今日(4月7日)、アメリカ政府の核政策の見直し、いわゆる「NPR」が発表されました。
オバマ政権の核政策について述べたもので、私は非常に優れたものが出たと思います。もっと言えば、私自身が今まで核政策のあるべき方向として申し上げてきたことと、同じ方向性のものが出たと思います。
もちろん、アメリカは現に最大の核保有国であり、軍もあるので、様々な議論があったはずですが、その中で、オバマ大統領のリーダーシップが発揮されたことを心から喜びたいと思います。
核について、数と役割をいずれも低減させるということが1つの特徴です。
数については、「戦略核」についてアメリカとロシア政府の間で新たな合意が出来ました。そして、そのことを踏まえて、それ以外の核保有国、例えば中国なども含めて、さらなる核弾頭の削減をしていくという方向性が示されています。
そして、もう1つは核の役割の低減で、まず「消極的安全保証」――つまり、核を持っていない国には基本的に核を使わないこと――をアメリカが明確に宣言したことの意味が大きいと思います。
同時に、核の目的と核を保有する目的は、核攻撃に対する抑止としての意味に限る「唯一の目的」についても、今後の検討課題に位置付けました。
様々な議論がなされていた問題ですが、先ほど言った困難さの中で、よくここまで来たと思います。これから日本としてどういう役割を果たしていくかですが、もちろん、核を持っていない国として、アメリカをはじめ、核保有国の一歩先を行かなければならないと思います。
先ほどの「消極的安全保証」――核を持っていない国に核攻撃をしないこと――については、アメリカだけではなくて他の国についても同じような宣言を出させ、将来的には拘束力のあるものにしなければならないと思います。
そして、一度にはなかなかここまでは行きませんが、将来的には、「先制不使用」の問題を視野に置いて、活動を進めていく必要があると思っています。
いずれにしても、核の問題について1つの希望が見えたと思います。オバマ大統領のプラハ演説をより具体化するものとしての今回のNPRに、私は心から歓迎を申し上げたいと思いますし、人類の将来に希望を与えるものだと受け止めています。
日本としても、「核なき世界」に向かって具体的に一歩一歩しっかりと歩んでいくために、外務大臣として努力をしていきたいと思っています。
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この今回のNPRの発表という素晴らしい話は、全て岡田外務大臣の一週間前のG8外相会合での強い主張のおかげでは、と思うほど、「岡田さんの主張がいきなりアメリカから発表された!!」という印象の出来事でびっくりしました!!
ちょっと前に、オバマ大統領のプラハ演説の、核についての部分を読み直していた時に、やはり結局オバマ大統領は立派な人物で、演説の中の精緻かつ繊細な表現も、岡田さんの表現に似ていて、故に、同様に知性と優しさを兼ね備えていらっしゃるようでとても信頼できる感じ、と思っていたばかりなので、今回の発表で、オバマさんがやんわりと白い光に包まれて見え出しました!
なにより、世界で、久々に明るい真っ直ぐなことが起きた!という気がしました。岡田さんがしておられたものと同じ素晴らしい主張を、アメリカが世界に発信したわけですが、この内容がキメ細やかで具体性が高いので、「核兵器のない世界」へ向けた軌道がもう既に視覚化されて、その上を走り出している列車までもが見えてくるような気がしてきました。
次のステップとしての、他の国による「消極的安全保障」宣言、「核の先制不使用」、「核の唯一の目的」という、より高次な段階へ向けては、「核の使用をあり得ないものとして、最も強く考えることができる」日本の役割が、とても大きいですね。岡田外務大臣のご活躍が、本当に期待されます!!
それにしても、何か大切なことが実際「形になる」のを見ることができるというのは、つくづく嬉しいことですね、、!
投稿情報: レイ | 2010/04/08 02:51
岡田克也さま、スタッフの皆さま。こんばんは。東京は花冷えの空を迎えています。
国連安保理の議長を岡田さんが務めると伺いました。大役ですね。
それでなくとも、お忙しい中、議長としての準備も大変であろうこと案じております。
プラハ演説こそは人類の夢。ついに世界の潮流が変わるということ。それが公に示されたのですから。
3月も下旬の参議院予算委員会、福島瑞穂さんがプラハ演説を取り上げていらっしゃいました。そして、岡田さんも答弁に立っていらっしゃいました。
何故だか涙が流れました。お二人の誠実な答弁、私は死ぬまで忘れない。
アメリカにおいて、ついに医療保険改革の法案が通りました。
直接には核問題の件と関連しませんが、あらゆる意味で、本当に大きな出来事です。
常に外交と内政は連動しているということも含めて。現アメリカは真剣に変わろうとしています。
核廃絶の問題を、政治家としての岡田さんにライフワークとして取り組んでいただきたいです。どうかお願い申し上げます。
すべてに岡田さんらしさが溢れる、その思案のランプの焔、私は日本の誇りに思っております。かしこ
投稿情報: 井上彩 | 2010/04/08 23:19
目に見えて、物事が良い方向に動いている状況ってすごいですね。ゾクゾクするというか、わくわくするというか・・・。
ここまで努力されたからこそだと思います。ありがとうございます。
オバマ大統領も、色々批判があったとしても正しい選択をされたと思います。他国に同じような意見を持つトップがいるというのは、とても心強いです。
タッグを組んで、これからも頑張って下さい。
投稿情報: いいちこ | 2010/04/09 12:47
ビジネスは、平和的な環境を求めます。平和的な環境の下でこそ、物資・情報・資金が自由に移動し、経済活動がスムーズに行われます。
ビジネスは、軍事的対立を好みません。軍事的対立は、物資・資金の移動を滞らせ、何よりも自由な情報の流通を損ないます。また、軍事的対立は、国内的にも中央政府への権限集中を招き、経済活動の自由度を狭めます。
今回、G8外相会合において岡田さんが、核軍縮の立場から積極的にご発言されたことに対し、心からの敬意と感謝をお伝えしたいと思います。岡田さんのご主張は、G8外相会合における共同声明には盛り込まれませんでしたが、核軍縮を求める、非核保有諸国、核保有国の国民、そして、日本国民には伝わりました。
その後、アメリカの核政策の見直し(NPR - NUCLEAR POSTURE REVIEW)において、核の数と役割の低減が明示され、核軍縮の流れが促進されました。さらに、4月12−13日に開催された、核サミットでは、ウクライナが高濃縮ウランの備蓄を放棄しました。
次回の核サミットは、2012年に、韓国で開催されます。岡田さんにおかれましては、ぜひ、この核軍縮の流れを、朝鮮半島の非核化と北東アジア非核兵器地帯の実現へ、つなげていただきたいと思っています。今後、六カ国協議においても、日本が、核軍縮の立場から、よりいっそう大きな役割を果たして欲しいと思っています。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/04/19 10:21