今日の閣議で、新規採用の抑制について正式に決まりました。
この問題は、賛否両論いろいろご意見をいただいていましたが、私としては、政権交代後の2年間、その前(平成21年度)と比べて、4割弱(23年度)、3割弱(24年度)と新規採用を減らしていたわけですが、それをさらに大幅に上回る削減ということでお願いしていたものです。
最終的には、56%抑制ということに決まりました。四捨五入すれば6割ということですが、まずまずの結果になったと思います。
いろいろなご批判をいただきました。「若者にしわ寄せをするのか」という批判が、一番堪えた批判です。
もちろんこれは、若者にだけしわ寄せをするものではありません。たまたま物事の順番が、新しい採用試験が始まる4月ということがありましたので、最初にこれが来たような印象を与えていますが、できることはあらゆることをやると申し上げています。
あとで少しお話したいと思いますが、中高年の方や定年を迎えた公務員に対しても、民間と比べて優遇されていると思われるような部分は、変えていかなければいけない。具体的にいま動き出しているところです。
今回、非常に面白かったのは、抑制幅の数字が報道で先走りしたことです。
私自身は、「大幅に削減する」と申し上げました。したがって、過去2年間の4割弱、3割弱という数字と比べれば大幅に削減するということで、6割弱になったわけであります。
私としては、6割ぐらいを目途にということで、実際に各省と第一線で折衝していただくのは総務省(行政管理局)ですから、総務省の皆さんには「6割ということでなるべく収まるようにお願いしたい」と言いましたが、これは外には言わない、外に対しては「大幅に削減」という言葉で、あまり数字が先走らないようにしよう、ということで進めてきたわけです。
メディアは、最初は「4割超」から始まって、「7割」とか「8割」とか、私がそういう数字を指示した、言っていると。そういう報道がたくさんなされたわけです。そのたびに、記者会見で「私自身が数字を挙げて各省と交渉していることはない」と申し上げましたが、一旦メディアも報道してしまうと、それを訂正するよりは、そのことが事実であるかのようにいろいろ報道し、最近も「岡田副総理は7割という指示を出したが、各省の抵抗で56パーセントに落ち着いた」、と全くの作り事、「作文」や「小説」みたいなものですが、そういう記事を書いたところもあります。
もちろん、いろいろな数字が飛び交ったのは、総務省から各省庁に対して、この範囲でということで数字を投げたことによるものです。しかし、それはもちろん一律ではなくて、各省庁の状況をよく見て、どうしても減らせない職種もあります。例えば海上保安庁などは、あまり減らすわけにはいかないわけです。そういった職種の状況なども踏まえながら、省庁ごとに違う数字を総務省として提示をしたということです。
しかもそれは、交渉事では当然のことだと思いますが、ある程度きつめの数字をまず投げて、そして相手と交渉しながら妥当なところに落ち着かせていくということです。
その交渉過程のきつめの数字を取り上げて、「7割」、「8割」と報道したことは、こんないい加減な報道をしていていいのかなと、思わないでもありませんでした。
いずれにしても、今回の数字は、人件費の削減効果としては、1年間で見ればそう多いものではありません。しかし、これがずっと定年まで続くことを考えれば、かなりの金額になります。そして何よりも、全体の総人件費削減ということに対する政権としての覚悟を示すことになったと思っています。
定年の延長について、人事院からの「60歳定年を65歳に延ばすように」という意見に対して、それは受け入れずに、60歳で一旦定年退職して退職金を払う。その後は、「再任用」という形で、1年契約で65歳まで任用を延ばしていくと。そういう考え方を取ることは、すでに政府として決めたわけです。
60歳でいったん退職していただきますから、その後の勤務状況については再度協議をすると。それまで引っ張られることはない。場合によっては、課長補佐だった人が平社員並みの待遇になるということもあり得ると。もちろん、しっかり能力もあり、力量を発揮してこられた課長補佐は課長補佐として留まることもある。こういうことで、制御をさせていただきました。民間の実態に合わせて考えさせていただいたわけです。
退職金の官民格差が約400万円あるという人事院の調査結果が出ています。これの対応も急がなければなりません。
その他、年金は、公務員とサラリーマンは同じ年金制度になるという法案を、国会に4月の上旬に出しますが、そのときに「職域加算」といって、半分くらいの企業は同様の制度を持っていますが、その「2階建」の上に「3階建」の年金制度を公務員は持っています。もちろん、その源泉(事業者負担分)は税です。この扱いをどうするべきかという議論も、既にスタートしました。
現時点では、(職域加算を)廃止するとも廃止しないとも私は申し上げていません。しっかりとした議論を踏まえて、また国民の皆さんにご説明しなければならないと思っています。
その他、総人件費抑制に関して考えなければいけないことが、仕事のやり方を変えるということです。
今の仕事を前提にして、「もうこれ以上削れません」など、いろいろなご意見を聞きますが、やはり役所の幹部であれば、どうやったら仕事の負担を減らせるか、効率化できるか、ということは常に考えていなければ、管理職とは言えません。そういう発想がないまま、今のやり方を続けて、そして「人が足りない、人が切れない」というのは、私は管理職としては失格だと思います。
今ある有能な人材をいかに効率的に使って、しかも、やり甲斐を持ってやってもらえるか。そして、ここにムダがないようにするかということは、やはり課長以上の管理職であれば、常に考えていなければならないと思います。残念ながら、霞が関全体にそういう風潮が乏しいと私は思っていますので、そういった管理職の意識改革も併せてやっていかなければいけないと思っています。
※ブログの動画版はこちら
※「平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針」はこちら(総務省ホームページ)
もちろんこれは、若者にだけしわ寄せをするものではありません。たまたま物事の順番が、新しい採用試験が始まる4月ということがありましたので、最初にこれが来たような印象を与えていますが、できることはあらゆることをやると申し上げています。
あとで少しお話したいと思いますが、中高年の方や定年を迎えた公務員に対しても、民間と比べて優遇されていると思われるような部分は、変えていかなければいけない。具体的にいま動き出しているところです。
今回、非常に面白かったのは、抑制幅の数字が報道で先走りしたことです。
私自身は、「大幅に削減する」と申し上げました。したがって、過去2年間の4割弱、3割弱という数字と比べれば大幅に削減するということで、6割弱になったわけであります。
私としては、6割ぐらいを目途にということで、実際に各省と第一線で折衝していただくのは総務省(行政管理局)ですから、総務省の皆さんには「6割ということでなるべく収まるようにお願いしたい」と言いましたが、これは外には言わない、外に対しては「大幅に削減」という言葉で、あまり数字が先走らないようにしよう、ということで進めてきたわけです。
メディアは、最初は「4割超」から始まって、「7割」とか「8割」とか、私がそういう数字を指示した、言っていると。そういう報道がたくさんなされたわけです。そのたびに、記者会見で「私自身が数字を挙げて各省と交渉していることはない」と申し上げましたが、一旦メディアも報道してしまうと、それを訂正するよりは、そのことが事実であるかのようにいろいろ報道し、最近も「岡田副総理は7割という指示を出したが、各省の抵抗で56パーセントに落ち着いた」、と全くの作り事、「作文」や「小説」みたいなものですが、そういう記事を書いたところもあります。
もちろん、いろいろな数字が飛び交ったのは、総務省から各省庁に対して、この範囲でということで数字を投げたことによるものです。しかし、それはもちろん一律ではなくて、各省庁の状況をよく見て、どうしても減らせない職種もあります。例えば海上保安庁などは、あまり減らすわけにはいかないわけです。そういった職種の状況なども踏まえながら、省庁ごとに違う数字を総務省として提示をしたということです。
しかもそれは、交渉事では当然のことだと思いますが、ある程度きつめの数字をまず投げて、そして相手と交渉しながら妥当なところに落ち着かせていくということです。
その交渉過程のきつめの数字を取り上げて、「7割」、「8割」と報道したことは、こんないい加減な報道をしていていいのかなと、思わないでもありませんでした。
いずれにしても、今回の数字は、人件費の削減効果としては、1年間で見ればそう多いものではありません。しかし、これがずっと定年まで続くことを考えれば、かなりの金額になります。そして何よりも、全体の総人件費削減ということに対する政権としての覚悟を示すことになったと思っています。
定年の延長について、人事院からの「60歳定年を65歳に延ばすように」という意見に対して、それは受け入れずに、60歳で一旦定年退職して退職金を払う。その後は、「再任用」という形で、1年契約で65歳まで任用を延ばしていくと。そういう考え方を取ることは、すでに政府として決めたわけです。
60歳でいったん退職していただきますから、その後の勤務状況については再度協議をすると。それまで引っ張られることはない。場合によっては、課長補佐だった人が平社員並みの待遇になるということもあり得ると。もちろん、しっかり能力もあり、力量を発揮してこられた課長補佐は課長補佐として留まることもある。こういうことで、制御をさせていただきました。民間の実態に合わせて考えさせていただいたわけです。
退職金の官民格差が約400万円あるという人事院の調査結果が出ています。これの対応も急がなければなりません。
その他、年金は、公務員とサラリーマンは同じ年金制度になるという法案を、国会に4月の上旬に出しますが、そのときに「職域加算」といって、半分くらいの企業は同様の制度を持っていますが、その「2階建」の上に「3階建」の年金制度を公務員は持っています。もちろん、その源泉(事業者負担分)は税です。この扱いをどうするべきかという議論も、既にスタートしました。
現時点では、(職域加算を)廃止するとも廃止しないとも私は申し上げていません。しっかりとした議論を踏まえて、また国民の皆さんにご説明しなければならないと思っています。
その他、総人件費抑制に関して考えなければいけないことが、仕事のやり方を変えるということです。
今の仕事を前提にして、「もうこれ以上削れません」など、いろいろなご意見を聞きますが、やはり役所の幹部であれば、どうやったら仕事の負担を減らせるか、効率化できるか、ということは常に考えていなければ、管理職とは言えません。そういう発想がないまま、今のやり方を続けて、そして「人が足りない、人が切れない」というのは、私は管理職としては失格だと思います。
今ある有能な人材をいかに効率的に使って、しかも、やり甲斐を持ってやってもらえるか。そして、ここにムダがないようにするかということは、やはり課長以上の管理職であれば、常に考えていなければならないと思います。残念ながら、霞が関全体にそういう風潮が乏しいと私は思っていますので、そういった管理職の意識改革も併せてやっていかなければいけないと思っています。
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※「平成25年度の国家公務員の新規採用抑制の方針」はこちら(総務省ホームページ)
あなた方はよくぞこう間違ったことを延々と続けられますなあという実感で、本当にそれ以上の言葉がありません。もう既に民主主義の力と検察・警察権力によりストップをかけるしかないところまで来ていますので、いろいろと覚悟をしてお待ち頂きますようよろしくお願いいたします。岡田さんは仕事そのものの無い人の苦しみをよく想像されることから始められるべきです。
投稿情報: 豊田定史 | 2012/04/03 19:01
従来の低所得者層、震災の影響で収入の少ない人、また雇用されてない人がとても多い時に、国自らが雇用を減らすのは間違ってないでしょうか。
人減らしで経費削減をしていては岡田副総理の言う管理者としての技量を疑われます。
できれば、新規採用を大幅に増やし、雇用率を少しでも上げるんだという政権としての覚悟を示してほしかったです。
投稿情報: 石山孝晴 | 2012/04/04 02:07
メディアを批判されていますが、ではNETで公開質問を受付、回答説明されてはいかがですか。
なお、BLOGOSでもこのブログが転載されていますが、批判コメントに答えておられません。NETでは自分の意見を一方的に述べれば良いのであって、質問などに応える必要など無いとお考えなのでしょうか。
NETでの討論が国民への説明義務を果たす上で大切だと思いますが、貴殿のご意見をお聞きしたいと思います。
投稿情報: 北谷 孝 | 2012/04/04 10:55
約六割の削減、色々言われる中でも、決定したようで良かったと思います。
「若者にしわよせ」という意見もありましたが、私は二十代ですけど、将来のことを思って岡田さんが新規採用を抑制したことだと理解しているつもりなので、賛成です。
メディアの、いい加減な報道は、本当にやめてほしいです。
投稿情報: あひる | 2012/04/05 21:04
マスコミでは官僚、すなわち公務員のことを「国民の血税にたかるシロアリ」などと呼ぶ声もあります。
それなら国家公務員新規採用抑制はシロアリの繁殖を抑える良い政策のはずなのに、公務員をシロアリ呼ばわりする同じ声の主が非難していることがあります。なんという定見のなさでしょう。岡田さんは新聞購読を止める等、行革に全力を注いでおられ、新規採用抑制もその一環なのですから、筋は通っています。
わたくしは国民の雇用を守るべきと考えるので、今回の決定には反対です。誤った政策です。しかし岡田さんの一貫した姿勢には敬意を表します。
さて、批判の声を抑えるには何といっても景気回復しかありません。民間企業が採用を増やし、かつ給料、休暇制度、雇用の安定等待遇が公務員並み、いやそれ以上になれば、黙っていても公務員などになりたがる若者は減ります。
良い経済政策を実行されるよう願います。
投稿情報: さんぴん茶 | 2012/04/09 19:06
ネット上の偏った誹謗中傷に負けないで下さい!
どの問題でもそうですが、反対派の方が声が大きいですが実際は数は少ないものです。
消費税増税も賛成というより容認している国民が多いので、いちいち賛成などと口には出しません。
そのため反対派ばかりが取り上げられ、まるで数が多いかのように報道されがちですね。
投稿情報: 20代の主婦 | 2012/04/10 00:53