今回は、ハイチのこれからについてお話したいと思います。
日本は今まで7000万ドル(約60数億円)の援助を決めています。そのことを大統領に私がお話ししたときに、大統領が私の手を握ってくれました。
そのことは有り難かったのですが、私は大統領に「このお金は日本人の税金です。日本も決して楽ではありません。ですから是非有効に使ってもらいたい」ということを申し上げました。
来週、ハイチ支援国会議が開かれて、そこで日本政府としても若干の積み増しをしようと思っていますが、いずれにしても、それが是非有効に使われることを願わずにはいられません。
そして、ハイチという国は、例えば土地の所有権についてもはっきりしておらず、住民票や戸籍票にあたるようなものも完備されていません。そういう中で、ハイチの国を立て直していくのは大変だと思います。
地震が起こるまで、各国の軍隊が治安維持のために駐留するというなかで辛うじて成り立っていた国ですから、これからは地震の前に戻すだけでは駄目で、やはり国家を一からつくり直すという思いで、プレヴァル大統領やベルリーヴ首相をはじめ、関係者の皆さんには必死で頑張ってもらいたいと改めて思った次第です。
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天災か人災かという問題があります。
貧困という人災が、大地震という天災の被害を1000倍に拡大したと思われます。
***以下引用***
住民のほぼ90%が貧困線以下で生活しているハイチは、南北アメリカの中で最も貧しい国である。
数十年にわたってハイチ民衆は、帝国主義諸国、とりわけフランスと米国が遂行した策略と搾取のおもちゃにされてきた。これら諸国は、かわるがわる従属的体制――1957年から1986までのデュバリエ独裁や2004年のクーデターのように――を打ちたて、支援した。
この従属体制は、多国籍企業や、彼らがその座につけた支配者の利益のためにこの国の富と住民を収奪した。
世界銀行とIMF(国際通貨基金)が強制した新自由主義政策は、地域農業を屈従させ、幾万、幾十万人もの農民を都市の不安定な居住地域に押し込めた。今回の地震は、こうしたスラム地区全体をなぎ倒したのである。
こうした新自由主義政策は、賃金を削り、社会サービス、とりわけ保健医療部門を解体した。地震の前でも、住民の40%以上は保健医療を受けられなかった。女性をとれば保健医療を受けられない人の比率は六〇%に上る。
http://solidarity.blog.shinobi.jp/Entry/676/
***END***
日本国内も貧富の格差を減らすことは、災害対策になります。
しかし、経済発展のない社会も天災には非常に弱いかもしれない。
まあ、カネやモノだけでなく、アメリカと協力して専門家もおくってハイチの復興に協力したいものです。
外務省の職員の研修所をハイチに作るのもよいでしょう。
投稿情報: 一国民 | 2010/03/27 23:46
ハイチは、もともと食料自給率が非常に低くなってしまっていて、農業の灌漑施設なども整っていなかったり、土地が荒れてしまっていたりしていたそうですね。また、識字率が低いなどの教育の問題があったり、建物を建てる際の基準や材料自体がしっかりしていなかったり、、。
援助のお金が、そうしたもともとの問題も同時に解決しながら使われることが、本当に望ましいことだと思います。
農業の施設を一から作り、それも含めたしっかりとした農業知識をハイチの人々が学んで、恒久的に安定した食料を自ら手に出来るようにできたり、、、。
建物も、新たに建てる過程で、若者や子ども達が、建築の知識を身につけながら将来の職業などに結び付けて行く、などの方法が取れたら、、、と思ったりします。
31日の会議では、そうしたことについても具体的に話し合われればいいなあ、、と思いました。
投稿情報: レイ | 2010/03/28 19:05
ハイチの現状を、日本も率直に参考にすべきです。
所有権や戸籍の問題でも、法務局の耐震性を検証したり、データセンターの分散化はどうなのかなど、色々日本でも調査や改善すべき課題はあるのではないでしょうか?
日本では地域主権の名の元に、国の機関を霞が関だけに集中させようとしてますが、少し危険な気もします。
東京直下地震が起きれば、東京のみならず地方も混乱しますから…
地域の声は尊重するにしても、国の機関は独自に地方に残した方が日本にとって利益になるのではと思います。
投稿情報: あ | 2010/03/30 17:30
岡田克也さま、スタッフの皆さま。こんにちは。
遥か遠くハイチの国民の皆さま、改めて、お見舞い申し上げます。
世界の支援で(人材と金銭)、いまの苦境をしのいで。今いちばん苦しい時期でしょう。
いちから国を作ってください。どれだけ大変か想像もつきません。切に祈ってます。
いま私が住む日本は「いちから国を作らないと」さらに弱体化するでしょう。
極端な医療崩壊(近頃、本当に驚くような場面に、しばしば患者として遭遇します)。
子育てどころか結婚もおぼつかない若年貧困層の急激な増加(氷河期世代以降すべて)。
日本の政治が「医療も雇用も捨てる」と断言するなら諦めますが。
格差を作り出すだけの定額のバラマキ。
もうこんなことは当たり前なのですが、欧州で定額のバラマキは有り得ません。
最近の私はヨーロッパ移住を考えてます。日本の政治は三流以下。いえ、政治の体をなしてません。かしこ
投稿情報: 井上彩 | 2010/04/04 16:00