
相手国の目的は、わかっていますから、日本は憲法9条を盾にして、平和を取り乱す国と関わらないことを宣言すれば、その国は、困るでしょうね。相手の戦略に乗らず平和宣言をし、相手の思惑に平行線を辿っていれば、考えも改めるでしょうね。一般的に挑発に対して、無視をするのが、大人の対応でしょうか。日本は過剰反応しすぎだと思います。北の隣の韓国の反応はどうでしょうか。注目している問題ですから、世界のリーダーに任せても良いと思っています。
一方で、民主党は、友愛を掲げています。
友愛であれば、テロ大国を支援しなければならなくなる。これは問題です。民主党の考えを知りたいですね。ただ騒ぐだけか、どうか。世論は北との関係は不要と考えています。
それよりも、まず、日本を第一に考える党であってほしいと願っています。友愛を党の柱とするのであれば、第一に他国よりも自国の貧困層を助ける政策を示すべきでしょうね。美しい国を掲げた人は、何を美しくしたかったのか、目的が見えずに辞任されました。鳩山民主党も手の内は見えていません。はっきりと何をするのかを示し、政権交代を目指してもらいたいと思っています。
投稿情報: とりぷる | 2009/06/01 12:26
アジアは、急速に拡大する需要を背景に、世界経済成長のエンジンになると期待されています。そのアジアにとって、たび重なる北朝鮮の核実験・ミサイル発射は、重大な不安定要因であり、問題の根本的解決が必要とされています。
しかしながら、現在の北朝鮮と国際社会との間の交渉は、明確な中長期的ゴールを持たないまま、アメリカは北朝鮮と二国間交渉をすべきか否かとか、北朝鮮をどうやって6カ国協議に戻すかなど、目先の、視野の狭い、短期的な議論に終始しています。
大切なことは、中長期的に北東アジアの平和と安定をどう実現するのか、そのためにどのような地域的枠組みを構築するのかという観点から、問題の解決にあたることだと思います。
すなわち、まず「北東アジア非核兵器地帯」を確立するという構造的・中長期的な目的をはっきり定めた上で、その実現に向け、関係各国が、何を行なうことが合理的なのかという観点から、個々の交渉や制裁を、総合的かつ統合的に行なっていくことが大切であると思います。
そのためには、まず日本が主導して、アメリカ、中国、ロシア、韓国に働きかけ、「北東アジア非核兵器地帯」を確立するという基本的コンセンサスないし方向性を生み出す必要があると思います。
アメリカは、北朝鮮の核の脅威を直接感じる地理的位置にありません。そのため、日本が主導して、議論をリードする必要があります。北朝鮮の核の脅威をもっとも感じる、日本自身が行動しない限り、問題が解決することはありえないと思います。
北朝鮮の核問題解決のためには、中長期的に北東アジアにどのような安全保障枠組みを作るのか、さらに、その後、北朝鮮を、どのようなプロセスを経て国際社会に復帰させるのかという点につき、アメリカ、中国、日本、韓国、ロシアの間で、大局的・基本的な共通理解を形成することが必要だと思います。
岡田幹事長そして民主党においては、ぜひ「北東アジア非核兵器地帯」の確立をマニフェストに盛込み、国民、そして国際社会に強く訴えていただきたいと思っています。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2009/06/05 21:55