木曜日(4月15日)の夜から日曜日(同18日)にかけて、国会のお許しもいただき、国連(米ニューヨーク)に行ってきました。
日本は現在、国連安全保障理事会(安保理)の非常任理事国ですが、安保理では、構成国が1回ずつ議長を順番に務めるという仕組みがあります。そして、議長国はその特権として、自ら設定したテーマで、一日議論を安保理の中で行うことができるようになっています。
この4月は日本が議長を務める月であり、普通は国連大使が議長を行いますが、この機会をとらえて、私が行って安保理の議長席に座り、「平和構築」というテーマで議論をしてきました。大変有益でした。
安保理のメンバーだけではなく、シエラレオネや東ティモール、あるいはボスニア・ヘルツェゴビナ、アフガニスタンといった国の閣僚にも来ていただき、突っ込んだ意見交換をしました。
紛争があり、そしてその紛争が終わって、通常PKO(国連平和維持活動)などが国連から派遣され、それ(PKO活動)が終わって選挙をやり、新しい体制ができます。普通ならそこで本当の平和の歩みが始まるのですが、残念ながら、また数年内に紛争国に後戻りしてしまうケースがかなり多く、切れ目のない1つの政策の体系が必要となります。それが「平和構築」です。
選挙の終わったあと、例えば、その国が一定の経済成長を遂げ、安定した生活が出来るようになるところまで持って行かないと駄目です。
その過程で、例えば内戦の場合では、戦って負けた方にもチャンスが与えられ、そして和解がきちんと出来ること、そして若者が、銃を持つのでなく専門知識や経験を持って職業に就くことができるようになること。
そういったことをしっかりとやっていこうということで、国連の中でも「平和構築」の問題は、日本もかなり中心となってやってきましたが、この議長月に集大成として議論を行いました。
いろいろな国を見ていても、平和はなかなか簡単には訪れません。国際社会は、PKOや選挙監視、その後の開発を別々ではなくて1つの流れの中で、パッケージとして取り組んでいかなければなりません。
この問題は、日本としても、これからもしっかりと力を入れてやっていきたいと思います。過去に日本がカンボジアで行ったことは、まさにそういったことであり、そういう成功事例を持っています。
安保理の議長席に座り、木槌をトントンと叩いて、議事を進行していきました。ある意味では国会に似ていて、まず形式的に、議長はどういう人の発言を認めるかについての確認を行わなければなりません。
英語で書かれた文書を読めば済むと言われればそのとおりですが、あんまり英語の得意でない私としては、議長をやり、日本の考え方をこれまた英語で説明するということで、結構苦労したところです。
しかし、それなりに私の英語も通用するなと思った次第です。これからは、なるべく演説などは英語でやったほうがいいのかなとちょっと思いました。
いずれにしても、安保理の議長という得難い経験をさせていただきました。非常に良い経験を、外務省の皆さんや国連の潘基文事務総長のご協力のおかげで出来、また、日本としての存在感を示すことができたと思っています。
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お疲れ様でございました。テレビで岡田さんの木槌をトントン拝見いたしました。素敵でした(^^)失礼ながら可愛らしく思い心が和みました(*^^*)
投稿情報: ふ | 2010/04/21 01:37
大変な任務を見事に果たされ、またまた岡田外務大臣が世界の舞台で大活躍されて、ファンとしてとても嬉しいです!
議長を務められる岡田さんのお写真もとても素敵で、机の上の「president」の文字が、なんともまたお似合いでしたね!
「紛争後の平和構築」をテーマとされた討論とのことですが、「岡田外務大臣ステートメント」も読みましたが、岡田さんの設定されたテーマだけに、支援取組を今にも始められそうな強いご意志と具体性が感じられるので、平和構築の現場から来られた国の方々も、遠くから来たかいがあった、、と思われたのでは、と思いました。
また、そうした方々をお呼びして、実際のお話を聞く、、というのも討論の場では、どんなにか有効なことだろう、と感じられ、本当に充実した素晴らしい会議だったのだろうなあ、、、と思いました。
二国間会合などをされた方々が、皆さん岡田さんの今回のイニシアティブを、評価したり感謝したりしていらっしゃるのも、心からそう思っておられるのが分かりました。
ところで、4月9日の会見記録の中の「大規模自然災害等に対する危機管理体制の在り方」について読んだのですが、ここに、岡田さんの真の力量が凝縮されている、と思われる素晴らしい内容でした。これこそまさに、政治家の方に誰もが求める実現力だと思います。
そうした岡田さんの力を、今回も出席者の方々が感じられたのではないでしょうか。外務大臣が海外でこんな風に活躍されることは、日本にとって、本当に重要なことにこれからなってくること間違いなしですね!
それにしても、今回は、岡田さんが日本にいらっしゃらない期間が妙に長く思えました!上記のように、日本にとっての重要度が益々大きくなられているからでしょうか、日本の空気中の重要な成分や地面の厚さまでもが薄くなってしまったように感じられました、、。
ぜひぜひ、これからも岡田さんのお仕事ぶりをいつまでも見続けたい、という気持ちがますます高まった期間でした!
ところで、青いテーブルランプは、今回のお土産でしょうか?それとも以前から置いてあって、画像に入ったこともあったでしょうか?もしそうなら、まだまだファンとしての修業が足りませんね、、。(笑)
投稿情報: レイ | 2010/04/21 01:56
日本で初の議長だとニュースで言ってました。なんだか岡田外相は、新しい事をどんどんこなしていかれますね!!木槌をもった姿も見てみたかったです。「日本もやるな~」って世界に更に認められたんじゃないでしょうか!!嬉しい限りです。
議会は英語でのやり取りなのですね。思っていた以上に大変そう・・・。お疲れ様でした。
一人ひとりが「自分より相手」という心持ちでいれば、平和な世界なんてすぐ出来るんだろうけど、その簡単な事が出来ないのが人間な訳で・・・。
先日も道端で言い争っている2人を見かけました。この小さな争いがまとまって大きくなると戦争が起きるのかなぁ・・・なんて考えてたら、寂しくなりました。
みんなが笑顔で暮らせることって、難しいですね。まずは、周りの人を幸せにする事から始めたいと思います。
投稿情報: いいちこ | 2010/04/21 11:31
岡田克也さま、スタッフの皆さま。こんにちは。
あのニューヨーク、あの安保理の議長。本当にお疲れ様でした。感動いたしました。思わず泣きそうに。岡田さん、本当に本当にカッコよかった!
もしかして普段より緊張されてましたか?
…私の経験ですが。洋楽ロックバンド「クイーン」を聞いて口ずさんでいたら、いきなり英語の発音が上達しました。
周囲に聞くとヴォーカルのフレディマーキュリーの英語は「本物」だとか。ひとりで口ずさむだけでよいので楽です。
激務の連日かと思われます。どうか、どんな中傷や誹謗も気になさらずに。もう疲れてしまった時は必ず休んで、美味しいものを食べてキチンと眠ってくださいね。
もちろん政治家とは責任をとるのが仕事です。でも国民にも責任はあるのです。
政治家と国民の関係は「五分五分だろう」と私は考えます。岡田さんだけが「使命感」で疲れ果てるのは、かなり妙な話と個人的に思います。かしこ
投稿情報: 井上彩 | 2010/04/22 11:02
最初に新政権の誕生以来、弱者への配慮をはじめとする人権的な観点にたって、国内訴訟、外交問題、沖縄密約問題等、ひとつ一つ着実に解決されておられること多大に賞賛したいです。真の民主主義の到来を実感しております。
さて、岡田大臣の仰る「継続的な平和構築」とは、「一国平和主義」ではない「世界はひとつ=人類は兄弟」「人類は和を以って貴しと為す」の理念にたつものだと察します。言わば、これまでの日本の平和維持活動は、賞賛されるものであり、まさに日本の平和貢献は愛そのもので、正義であると言えます。これは、日本国民の誇りなのです。それに反して、「米国の平和構築は」と言うと、ベトナム戦争以来、アフガン出兵に至るまで、すべて失敗です。米国の正義は偽善と言わざるを得ません。しかしながら、それに、追随してきたのが、戦後65年の日本外交史であることは、岡田外務大臣もご承知のことだと思います。要するに、「米国に戦争をさせて、日本が平和貢献をする」という、この日米関係が不誠実であることは、明らかなのです。この関係を払拭するには、もはや、革命しかないのです。目前の課題である「普天間問題」を米国と和解しながら、日本は、米国から自立し、「真の独立」を図るべきだと思います。
岡田外務大臣にピンチをチャンスに転じてほしいと切に願って止みません。
投稿情報: Tsuyoshi Tanida | 2010/04/24 10:45