いよいよ、今日から通常国会がスタートしました。中川財務大臣の第2次補正予算に関する演説がありました。今後予算委員会で、この2次補正予算、そして来年度予算案について、様々な議論をしていくことになります。
この2次補正予算のポイントの1つは、2兆円の定額給付金です。この2兆円の給付金に対しては、我々はもちろん明確に反対しつつ、補正予算はこの2兆円の給付金の部分とそれ以外の部分に分けて議論すべきだということを言っています。
逆に言いますと、2兆円の給付金の部分を除けば、その他の部分については審議をスピードアップして、早期に採決をすることも可能であるということを言外に言っているわけです。
2兆円の給付金に関して、様々な意見があることは事実です。国民の多くは反対をしていますが、しかし、いざもらうということになれば、是非もらいたいという声もかなりある。そのことは私も理解をしています。
では、なぜこの2兆円の給付金がダメなのかということですが、1つは、これが景気対策としてはほとんど意味がないということです。
将来やがて増税があるということは誰もがわかっていることで、そういう前提で2兆円を1年限りで給付されたところで、これはほとんど貯蓄に回ってしまう可能性が高いわけで、経済的な効果はないだろう。これくらいなら、橋本内閣のときに行なった「恒久的減税」の方がまだマシだということになると思います。
経済が大変な危機的状況にあるなかで、1年ぽっきりのバラマキをしたところで、それはほとんど意味のないことです。
2番目に、ほとんど意味がないにもかかわらず、この2兆円の話がいとも簡単に出てきたというところが問題だと思います。
つまり、これからムダを排して、そういう中で、財政規律を少しでも確保していこう、もちろん、景気がこれだけ悪い中ですから、早急な財政規律ということは問題があるにしても、ムダな部分を思い切って削減していくことは、基本的スタンスとしてどうしても必要なことです。
そういう観点からすると、ほとんど意味のない2兆円のバラマキを安易に許すことは、財政規律全体が大きく緩むことになりかねない。そういう懸念があるわけです。
いずれにしても、国民の多くが反対しているこの給付金について、国会でしっかりと議論していく必要があると思います。与党の皆さんにも、もう一度立ち止まって冷静に考える勇気を持ってもらいたいと思っています。
そして、この国会では、そういった当面の景気・経済対策としての補正予算あるいは来年度予算に加えて、もう少し大局的に見た場合に、まず、国内の問題としては、いままで日本経済は小泉政権のもとで改革の成果として成長してきたと言われていますが、実は、円安のもとでの輸出産業が頑張ることで、何とか景気が少し維持されてきた。
それが、円安が崩れた途端に総崩れになっているというのが現実で、やはり前から言われていることではありますが、内需中心の成長というものをどう描いていくかということが求められていると思います。
前から言っていますように、1つは地球温暖化対策と噛み合わせての内需の振興、つまり、再生可能エネルギーあるいは省エネルギーといったところに、投資を集中していくということが1つ。
もう1つは、介護・医療あるいは教育、そういった「人に対する投資」に重点を置くことで成長を図っていくという、そういう新しい内需振興型の成長戦略をしっかり描いていくということが重要だと思います。
国際的に言うと、アメリカ一国支配の時代が様変わりして、もちろん、アメリカは重要な、最も強力な国であるということは変わらないと思いますが、より多極化の時代に入っていく。
そういう中で、例えば、アジアでは中国やインドが経済的には益々大きな存在になっていく。そういう中で、日本がアジアの中で、あるいは世界の中でどういう役割を果たしていくかということが、もう一度問われる時代に入ったと思います。
アメリカとの関係についても、いままでの依存の関係から自立の関係へ、そして、アジアの中の民主国家として、最も進んだ経済を持つ国として、その強みを活かしながら、いかにリーダーシップを発揮していくか、そういったことの具体像がいま問われていると思います。
想像力をかき立てられる、ある意味では大変ですが、ワクワクするような時代が来たんだと私は認識をしています。そういったことについて、より構想を温め、しっかりとしたリーダーシップが発揮できる、そういう民主党でありたいと考えています。
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投稿情報: sfe | 2009/01/05 21:41
現在、政府・与党側は、補正予算案からの定額給付金切り離しをかたくなに拒んでいます。政府・与党側は、政権を維持し、野党に対抗することしか見えていないようです。選挙対策しか考えず、国民の需要が見えていないようです。今年は、いっそうの景気悪化が予想されています。その状況の中で、2兆円という大きな金額の使い方を誤れば、景気回復の遅れにつながります。
すでに世論調査では、国民の6~7割が定額給付金に反対しています。また、ビジネスの常識から見れば、定額給付金の非合理性・非有効性は明らかだと思います。今後状況が打開されるためには、多くの国民および業界・ビジネスから、政府・与党側に対し、定額給付金をとりやめ、他のより有効な景気対策へ充当するよう要求・要望が伝えられることが鍵になると思います。
その動きを引き出すためにも、民主党は、国会論戦と並行して、各業界・ビジネスに積極的に足を運び、定額給付金切り離しの合理性を説明することが大切であると思われます。そして、今後の新たな成長分野・成長産業を確立するため、2兆円のどういう使い方がより有効なのか、また本予算ではどのような財政出動をすべきか、民主党の考え方を伝え、業界・ビジネスの声をきめ細かく聞き、政策形成に反映させて行くことが重要であると思われます。すでに多くの業界・ビジネスは、岡田さんがおっしゃられているように、代替・省エネルギーなど環境対策および医療・介護・教育が次の成長分野であることに気付き、政治のリーダーシップを求めていると思います。
民主党においては、より多くの国民およびビジネスを政治参加へ導くことを通じ、二大政党制の下の政権交代を実現していただきたいと思っています。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2009/01/06 16:25
明けましておめでとうございます。今年も少しでもブログで政治を教えて頂けたら、有り難いです。
給付金は、雇用対策に使って欲しいですね。派遣切りなどで雇用が話題になってますが、特に地方の就職難は深刻です。景気が上向きと言われた時期に、工場や大企業の新規事務所が地方に多く出来ましたが、ほとんどが派遣や契約社員などの非正規雇用での採用でした。
好景気を実感出来ないまま未曾有の不景気になりましたが、今派遣切りや非正規の雇い止めで苦しんでいる人の多くが地方の人ではないかと思います。
職業訓練の受け入れ枠の拡大や、地方の活性化のために2兆円は使って欲しいと思います。
投稿情報: あ | 2009/01/07 00:57
派遣村の人災を引き起こしたのは、まさに規制緩和をした自公政権の責任です。
なのに「ほんとに働く気のある人たちなのか」なんていう与党政治家まで現れて、麻生内閣は非道です。
2兆円の件も、細田幹事長が政治家ももらうべきなんて言い出すし、自公政権には「ふざけるのもいい加減にしろ」と、大声で叫びたい。
ところで、このブログの文「逆に言えば、2兆円以外はスポーディーに出来る」という文章に、岡田さんの頭の良さをつくづく感じます。
数学もおできになったんでしょうねと。
このような思考法、発想の視点を変える思考法が今、求められています。
選挙は9月とあきらめていましたが、自公は2次補正を出すのもとろいし、派遣村の人たちに自公が引き起こした人災なのに、責任も取らずひどいことをいう、極悪非道です。
国民虐めもいい加減にしろと、自公には言いたい。
無責任すぎます。
麻生氏や、安倍氏など、政治の基礎がわかっていないようだし。
自民には特に、政治の基礎、法律もわからず、親の地盤や、7光で政治家になった人が多すぎると思います。
政治家になるのも、票だけでなく、基礎知識検定も必要では。
でもそうすると、官僚から試験問題こっそり聞いたり、裏口も出そうですが。
救いがたい人たちに見えます。
麻生氏はよく今与党の座にいて、恥を感じないものだと、嫌悪と憤りしか覚えません。
自民のポスターは、候補者のものは出ていても、麻生氏自民のポスターは皆無。
自民でも、麻生氏では闘えないと思われているのでしょう。
小池氏の地区にも行きましたが、麻生自民のポスターは皆無。
小池氏は麻生氏を支える派だそうですけど、それでも自分のポスターと一緒に貼らない。
やはり小池氏も内心麻生氏では闘えない、と思っているのか。
疑問尽きぬこのごろです。
とにかく今年は民主党飛躍の年であってほしいです。
投稿情報: 地球人 | 2009/01/07 12:37
確かに、財源から無駄を排するという行動が、自公にはまったくありません。
無駄を排せずに、ばら撒きをするのは、ますます大赤字を大きくします。
無駄を排するのは、官僚と戦うことであり、そんな勇気も能力も、自民にはありません。
なあなあで、霞ヶ関と癒着していますから。
これが、問題大有りの部分です。
岡田さん、がんばってください!
かげながら非力ですが、応援しています。
投稿情報: 地球人 | 2009/01/07 13:21
かんぽの宿は譲渡しないで国が管理したら良いと思います。
災害等になった場合の緊急避難的な宿にもなりますし、
今回の契約社員解雇された方に国が給料を肩代わりして一時的な雇用をしながら空いた休みの時に仕事を探してもらうのも良いのではないかと思います。
農業地域や漁業地域に施設がある訳でありますから、跡継ぎのない産業など
の雇用体験等をしながらただ国がお金(生活保護)をあげるのでは無く
一時的な仕事をさせながら職業体験等をさせていけば長い目の国策としては
有効な使い方ではないかと思います。
かんぽの宿は宣伝不足や認知度低いから利用率は低いかなと思います。
譲渡せずに郵便局の国営時に建てた建物でありますから国民の資産ですから国民に還元出来る使い道もあるのではないかと思います。
投稿情報: ととろ | 2009/01/08 11:09
例の2兆円が迷走していますが、どうなるのでしょうか。
はた迷惑なことです。
年金問題も混乱のままですし、政府不信が強い今くばっても、皆貯蓄だと思います。
公明党の場合は、選挙資金に回るのでしょうけど。
とにかく、政府に対する信頼を、天下りなどの無駄を省き、選挙をし、回復しないと、誰もお金をいただいても、使わないとおもいます。
高齢者医療廃止もなし、消費税値上げもきまっていますし。
先行き、不安、信頼できないのに、使えるわけがありません。
麻生内閣は居座る不景気低気圧といったところ。
このまま意固地に解散しないで、ドンドン日本が壊れてゆくのか、3月年度末にむけ、派遣切りが増えるのに、どうするのでしょうか。
求人があるのは、介護、看護、保育の分野ですから、男性諸氏はぜひ、力もいる介護の仕事についてほしいと思います。
この分野は、年収も低いですから、ぜひ、政府で増やしてほしいものです。
投稿情報: 地球人 | 2009/01/08 15:00
今年は初めて投稿します。定額給付金ですが、もしも法案通過したら民主党はどうされるのでしょう?その対処を考えられていますか?雇用基金を作り、そこに民主党国会議員の方も率先して寄付してはどうかと思うんですが。勿論派遣切りをした大企業もそこに派遣従業員数×一年分給料分を出させるようにしてはどうでしょうか?勿論強制です。それくらいの社会的責任を負わなければならないと思います。民主党議員が基金を活用すれば国民は必ず民主党を支持すると思いますし、基金はこれからの必需品だと思います。
投稿情報: ヨウ | 2009/01/11 23:32
初めてメールします。私も2兆円の定額給付金はおかしいと思っています。私の認識不足だったら申し訳ありませが、財源は霞ヶ関の埋蔵金からと言ってたと思います。その埋蔵金は税金ですよね。多く取りすぎた税金なら一旦国民に返すのが筋ではないでしょうか?それが事務的に無理ならばその埋蔵金をオープンにし、医療、福祉、派遣問題、年金などに使って欲しい。たかが一人あたり12000円ぐらいで頬をたたかれて、馬鹿にするのもほどほどにして欲しいです。また、徹底的に行政改革をして欲しい。岡田さんに話す筋ではないでしょうが、自民党の渡辺元行革大臣と田中真紀子氏、そして小沢一郎代表率いる民主党が組めばこの日本を変えられると思います。期待しています。
投稿情報: 篠崎 | 2009/01/12 13:07
今回の派遣切りを知り、現在の雇用基準に大きな疑問を感じました。 是ほど雇用基準が緩和されて居るとは思って居りませんでした。 小泉政権時代に竹中大臣、奥田経団連会長等で推進された雇用緩和なのでしょうか? 雇用主の余りに無責任な雇用基準が正当化される法が制定された事は、非常に残念で有ります。 雇用主の社会保険の負担を逃れる為の法と思われます。 正規雇用を避け何時でも切れる派遣労働。 又、幾ら残業しても残業代無しに、酷使され何も言えない若者達。 労働意欲を減退させる雇用主重視の、現在の日本の労働条件に腹立たしさを覚えます。 雇用者に都合の良い部分だけ米国追従の小泉、竹中改革の責任は多大です。 今回の結果はこの改革と言う名の無責任な雇用システムの置き土産です。 トヨタの人員削減等余りに思いやりの無い、決断だったと思います。 急な円高と言いますが、80~90年代の円高の時、円高対策として、英国、スペイン、フランス等、海外に生産拠点を移し欧州向け生産を開始したのではないのでしょうか? その上円安容認で利益を上げて来て、円高になったら急に削減。
下請けや労働者を省みず~の方針に、日本社会の雇用者の利益一辺倒を感じます。 雇用者は社員と一体になって労働力確保を先ず優先的に考え、幹部の給料や、株主配当を削減してと言う心配りが出来なかったのでしょうか? 余りにドライな経団連に、生産国日本のトップのメンタリティーの変化と、それを容認する法を制定した政府、小泉政権を残念に思います。 年末、今日明日と言った早期の退去を通告された派遣労働者をTVで見た時思ったのですが、雇用主や政府は、雇用継続は無理としても、住居は一月位の余裕を持って、通告して上げて欲しかったと思います。 契約内容は知りませんが、こんな状況の折には、特例を考慮する位の臨機応変さを持って、対処して欲しいと思いましたし、政府はその為に必要な経費を雇用者と交渉するなり、バラマキに使う予定の給付金を当てるなり~色々対応出来たのでは無いでしょうか? 派遣村とか、大きな問題にして騒ぐ前、政府や大企業に責任と思いやりが有れば、何百人もの方が派遣村で苦しむ事も無かったのでは~と、思いをめぐらせます。 今年は何が何でも政権交代を実現される事を期待して居ります。 頑張って下さい。
投稿情報: 睦月 | 2009/01/13 02:41