この週末で、総理の所信の表明、そして、それに対する衆参両院における代表質問が終了しました。
全体を聞いていた私の印象は、非常に抽象的であり、かつ総理の答弁は役所の作ったものを全くそのまま棒読みしている、というものでした。
もちろん本会議ですから、なかなか総理の肉声を聞くことは難しい。つまり、質問者も20分、30分と質問するわけです。例えば、我が党の小沢代表は20分、鳩山幹事長は30分質問しました。そして、それに対してまとめて答えるということになるわけです。
そうすると、やはりある程度、質問の中身はあらかじめ教えておかなければいけない。そして、それに対して役所が答弁を作る。あらかじめ秘書官などがそこに若干手直しをするにしても、あるいは総理自ら手直しすることもあると思いますが、基本的にはその答弁書をただ淡々と読むと。こうことです。
このスタイルは小泉さんのときも同じでした。ただ、小泉さんは30分間答弁をするなかで、20秒間ぐらいだけ急に顔を上げて、カメラのほうを向いて、郵政民営化は必ずするんだとか、そういうふうに叫ぶ。そうすると、そこの部分だけがテレビで放映される。観ている国民の皆さんは、小泉さんは30分あんな調子で答弁してるんだと誤解をすると。こういうことだったのですが、麻生さんは淡々と答弁書を読み続けた。基本的に福田さんのスタイルを踏襲されたということです。
さて、来週から予算委員会が始まります。私は予算委員会の野党側筆頭理事、つまり責任者を務めていまして、いろんな、予算委員会でどのぐらいの時間をかけてやっていくかというようなことは、予算委員会の理事会で決まります。
理事会には、民主党は私と前原さん。そして、オブザーバーとして共産党の笠井さんが入っておられます。与党のほうは、これは議席に数に比例してということですから、たくさんの理事の方がおられます。
ただし、あらかじめ与野党の筆頭理事の間で協議をして、粗々のことは決めるということになっています。今回、私もちょっと意外だったのは、与党側が何を目指しているのかということがよく分からない。読めないと言ったほうがいいかもしれません。あるいは、言うことが時々変わるということで、割と交渉がやりにくかったという感じがします。
まず総理が何を考えているかということが、与党の中でも必ずしもきちんと伝わっていないということかもしれません。
最初は早く解散・総選挙をという話もありました。しかし、少し時間をかけたほうがいいという流れが途中から出てきました。
これは、いろいろ言われますが、基本的には自民党が調査をかけたところ、かなり結果が厳しかった。だからすぐに解散するのは自殺行為だと。こういうことが反映されて、総理官邸つまり麻生総理、あるいは党全体の解散・総選挙に向けての持って行き方がかなり慎重になったということだと思います。
一方で、早く解散をしてもらいたいと。おそらく公明党はそういう気持ちだろうと思います。そういう中で、刻々と言うことが変わるという感じはしました。
しかし、そういう中で私たちも、解散の日が特定されるのであれば、衆参2日ずつでいいと、国対委員長ベースで申し上げていたのですが、解散の日は特定されないと。
それなら本来に戻って、総理も代わったわけですから、十分な審議が必要であると。ちなみに、昨年福田内閣に代わったときは実質3日。そして補正予算には2日。これは分けてですが、合計5日審議をしているわけです。
今回は補正と麻生総理に代わったこと、これは合わせて何日ぐらい審議すべきかと。こういう話になるわけです。
とりあえず、与党と調整をして、月曜、火曜とNHKのテレビ入りで基本的質疑をやるということだけ決めました。水曜日以降どう持って行くのかということは、これからの協議によることになります。私としては、やはり月曜、火曜の審議の状況を見ながら考えていきたいと思います。
ただし、いたずらに引き延ばしたりする必要はないと思います。月曜、火曜の様子を見ながら、水曜、木曜、ただし、木曜の夜からは財務大臣が日本におられませんので、そういったことを全体的に考えながら、どうしていくのか。
いたずらに引き延ばしはしない。しかし、総理も代わり、補正予算もあるわけですから、きちんとした審議はしたい。そういう思いで、今やっているところです。
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民主主義においては、国民が政治の最終的決定権(主権)を持ちます。しかしながら、もし事実を知らされなければ、国民は政治について判断・決定し、主権を行使することが出来ません。そのため、政府は自らの決定及び行動につき、国民に説明する責任を負うこととされています。
今回、与党が、全省庁に対し、野党の資料請求について、それに応じるかどうか事前に相談するよう指示していたことは、国民の知る権利を害し、民主主義の根幹を損ねるものであり、きわめて問題があると思います。与党が不利と判断する資料について、その提出を遅らせたり、資料の修正を行なわせる可能性が高いからです。資料提出の前に与党に相談させることは、実質的に事前の検閲につながる可能性がきわめて高いと思います。
今回の事前相談指示について、与党側は、議院内閣制の下における国会与党と内閣(政府)との一体性を主張し、正当化しようとしています。しかしながら、まさに与党と内閣が一体であるからこそ、議院内閣制においては、野党が国民のために政府をチェックする役割を担い、そのため、各省庁から野党に対する情報・資料の提出が必要とされます。
民主党を始め各野党は、予算委員会において、与党による事前相談指示について、その即時撤回を求めるとともに、与党・政府の非民主主義的姿勢を厳しく批判・追及する必要があると思います。
投稿情報: Publius | 2008/10/04 09:46
テーマに関係のないことで申し訳ありません。民主党の方に与党として、政治を行ってほしいと願っているものです。
議員さん、立候補予定者の方の
目標は選挙に勝つこと
と聞こえる発言は有権者にとって不愉快を与えるものだと思います。
議員さんやその候補者の方は皆、何かしら感じていらっしゃる問題を一つでも解決したいと思われて、政治に関わろうとしていらっしゃるのではないでしょうか。そうでしたら、目標は選挙に勝つことではなく、議員としてその志を一つでもどんな小さなことでも実現することではないのでしょうか。
そんなことはわかっていると怒りをお感じになられたかもしれません。ですが、残念ながら、切り取られた報道をニュースなどで拝聴するとそのような印象ばかりが感じられて仕方がないのです。
失礼をお許し下さい。
投稿情報: 選挙運動などについて | 2008/10/05 09:08
民主党代表は、代表質問の中で、民主党のビジョン・政策を提示しました。セーフティネットを整備した上での自由競争、官僚主導でなく国民主導の政治という国家観が示され、政策の5つの柱(予算総組み替え、医療制度・年金、子ども手当、雇用の平等、農業戸別補償)とその実施手順が提示されました。
また、民主党幹事長の代表質問は、事実に基づき、与党側の政策を批判すると同時に、民主党の政策を逐一対置するというもので、非常にフェアで、説得力がありました。
今後、与党側は、民主党の各政策への批判を強めると同時に、総選挙までの間に、民主党の政策を取り込もうと試みるような気がします。たとえば、子ども手当、農業戸別補償、高速道路無料化、等々については、与党側は、これを批判しつつも、その一部を自らの政策に取り込むことが考えられます。
しかしながら、民主党が提示した、予算総組み替え、医療制度・年金、雇用の平等の各政策については、与党側は、批判は出来ても、取り込むことは出来ないと思われます。なぜなら、これらの政策は、与党側の既得権益・既得権限の見直しを含むものだからです。
私は、これから、徐々に、日本社会は、二大政党制の下、リベラル(新産業・新事業開拓など改革・進歩を求める勢力)と保守(既得権益・既得権限保護など現状維持を求める勢力)の2極に収斂して行くような気がしています。経済界・産業界も、各業界も、また業界内の各企業も、マスコミも、学界も、シンクタンクも、今後、リベラルと保守の2極に収斂して行くような気がしています。
そして、それが、二大政党制をより必然とし、またそれぞれの政党の政策を性格付け、特殊化し、差別化していくような気がしています。
民主党においては、今後も、現在恩恵を十分受けていない業界、あるいは各業界の2番手3番手の企業によりいっそう働きかけ、国民の需要に応え、ビジネスのための環境づくりをすることを通じて、二大政党制の下の政権交代を実現していただきたいと思っています。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2008/10/05 15:55
岡田代表の民主党に投票したいし、福田前総理のような総理大臣になって頂きたい。
「何を!」と思われるかもしれませんが93年の政権交代の頃選挙権を持ち、二大政党が根付くことを期待し民主党を支持し続けてきた私にとって、福田総理は自民党への評価を改めさせた総理でした。民主党を応援してる私の周りの人も福田総理だけは応援してるという人多かったです。まず、対立政党支持者を引き剥がせるウイングの広い総理大臣に岡田氏もなって欲しいです。
前述のように感じたのは、「自民党でなく民主党を支持してる」と言う理由を福田総理は体現されてたからです。(あくまでもイメージで実態は判然とはしませんが)
①自国民と自国に確固たる誇りがあれば他者と他国をむやみに批判せずともよい、しかし領土・主権では一歩も譲らないという総理の姿勢はセンターレフトの民主党支持者には理解しやすかったです。②サミットの影響もあるでしょうが環境問題に一番熱心で、その点で民主党を支持してる者の共感を得やすかったです。③財源論からバラマキをせず世代間の公平を強く模索されていたことは子育て世代の女性としては大いに納得でした。
そしてこれらの要素は岡田氏を支持している理由そのものでした。もちろん遠くからのイメージで違うのかもしれませんが。
地方(農家のそばで、しかし都会でのサラリーマンが多い住宅地)で、三世代の在り様を見てる者として次の選挙のマニュフェストを拝見すると、野党はもちろん与党まで選挙民に擦り寄って将来の国家ビジョンは皆無で残念です。
又、選挙後の再編が言われますが、これは是非その形を選挙前に示して欲しいです。民主党を支持してる理由が覆されるような再編は支持者への裏切りだからです。二大政党政治を維持するためには、ねじれ時の対応を決めておくべきで、政局一辺倒の対応は結局、二大政党制を崩壊させそうで残念です。
以上のかってな思い込みですが、岡田代表になればもう一度、民主党を支持したいので早くその日が来ること待ち望んでます。
投稿情報: 岡田代表になって欲しい | 2008/10/06 16:01