8月11日に、カザフスタン、ウズベキスタンの出張から戻ってきました。今回行った最大の用務は、中央アジアと日本の外相レベルでの定期協議です。
これは、6年前に川口順子外務大臣の下で設定されて、2年ごとに中央アジアと日本と交互に開催ということでしたが、東京で4年前に開かれた後、なかなか外務大臣の都合がつかなかったということで、4年間空いてしまいました。そこで今回、ウズベキスタンに私が行って、会合を再開しました。
中央アジアというと、なかなかなじみが少ないという方も多いかもしれません。
しかし、まず第一に、この中央アジアの国々は旧ソ連邦の一員であり、ソ連崩壊とともに独立しました。北にはロシア、東には中国、西にはイランやトルコを越えてEUということで、ユーラシア大陸のど真ん中にあり、地政学的に非常に重要な国々です。ここがしっかり安定していることが非常に重要なことです。
しかし、先般のキルギスで発生した問題のように、決して予断を許さない状況にあります。
実は、日本は、この中央アジアの国々、特にカザフスタンやウズベキスタンに対して、独立当初から経済的な支援をしっかりとしてきました。
非常に苦しかった時期、つまり、ソ連邦に組み込まれていた時期に、経済はモノカルチャーで、全てモスクワを経由して全体の経済が成り立っていました。例えば、ウズベキスタンであれば綿花の栽培に特化していために、独立した瞬間に国が危機的な状況に陥ってしまいました。そういう中で、日本は見返りを求めることなく、しっかりと支援をしました。
そして、もう1つ特筆すべきことは、ソ連時代にカザフスタンは核の実験場であり、また核を実際に持っていたのですが、それを放棄すると決断した国でもあります。
私は、この地域に非常に興味を持っていまして、約15年前に当時の新進党の「明日の内閣」の外務副大臣として、この地域を訪れたことがあります。
今回、改めて行ってみて、当時と比べれば経済的にも立ち直っていますが、カザフスタン以外は、まだまだ経済的に低いレベルにあります。カザフスタンは、1人あたりのGDPは8,000米ドルですので、かなりのレベルにありますが、他の国々はまだ貧しい状況にあります。
今回、中央アジアの各国の外務大臣に来ていただき会合を持つとともに、カザフスタンそしてウズベキスタンについては、外務大臣や大統領とも会談の機会を持ちました。
最近、特に注目を集めているのは、そういう地政学的なことに加えて、資源です。特にカザフスタンの場合は、世界でも指折りのウランの生産地です。そして、レアメタルやレアアースなども注目されています。
日本企業もいろいろな合弁プロジェクトなどを始めていますが、本来もっともっと交流をしていい地域だろうと改めて思いました。そういう意味でも、日本にとって非常に重要な国々であると思います。
独特な文化を持った国でもあり、肉料理の連続でちょっと参ってしまいましたが、国民性は非常に紳士的で、「自分たちが苦しいときに真摯になって助けてくれた」と、20年前のことを知っているウズベキスタン、カザフスタン両国の大統領は、ともに日本に対する思い入れを持っていただいています。
そういう遺産がある間に、もう一歩深めた交流が必要ではないかと改めて感じた次第です。
※ブログの動画版はこちら
しかし、まず第一に、この中央アジアの国々は旧ソ連邦の一員であり、ソ連崩壊とともに独立しました。北にはロシア、東には中国、西にはイランやトルコを越えてEUということで、ユーラシア大陸のど真ん中にあり、地政学的に非常に重要な国々です。ここがしっかり安定していることが非常に重要なことです。
しかし、先般のキルギスで発生した問題のように、決して予断を許さない状況にあります。
実は、日本は、この中央アジアの国々、特にカザフスタンやウズベキスタンに対して、独立当初から経済的な支援をしっかりとしてきました。
非常に苦しかった時期、つまり、ソ連邦に組み込まれていた時期に、経済はモノカルチャーで、全てモスクワを経由して全体の経済が成り立っていました。例えば、ウズベキスタンであれば綿花の栽培に特化していために、独立した瞬間に国が危機的な状況に陥ってしまいました。そういう中で、日本は見返りを求めることなく、しっかりと支援をしました。
そして、もう1つ特筆すべきことは、ソ連時代にカザフスタンは核の実験場であり、また核を実際に持っていたのですが、それを放棄すると決断した国でもあります。
私は、この地域に非常に興味を持っていまして、約15年前に当時の新進党の「明日の内閣」の外務副大臣として、この地域を訪れたことがあります。
今回、改めて行ってみて、当時と比べれば経済的にも立ち直っていますが、カザフスタン以外は、まだまだ経済的に低いレベルにあります。カザフスタンは、1人あたりのGDPは8,000米ドルですので、かなりのレベルにありますが、他の国々はまだ貧しい状況にあります。
今回、中央アジアの各国の外務大臣に来ていただき会合を持つとともに、カザフスタンそしてウズベキスタンについては、外務大臣や大統領とも会談の機会を持ちました。
最近、特に注目を集めているのは、そういう地政学的なことに加えて、資源です。特にカザフスタンの場合は、世界でも指折りのウランの生産地です。そして、レアメタルやレアアースなども注目されています。
日本企業もいろいろな合弁プロジェクトなどを始めていますが、本来もっともっと交流をしていい地域だろうと改めて思いました。そういう意味でも、日本にとって非常に重要な国々であると思います。
独特な文化を持った国でもあり、肉料理の連続でちょっと参ってしまいましたが、国民性は非常に紳士的で、「自分たちが苦しいときに真摯になって助けてくれた」と、20年前のことを知っているウズベキスタン、カザフスタン両国の大統領は、ともに日本に対する思い入れを持っていただいています。
そういう遺産がある間に、もう一歩深めた交流が必要ではないかと改めて感じた次第です。
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もっとアジアが仲良くなって平和になると良いと思います。
支援した時から20年も経っているのに、未だに感謝の気持ちを忘れないとは。よほど嬉しかったという事もあるだろうけど、出来た人々なのでしょうね。
それにしても、まだまだ争い耐えない世の中なのですね。ショックです。
ほんとの平和はいつになったら実現するのか・・・。何とかしてください、岡田外相!!
投稿情報: いいちこ | 2010/08/14 11:52
メジャーと呼ばれる大手石油会社は、世界各地で、莫大な額の開発投資・設備投資を行なうため、常に10年先、20年先の需要予測、産業動向予測を行なう必要に迫られます。
そのメジャーのひとつROYAL DUTCH SHELLのホームページに、今後、数十年間の未来を予測する興味深いシナリオがふたつ提示されています。
ひとつは、SCRAMBLE シナリオです。ここでは、人類は、気候変動やエネルギー需要の拡大という事態の変化についていけず、後手後手に回り、石油・天然ガスなど希少化する資源をめぐり、各国が互いに争う(SCRAMBLE)という展開が予測されています。
もうひとつは、BLUEPRINTS シナリオです。ここでは、人類は、気候変動やエネルギー需要の拡大を的確に予測し、それへの対応を常に先手先手で行い、各国が連携し、話し合いを通じて、紛争や危機的状況を乗り切るという展開が予測されています。
かつて、19世紀の帝国主義、20世紀の冷戦の時代は、各国が、ナショナリズムとイデオロギーを強調し、資源をめぐって互いに争う、まさにSCRAMBLE シナリオの時代でした。
中央アジアにおいては、現在も、地政学の立場から、同地域の天然ガス資源をめぐる各国の争いが行なわれているようです。
しかしながら、21世紀の市場経済とオープンな政治システムを共有するグローバル経済の時代においては、再生可能エネルギーや情報通信技術の発達とあいまって、人類が、前もって明確な青写真(BLUEPRINTS)を描き、各国が、連携と話し合いを通じて、共通課題を解決していく、政治的・社会的基盤が整ってきていると思います。
大切なことは、将来を見透した政治のリーダーシップと、人類としての立場に立った、ひとりひとりの判断・行動であると思います。
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ROYAL DUTCH SHELLの提示するSCRAMBLE シナリオとBLUEPRINTS シナリオのビデオは、次のURLで視聴出来ます。
http://www.shell.com/home/content/aboutshell/our_strategy/shell_global_scenarios/scenarios_videos/video/
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/08/16 05:21
レアアースについてあまり知らなかったのですが、エコカーや太陽光パネルなどに必要で、これからの日本の経済にとっても、非常に重要な素材なのですね。岡田さんのおっしゃるように、日本に対して温かい気持ちを持ってくださっている、ということは本当に「遺産」で、手を合わせたいくらいありがたいことに感じます。これからも温かい気持ちで積極的に交流を進めて、お互いに経済も心も豊かになれればいいですね!!
中央アジア、さすが大陸の真ん中にあるだけあって、肉料理が主なんですね。肉料理で参っちゃった!とのことで、馴染みのない種類のお肉なども沢山連続して召し上がったりもされたのかな、、と思いました。「まさにその国の代表的料理!」という最高のおもてなしを受けられた結果、そういうことになったはずですから、逆に考えると、中央アジアの方々に日本へ来ていただく時は、日本食をお出しするのに注意が必要かもしれない、、と思いました。中央アジアの方々にとって、お魚料理なんて、特にお刺身などは、連続して召し上がるのが苦痛かもしれませんものね!観光としてのんびりいらっしゃる場合はなんとかなりそうですが、やはりお仕事で、しかも強行スケジュールなどで来られる場合、お口に合わない慣れない食事の連続は、体力と精神力を奪ってしまいそうですね。なんとか、さりげなく、メニューに自国のお料理なども常に混ぜて差し上げると、喜ばれるかもしれませんね、、。
また、いつも自国で飲んでいるお茶などを、飯倉公館などのお食事の場への到着時などにお出しすると、ほっとして頂けるかもしれない、、などとも思いました。私は緑茶を普段良く飲むので、国内旅行中にも、和菓子などと共に、抹茶や緑茶を飲むことができるお店に入ると、人心地がつき、ものすごく美味しくて幸せになって、奇跡のように疲れが取れます。海外から重要なお仕事のために来られた方なら、緊張感などもおありでしょうから猶のこと、おもてなしの心も伝わって、その後のお食事会もゆったりとしたリラックスした気持ちで臨むことがお出来になるのではないかなあ、、と思いました。
投稿情報: レイ | 2010/08/17 10:19
中央アジアの国々には、漠然とした印象しか持っておらず、ソ連崩壊後、日本が援助をし、そのことを20年を経た今も感謝していてくれているとは恥ずかしながらしりませんでした。 安定した友好関係を継続、深化させていきたいですね。 資源国としても日本にとって大切な国々で、現地に合弁会社が設立されていると。 ここで日本の技術力を国が後押しして、官民一体となり、天然資源、レアメタル、レアアース等を調達して日本の鉱業生産力をさらに高め、又、そこの国々の技術、産業、経済の発展に寄与したいものです。
投稿情報: 楽友 | 2010/08/29 22:06
現在、4年目になりますが中央アジア、特にキルギスタンで仕事をしてきました。今後は独立して日本と中央アジアを結ぶ仕事をしたいと考えています。
今回、政権交代などの混乱のあったキルギスタンに直接来られなかったのは残念ですが、今後この地域の安定に向けてさらに日本の支援が必要なことは間違いありません。現在新政府が本格的な議会中心政治へ移行すべく様々な取り組みをしており、キルギスタンは良い方向に向かっているように思われますが、国内・国際関係においてはウズベクとの人種・国境問題などいくつも不安定要素が残っており、今こそ日本の存在感を示すべきだと思うのですが。。。
こちらに来て4年、残念ながら日本の存在感はどうしても薄いと感じざるを得ません。現地の人と話をしても、良いイメージを持たれていながら実際ににはまだまだ遠い国、という感想をよく耳にし、残念に思うのです。今、そうした「イメージ」レベルの関係から、実際に国同士発展のために協力していく段階に来ていると思いますがいかがでしょうか。今回の中央アジア訪問でこうした実質的な関係構築に弾みがつけばと心からお思います。
なおレアアースに関してですが、特に需要の多いレアアースを完全に中国に依存する中、現在中国以外で稼動可能な鉱山と処理施設を持つ唯一の国がキルギスタンです。採掘権は独立後の混乱期にすでに国外にが移ってしまっていますが、ここは日本が国として支援を行い、不足が予測されているレアアース資源の確保を行うべきではないでしょうか?少なくともキルギスタンにもその見返りが落ちるような周辺施設開発やインフラ整備の支援に日本は国として参加できないでしょうか?
投稿情報: KEI | 2010/09/01 15:39