今日はイラク開戦4周年です。
安倍総理は「宗派対立が激化していることを憂い、一日も早く平和なイラクになることを望む」というコメントを出しています。まるで、他人事のようなコメントだなと思います。
あの本会議場で、イラク開戦のその日の夜遅く本会議が開かれ、そこで私は当時、幹事長として演説、つまりイラク開戦反対の演説をしました。
そのことを昨日のことのように思い出します。
そのときに私が申し上げたことは、「とうとう戦争が始まってしまった。こういう事態になったことに対して、私自身も政治家として大きな責任を感じる。議場の皆さんも同じ思いだと思う」――そういうことを申し上げました。
そして、大量破壊兵器が本当にあるかどうか分からないということも申し上げました。そのときには、大きなブーイング、ヤジがたくさん飛ばされたわけです。
いま考えても、私はこのイラク開戦について、3つの問題があるといまでも思っています。これは機会があれば、また国会でも是非議論したいと思います。
1つは根拠の話です。政府は十数年前の湾岸戦争の武力行使決議をもって、根拠としているわけです。しかし、これはあまりにも荒唐無稽です。
そして、安保理の中でも、そのような解釈をとっている国は、アメリカやイギリスを除くとほとんどないわけです。フランスや中国、ロシア、そういった常任理事国は十数年前の湾岸戦争の決議をもって戦争を正当化するという解釈はとっていません。
つまり、安保理の中でも意見が分かれている、それを当然のように日本政府は正当性の根拠にしている。これは非常に問題だと思います。
安保理の決議というのは、これから自衛隊が国際的な展開をしていくなかで、非常に重要なポイントです。安保理の決議がちゃんとあるかどうか。
にもかかわらず、本来は決議がないにもかかわらず、「ある」と言い張るという、そういった悪い先例をつくってしまった。それはこれからも非常に大きな影響が及ぼすだろうと考えています。
2番目は大量破壊兵器がなかったことについてです。これについても日本政府は、大量破壊兵器あると信ずるに合理的な、正当な理由があったと言っています。
しかし、当時も国連からの査察団が「数年とは言わない。数日とも言わない。しかし、なお見極めるために数カ月の時間が必要である」と言ったにもかかわらず、武力行使を始めたわけで、当時でも大量破壊兵器があると信ずるに足る正当な理由があったとは多くの人は考えていなかったわけです。
にもかかわらず、そのことを当然のように主張しているということ、ここにも大きなウソがあるということです。
そして3番目に、現在でも活動している航空自衛隊、これはもちろん、人道復興支援活動ではありません。米軍あるいは展開する多国籍軍のいわば後方支援活動をしているわけです。
ずっと「人道復興支援活動」という言葉を政府や小泉総理は使い続けてきました。しかし、現実は米軍の後方支援もやってきた。そして、いまや後方支援だけです。サマワの陸上自衛隊が撤退したいまは、米軍あるいはその他の多国籍軍の後方支援しかしていない。そのことを、国民に対して十分にその実態を説明していないという問題があります。
そういう様々な問題を抱えながら、いつまで自衛隊はイラクに居続けるのか。そして、イラクの平和のために本当に日本はどういう役割を果たしていくのか。いまこそ日本外交の役割が問われていると思います。
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