週末(5月15、16日)を利用して、日中韓の外相会談が、韓国の慶州で行われました。その話は次回することとして、今日は、その前に釜山で李秀賢(イ・スヒョン)さんのお墓参りに行ったことをお話ししたいと思います。
慶州には、飛行機で釜山に行ってから車で向かったのですが、釜山に行ったその折に、前から私自身も大変気になっていた李秀賢さんのお墓にお参りをする機会を得ることができました。
いまから9年前に、新大久保駅で線路に落ちた日本人を助けるために、日本人カメラマンの関根史郎さんと韓国人の李秀賢さんが線路上にホームから下り、そして、結果的には3人とも亡くなってしまうという、大変悲しい出来事がありました。
自らの身の安全を犠牲にして、人の命を助けようとした韓国の若者に、私も当時、感動した記憶があります。
お墓参りには、李秀賢さんのご両親にも来ていただき、お参りを済ませたあと、少しの時間ですが一緒にお話をする機会がありました。年老いたお父さんとお母さんですが、「事故から長い時間が経ったにもかかわらず、わざわざ息子のお墓参りに来てもらって」と言って、丁寧にお礼の言葉を述べられました。
私は、「李秀賢さんの勇気ある行動を、多くの日本人は忘れない。本当にありがとうございました」と申し上げました。
息子さんを突然外国で亡くしたわけですから、お父さんもお母さんも大変ショックを受けられたと思いますが、長い年月がその悲しみを乗り越えさせ、お二人とも本当に穏やかで、素晴らしい人格者であることを思わせる、勇気ある李秀賢さんのご両親はこういう人だったんだなと、改めて感じた次第です。
今年は、日韓併合100年ということで、いろいろなことがありますが、日本と韓国の若者たちの交流、あるいは、今回の李秀賢さんのような非常に勇気ある行動、そういったことが積み重なっていくなかで、未来志向の両国関係が作られていくのであろう、と改めて感じた次第です。
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岡田克也外務大臣、スタッフの皆さま、おはようございます。
駅の事故を時折に思い出します。悔やまれます。わずか運が足りなかった。残念でした。
懸命に生きる人間を忘れない岡田大臣ですね。アーリントン墓地を訪ねる岡田さんをニュースで拝見しました。
できるだけ恥ずかしくない生き方をして、自身の墓の前で誰かに手を合わせてもらいたい。そんな感情を覚えます。
李さんの冥福を祈ります。勇気の行動に感謝いたします。
投稿情報: 井上彩 | 2010/05/31 06:35