昨年のことになりますが、年末にロシアに1泊
3日(※1日は機内泊)で行ってきました。
これは、鳩山総理とメドベージェフ大統領との間で、いままで2回首脳会談が行われ、領土問題も含めて話題になりました。そこで、外相レベルでもしっかりと議論をすることにしようという指摘があって、チャンスを伺っていました。年末に時間に空きができましたので、かなり年の瀬も押し迫ったタイミングではありましたが、10数年ぶりにロシアに行ってまいりました。
何人かの大臣とお話をしましたが、中心はラブロフ外務大臣です。2時間強の議論になりましたが、ここはかなり率直な意見交換の場になりました。
私からは、「首脳間では非常に信頼関係もでき、『極端な立場』を離れて領土の帰属問題について議論をしようという確認がされている。外務大臣レベルでも、率直にこの問題を議論しよう」と申し上げました。
ラブロフ外務大臣は、これは予想されたことですが、かなり原則論を述べました。大臣は、「第2次世界大戦の結果、あるいは国際法といった観点から離れては、この問題は議論できない」ということを原則論として述べられました。
私からは、「国際法とか第2次世界大戦の結果と言うが、それは具体的に何を言っているのか」と、1つひとつ問い質していきながら反論しました。
今回は、お互い緊張感のあるなかで、それぞれの主張を述べ合いました。しかし、私は会談の最後に「やはり、メドベージェフ大統領あるいはプーチン首相、鳩山総理といった人たちがいる間にこの領土の帰属問題が前進を見なければ、当分、この話は進展しないだろう。トップ同士のお互いの信頼関係に基づいて、実務者である外務大臣同士がもっとしっかりと議論しよう」と申し上げたわけです。
これからどういう展開になっていくかわかりませんが、この率直な意見交換をきっかけに、さらに突っ込んだ議論ができるようになればいいなと思っています。
これからの展開はまったく予想できませんが、前進するように是非努力していきたいと考えています。
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日本は北方四島なしで経済大国となり、ロシアは北方四島をかかえて超大国から没落しました。
損得ではなく、国際正義の問題だという問題意識をロシアにもたせる必要があります。
民主主義国家の日本では、最終的には民意もバランスがとれた方向に動きますが、いまだに独裁的な強権国家のロシア市民にこの問題の本質を理解してもらうための活動は大変です。
ロシアの政治リーダーだけでなく、幅広い市民を相手に取り組むべきでしょう。
ロシアの民主化が進めば問題は解決すると思います。
(北朝鮮も民主化してほしいものです)
なお、第二次大戦の当事国のアメリカにも協力を呼び掛けるべきです。
イラクやアフガニスタンで協力する以上は、北方四島に関して米国の協力があって当然です。
最終的には、日米がシベリア開発でロシアに協力するという方向に向かうべきでしょう。
ロシア問題で汗をかいて報われた政治家は余りいないようですが、岡田外務大臣には損得を離れてがんばってほしいものです。
クリントン長官とのハワイ会談もがんばってください。
(藤井大臣は残念でしたが、潔さは見習うべきでしょう。)
投稿情報: 一国民 | 2010/01/09 00:41
年の瀬の慌しい中、お疲れ様です。
詳細を知らない素人意見で申し訳ありませんが、この問題は、自民党が50年以上の時間を掛けても解決できなかった難題である為、4年間で解決させるには、二島返還による平和条約締結しかないと思います。
時間が掛かれば掛かる程、既得権益が強まり、日本にとって有利な事は無いと思うからです。
投稿情報: 渡部 | 2010/01/11 14:50
お疲れ様でした。
頑張ってください。
ひとこと。
かって岡田さんが
沖縄の問題を
「日本が戦争で負けたから・・」とテレビで話したことがいろいろな意味で脳裏をはなれませんでした。
沖縄も北方四島もすべてここが出発点だと思うこの頃です。
投稿情報: 高橋一夫 | 2010/01/11 22:10
ロシアとの外交については二つの希望というか思いがあります。
まず北方領土の問題です。(外交は国内政治の延長上にあると言いますが)日本国内の様々な意見をまとめる難しさもあるが、相手側の国内事情を考えても簡単では無いというのが実感です。あくまで主張を通さなければいけない。しかし戦後65年たっても相手側が認めた歯舞色丹両島の返還すら実現できていないという現実から私達は目をそらしてはいけないと思います。これ以上時間が経過してしまっては旧島民の方々は誰も戻れなくなってしまいます。創造的発想と思い切った外交判断が必要でしょうが、更に重要なことは我々国民が評論家としてでは無く自ら決断をするところまでに、国民意識を高めることだと思います。
もう一つはロシアという国の経済的魅力です。日本のすぐ目の前に、昔流に言えば西洋の一国が存在している。6百万人そこそこの人口ではあるが広大な先進経済圏であり且つ資源の豊富なところです。モスクワよりも日本の主要都市のほうが遥かに近い。特に私の生まれ故郷である北海道にとっては地方経済発展のキーとなり得る。日本外交にとっては大変夢のあるパートナーであると思います。 100年前に後藤新平が対ロシア外交において将来の発展へのシナリオ(勿論現在状況は大きく異なっているが)を描いた様に、未来を先取りした両国にとってWINWINの外交を是非期待したいところです。
よろしくお願いします。
投稿情報: y浦野 | 2010/01/12 22:53
今回のブログや、外務大臣記者会見での岡田さんのおっしゃっている内容を理解する為に、北方領土問題について、改めてネットで調べてみました。
十分よく理解できているか、自信はありませんが、それにしても調べれば調べるほど、どう転んでもロシア側の従来の主張が論理的に成り立たない気がしてなりませんでした。
それ故、逆に、国会やテレビの討論でずっと拝見させて頂いて来た、岡田さんの、稀有な、何ごとにも一切動じない見事な論理展開力が発揮されれば、全て問題が解剖され、明確に正され、今までなかった日露間の新しい進展が見られるのも夢ではない、、という気持ちになってきて、その結果としてのロシアとの平和的な非常に友好的関係、というあまり想像してこなかった未知の未来的展望に、しばらくポーッとなるような喜びを感じるほどでした。
けれど、さらに調べていくうちに、段々不安が募りだし、どんなに正当な論理展開や正義に訴えたとしても、それに耳を貸し、受け入れてくれる準備基盤である意思が一切なければ、やはりどうしようもないのでは、、とも思えてきました。
そんな時に、外務省ホームページの中の「日露外相会談等(結果概要)」に載っていた、岡田さんがナルィシュキン大統領府長官に紹介し、メドヴェージェフ大統領にも伝えるようにおっしゃったという、故ソルジェニーツィン氏の著書「廃墟のなかのロシア」の一節の抜粋を読ませて頂いたら、大きな安堵のような気持ちと希望を覚えました。
ビックリしてしまうほどに、あまりにも日本人として嬉しい内容であり勇気を得られると同時に、メドヴェージェフ大統領が、スターリンの政治弾圧を批判する中でソルジェニーツィンさんの言葉を引用したことがあるのだというのなら、絶対に心を動かして下さる気がして、それが今後の交渉と話し合いに繋がって行ければ、、、と強く願わずにはおられませんでした。
投稿情報: レイ | 2010/01/13 01:59
岡田克也さま、スタッフの皆さま。おはようございます。
年末のロシア訪問、お疲れ様でした。
領土の件は本当に難しいですね。
全く素人の私にも、その難しさは分かります。
ゆっくりゆっくりと少しずつでも、
状況が良くなることを願っています。
投稿情報: 井上彩 | 2010/01/18 06:47