何のための国会延長か──年金、久間発言なども議論なく

国会も今週の木曜日で閉会ということになります。ただ、今日も含めて、火、水、木と３日間残っているわけですけれども、国会で実質的な審議がおこなわれる、そういう雰囲気にはありません。先週で全て終ったと言わんばかりの与党の対応です。

これでは、何のために会期を１２日間延長したのか分からないということになってしまいます。安倍さんも国会延長のときに、政策論をやるために延長するんだと、それ以外には理由はないんだと言っておられましたが、さっさと十分な審議をしないまま関連の法律を成立させ、その後はほったらかし。

これではやはり国会の延長が、１週間参議院（選挙）の投票日を延ばすことによって、一つは年金の逆風が和らぐことを狙った、そしてもう一つは、夏休み入りすることで投票率が下がることを狙った。そのための国会延長であったと。こう言われても仕方がないと思います。その背景にあるのは、まさしく国民無視の政治、いまの政権与党の政治であります。

さて、国会の中でいま議論しなきゃならないこと、大きく言って２つあります。一つは年金の問題です。年金の問題は、安倍総理がいろいろテレビなどで対策を打ち出しておられますけれども、そして第三者委員会なども選挙直前に一定の方向性を出すというようなことで、まさしく選挙の道具として使われている観が非常に強いわけであります。

しかし、安倍さんが言われることが本当に実現可能なのかどうか、我々は大いに疑問を持っているわけであります。第三者機関についても、いろんな議論が必要だと思っています。例えば、第三者機関というものの判断に異論がある場合に、それはどういう扱いになるのかということは、必ずしも明確ではありません。

あるいは、いま外注をして電話相談を受け付けていますが、民間に外注して守秘義務との関係はどうなるのか、契約もきちんとせずに外注しているという話も聞こえてまいります。

そういう安倍さんが約束したことが本当に出来るのかどうかということも含めて、年金の問題について厚生労働委員会を開いてしっかりと議論をすべきだと考えますが、厚生労働委員会も開かずに国会を終えてしまう。そういう、まさしく説明責任を果たさない政治が今回もおこなわれているということです。

もう一つは、久間防衛大臣の発言、「原爆投下はしょうがない」発言です。ソ連の参戦ということもあった、そのことを言いながら、「原爆投下しょうがないと思っている」という発言をされました。

発言自身は全くとんでもないことで、そしてその後も、久間さんは開き直りの説明をしているわけですが、誰が考えても無差別殺人、罪のない一般市民の大量殺戮であったことは間違いありません。そしてそのことは国際法に反する、そういうものであります。

そのことはしっかりと指摘をする。日本自身が「しょうがない」と言ってしまったのでは、これは本当にこれからの核の不拡散、あるいは核の軍縮、そういった流れを逆流させるような、そういった発言であります。責任をしっかりと認めてもらわなければなりません。（注）

そして安倍さんは、久間発言をかばいながら、核を無くすことが大事なんだと言われています。確かに核を無くすことは非常に重要なことで、私も関心を持ったテーマです。しかし、核を無くす、つまり核軍縮、アメリカに対していままでそういったことを日本国総理大臣として言われたことがあるんでしょうか。

あるいは核の不拡散。インドとアメリカの間の原子力協定は、インドの核大国化に道を開く可能性がある。そのことは、私は国会でも安倍さんに指摘をしたわけですが、しかしこの問題について、安倍さんからは具体的な日本としてこう考えるということは示されていません。

もし核がない世界をつくることが非常に価値のあることだとおっしゃるのであれば、具体的な行動でこれも示してもらいたいものだと思います。言うだけなら誰にでも言える、そういう風に思えてなりません。

（注）その後、久間防衛相は今回の発言の責任を取り、大臣を辞任。

Comments

[投稿情報: 中山 陽介]

初めて投稿させて頂きます。今朝朝早く北千住にてチラシを配られていて、更に私と握手してくれた事非常に嬉しい次第です。握力が相当あるなと感じました。夏本番にはなりますが、くれぐれもお体には気をつけて下さい。

[投稿情報: kakochan]

今日、「この子たちの夏」という朗読劇を観てきました。劇の間中涙が止まりませんでした。原爆で一瞬のうちに命を奪われた人達、苦しみながら死んでいった人達、今直苦しんでいる人達がいます。原爆をしょうがないなどと発言する人が大臣とは情けない。政治家であることも許せない。国民の代表者であるべきなのに・・・自民党は腐ってる。

[投稿情報: 宮崎 圭司]

本日、７月４日朝、地下鉄築地駅にて久しぶりに克也さんのお顔を拝見致しました。少しやせられて心配です。今年、大きく動かせるﾁｬﾝｽであることは国民みな感じております。それだけに、重責とは思いますが、どうかお勝ち下さい。時折、テレビにて有志を拝見できることが嬉しく感じます。

[投稿情報: 小澤 道子]

安倍総理は久間大臣の辞任に関して「私にも任命責任がある」などといっていましたが、それなら問題発言に対する対応を厳重注意や辞任の了承などでなくもっと厳しく、罷免すべきだったと思います。

今回の対応を見ていると核に対する総理の本心がのぞいていると思えてなりません。任命責任もさることながら、総理の核に対する考え方が問題なのでは、と思います。

[投稿情報: REO]

核兵器を容認するとも受け取られる発言で防衛相辞任に追い込まれた久間氏。原爆投下によって戦争終結が早まった―、アメリカ人ではなくとも、こうした認識を持っている人は少なからずいると思います。事の正否云々ではなく、防衛相という立場で、まして長崎出身の政治家として、軽々しく｢しょうがない｣と言ってのける感覚はあまりにも鈍くてお粗末です。

発言直後は久間氏も撤回せず、安倍首相も問題視していませんでした。辞任という結果は控えている参院選がもたらしたものです。前首相の上っ面だけの軽さを踏襲するような後任のサプライズ人事も、不都合なことから国民の注意を逸らす｢めくらまし｣のようなものでしょう。

確かに日本周辺の近年の軍事情勢は、平和が当然と思っている国民にさえ危機感を抱かせます。そんな状況の中で、核武装論が語られ、憲法改正に意欲を燃やす安倍首相の舵取りでは、いずれ日本は沈没してしまうでしょう。

戦後６０年余り、被爆者の高齢化も当然進み、原爆投下の事実すら風化されかねない昨今。久間氏の発言は許しがたいものですが、この件が予想以上に世間の注目を集め、改めて日本人が｢原爆投下｣という人類最大の過ちについて考えさせられたことは、一種の怪我の功名と言えるかもしれません。

[投稿情報: hiropon]

困った問題ばかり引き起こす政府与党（自民党）には,呆れるばかりです。社保庁問題、最終責任は誰にあるのですか？

社保庁解体して責任の所在が曖昧になり、国民が泣きを見て終止符なんて考えてしまいます。賞与の一部返上なんて、返上しても日頃の生活に影響のない人ばかりで、頂ける筈の年金が宙に浮いていて生活に支障を来たしている国民をあざ笑っているようで、これだけに惑わされて責任を取ったと錯覚されては困ります。

国会延長も筋書き通りで、強行採決以外何ものでもなかったですね！久間さんの辞任も、選挙の為のパフォーマンスそのものですね。現に当人がそのような発言をしていて、自分の失言を反省する言葉は一切聞かれなかったですね。野党の罷免要求に対する当人の反応は何ですか。罷免要求「あんなのは良くあること、どうって事ない」ような意味合いのものでした。全く自分の発言の重大性を認識していない。柳沢厚労相の発言もいつの間にか蓋をされています。今になっては、それを口にする人さえ少なくなっている。与党のペースに完全に振り回されている野党に腹立ちを覚えます。公明党が久間氏を辞任に追いやったとの事ですが、勘違いしては困ります。野党が罷免要求したからでもありません（現に当人は罷免要求を鼻先で笑っていたではないですか。）国民の声、原爆被災地の長崎、広島県民の許しがたい反応があったからです。今、国民は怒っています。

その矛先が、参院選に必ず現れてくると思います。もう今の時代は、「おらが村の大先生」に任せる政治にピリオドを打つべきです。その、国民の目を覚ますのが「民主党」を主とした野党の皆さんの頑張りです。応援しています。岡田さん、小沢さんを頂点に、一致団結してこの一ヶ月足ら頑張って下さい。今回勝たなければ、又夢は遠のくと思います。

[投稿情報: W.T]

今晩は！本当に１２日間会期延長は何だったのでしょうね？投票日がずれて行事等に影響が出ている地域が多い、

又資金がかかると色々支障が出ているとの事、先週で国会も閉会したような有様で、阿部首相のわがままも、これでピリオドお願いしたいです。福島党首が言われているように「ぼくちゃん政治」はこりごりです。久間発言の後任にしても、又もやお友達から選ばれていますが・・・この期におよんでも、女性初を目玉にごまかそうと・・・久間発言はそんな軽がるしいものではありません。来る選挙では政治の方向が変わるよう祈りながら文字通り｢清き一票」を私は投じたいと思います。岡田克也さん、お体に気をつけて頑張って下さい。