いまから120年ほど前に、エルトゥールル号という軍艦がはるばる日本まで来て、明治天皇に拝謁したのですが、その帰りに嵐にあって難破しまして、紀伊半島の南で船は沈没しました。
乗組員の多くは亡くなりました。しかし、紀伊半島、いまの和歌山県串本町の住民の皆さんが、生き残った人を救出し必死に助け、最終的には、日本国政府が軍艦でトルコに生存者を送り届けたということがありました。そのことは、トルコでも広く知られています。
あわせて、トルコにとって、当時はロシアが非常に気になる存在だったわけですが、日本は、日露戦争でそのロシアに勝った東洋の国ということで、いまでも非常に親日的な気持ちを持ってくれています。
EUへの加盟の問題がいま議論されていますが、トルコ自身7000万人以上の人口を抱え、日本の自動車会社なども工場を構えてEUに向け輸出しているという存在です。
そういう中で、私がダーヴトオール外務大臣と話をして思ったことは、やはりトルコの周りには、イラン、イラク、あるいはシリアといった国々があるわけで、トルコとこういった国々についての歴史的、あるいは人的なつながりは非常に深いということです。
例えば、イランの核の問題についても、非常に深く議論をしているなという印象を受けました。中東和平についても、パレスチナは、いま事実上分裂状態にありますが、そのいずれとも関係を保ちながら、仲介役を果たしているといった印象を受けました。
トルコはG20のうちの1つでもありますが、こういった国との関係を日本もこれから重視していかなければいけない、重要な存在だと改めて感じたところです。
出張中、時間が少しありましたので、イスタンブールで歴史的な建造物も少し見る機会がありました。
イスタンブールといえば、もともとローマ帝国、そして東ローマ帝国の首都、やがてはオスマン・トルコ帝国の首都ということで、アジアと西洋、あるいは中東の結節点にある都市として、様々な歴史の荒波にもまれてきたところです。
日本の観光客の方もかなりいらっしゃいましたが、多くの観光客の目を惹きつけるだけの歴史を感じさせる、素晴らしい遺跡に取り囲まれた街だなと感じました。
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トルコはNATOに加盟していますが、EUにはまだ加盟できません。
トルコはヨーロッパの仲間に入りたいと思っています。
しかし、ヨーロッパ人はアジア系でイスラム教のトルコを同じ仲間だとは見ていません。
さらに、トルコがEUに加盟すれば、トルコ経由でイスラムのテロリストがフリーパスでヨーロッパ、さらには米国に入ってくる可能性も否定できません。
トルコのすぐ南のパレスチナやイラクでは今も武力抗争が続いています。
かつては中東を支配したオスマン・トルコではありませんが、トルコはもっとこの地域にコミットメントすべきです。また、クルド人への弾圧も中止すべきです。
これだけイスラム・テロリストが世界で問題になっている以上、トルコはもっとテロ根絶に努力すべきではないでしょうか。イスラムの大国として。
なお、親日国家である以上、日本とトルコの国際協力は今後も、一層推進するべきでしょう。大使も理解のある適任者をあてるべきでしょう。
投稿情報: 一国民 | 2010/01/12 12:14
1泊4日のお忙しいスケジュールでの出張お疲れさまです。そんなスケジュールでも忙しい~大変~等々仰らず、少し時間がありましたので‥と仰る所が日々のお忙しさを物語っていますね。トルコが親日国とは初めて知りました。岡田さんのブログを拝見してトルコに魅力を感じ行ってみたくなりました☆
投稿情報: ふ | 2010/01/12 12:56
1つの国を見る時に、いろいろな見方があると思います。歴史的な、経済的なあるいは政治的な、そしていろいろなところでいろいろな繋がりがあるというような。日本の人たちがどの国でどんな活躍をしているのでしょうか。若い人たちに向けて、紹介してくれると嬉しいのですが。
投稿情報: baryon | 2010/01/13 04:36
新年早々、三が日もゆっくり出来ずお仕事ですか・・・。お疲れ様です。私はまったり寝正月を楽しみました!!
歴史深い土地を巡られて、少しはリフレッシュ出来ましたか?今回の海外出張では、カエルちゃんはゲット出来たのでしょうか?是非見たいです。
今年も始まったばかり。沖縄や北方領土などなど、問題が山積みですが、しっかり笑顔で頑張ってください!必ず良い結果が出ると、信じてます。
投稿情報: いいちこ | 2010/01/13 17:52
年末もご多忙の中、さらにテレビ二本にまで出演されていた岡田さん、でもさすがにお正月は少しでもお休みになっていて頂きたい、、と思って新聞をちらと見たら、三日にはもう、トルコのイスタンブールの海底トンネルの地下鉄の工事現場を白いヘルメットをかぶって視察されていましたね!
いかにもさっそく新年早々「現場主義」(笑)でおられて、白いヘルメットが素敵にお似合いでした!
けれどやはり休んで頂きたい思いがあり、国会も始まりますし、本当にきっとスケジュールがあまりに密で仕方のないことで、岡田さんが一日あるとお出来になることの大きな価値を思うと、確かにお休みにはなれないことは分かりますが、、。
せめて飛行機にものすごく最高に寝心地のよい椅子(ベッド?)や最新式の安眠装置のようなものがあったり、「岡田さんの健康と安眠を守る特別医療チーム」が常に控えていてくれれば、といつものように思いました。
実は、もうちゃんとそういうものは準備されつつあるのかな?日本の大事な外務大臣でおられるのだから、それくらいあって当然だ、と希望的に考えたりもします!
投稿情報: レイ | 2010/01/13 18:30
トルコの軍艦の話は、以前テレビで見たことがあり、とても感動したことを覚えています。
このような出来事が、多くの人々に伝わり、いつまでも大切に語り継がれていってほしいと思いました。
岡田さんのブログ、毎回とても楽しみに拝見しているのですが、事情があって、しばらくコメントをすることができなくなってしまいました。
とても残念です。
寒い日が続きますので、どうか、お体を大切になさって下さい。
岡田さんを、いつも応援しています。
投稿情報: naomi | 2010/01/13 21:45
岡田克也さま、スタッフの皆さま。おはようございます。
新年早々にトルコ国を訪問されていた事を存じませんでした。お疲れ様でした。
外務大臣に就任以来、
岡田さんは土日を返上して仕事をされていますが、
まさか正月休み迄を返上とは・・・
その真剣な仕事ぶりには、常に頭が下がります。
ほんの僅かでも、その姿勢を見習いたく感じます。
私事で恐縮ですが、ベリーダンスを習っていた事があり、トルコ国に親しみを持っています。
舞踊は言語を必要としないため「文化の壁」を容易に越えることが出来ます。
あまり知られていない事ですが『西洋バレエと日本舞踊』の交流もあります。
たとえば、岡田さんも社交ダンスを始めてみては如何でしょうか。
その美貌と長身の岡田さんが踊らない事は、実に勿体ない事です。
外交の場面において「踊れること」は、決して損ではありません。
あくまで私の手前勝手な願望ですが、
もしも実現の運びとなったら最高に嬉しいです。かしこ
投稿情報: 井上彩 | 2010/01/18 08:11
今回、岡田さんがトルコを訪問され、イラン核開発問題や中東和平について、トルコ外相とお話しされる機会をもたれたことは、世界情勢の方向性を正確に透察した、きわめて秀逸な一手であると思います。
岡田さんがおっしゃられているように、トルコは、アメリカやEUと異なり、同じイスラム国として、中東地域に対し、歴史的に、深い政治的・外交的・経済的影響力を有しています。
そのため、仮に、トルコのEU加盟が実現すれば、トルコは、EUと中東・中央アジアを結ぶ戦略上の結節点として、経済的にも、外交的にも、さらに重要な役割を果たすことが期待されます。
また、オスマントルコ帝国の時代から、トルコ情報機関のネットワークは、中東各地に張りめぐらされ、冷戦時代以降は、NATO加盟国として、西側に貴重な情報を提供してきました。
EUに加盟し、中東・中央アジア地域への影響力拡大を目指すトルコにとって、日本との協力は、様々なメリットを与えると思われます。そのため、トルコとの間では、いろいろなGIVE AND TAKEが考えられると思います。
今後、日本が、たとえば、低濃縮ウランと燃料棒の交換など、イラン核開発問題の解決に貢献する過程においても、トルコとの協力は、直接的・間接的に、大きな効果を上げると思われます。
日本がイラン核開発問題解決に貢献すれば、アメリカの中東・中央アジア政策を、側面から助けることにもなり、それは、日本の対米交渉力を強めることにつながります。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/01/18 21:21
JR駅にあるキオスクですが、キオスクと云うのはトルコの山間部にある小さなお店だそうです。ちょっとした事にも遠い国のルーツを感じることが出来ますね。 又、モーツアルトのトルコ行進曲はオスマントルコ軍の行進曲に魅せられて作曲されましたね。
歴史、文化、芸術、人それぞれが異なっても理解しあい、受け入れられるものは受け入れて少しずつでも平和に向かっていくように努力をしたいと思います。
投稿情報: 楽友 | 2010/01/20 01:46
お疲れの様子がテレビで観ています、体調維持にもお取り組み下さい。
私たちは貴方方を支援していますが自分では何も出来ません。少々の支障があっても4年間は支援しますよ。結果ばかり気せずに長期的な展望で頑張って下さい。
投稿情報: goen | 2010/01/20 12:02