1週間の長旅から今朝(7月26日)帰ってきました。
まずは、アフガニスタンでのカブール会議。アフガニスタンの首都カブールに各国の外相が集まって、今後のアフガニスタン支援のあり方について議論し、宣言を出しました。
アフガニスタンの状況は、必ずしも楽観を許さない。つまり、アメリカを中心とする各国の軍隊とタリバンとの戦いは激化しており、犠牲者の数も増えています。いまが山なのか、あるいはこういった状態がまだまだ続くのか、そのことの見通しすら立たないような状況で、大変厳しいものがあります。
しかし、そういう中で各国が集まって、このアフガニスタンのカブールが危険な状況であり、首都自身も危険であると言われながら、主な国の外相が集まって会議を開き、引き続きしっかりと支援をしていくことが確認されたことは、国際社会に対して大きなメッセージだったと思います。
同時にこういった会議がカブールで開かれたことで、アフガニスタン国民の皆さんも大きな希望を持ったと言えると思います。
クリントン米国務長官始め、フランスやドイツ、イギリス、中国といった国々の外相や、潘基文国連事務総長を始め国際機関の代表など、全体で約70の国・国際機関の代表が集まりました。
会議自体は、朝から始まって午後3時くらいには終了しましたが、集まったこと自体が大変大きな意義があったと思います。
日本としては、何度もご説明をしていますが、5年間で最大50億ドルの支援の中で、しっかりと2010年末までにすでに11億ドルの支援を実施する予定であり、これからもしっかりと約束を果たしていく。日本としては、和解・再統合に向けての支援、それから、農業支援などの開発、首都カブールの再開発、道路などの開発。
そして、治安の改善――アフガニスタンの警察の給与の半分は日本が見ていますが――そういったことについて、しっかりやっていくというメッセージを発したところです。
私は、6時くらいに会議が終わって、フランスのクシュネール外相などの何人かの外務大臣とのバイ(二国間)の会談を行ったうえで、カブールを離れたのですが、あとでCNNなどを見ますと、クリントン長官は、カルザイ大統領と共に街へ出て、商店街のようなところを少し視察されたようです。
恐らく、周りは軍や警察などが厳重に警戒して、非常に大変な状況の中で視察は行われたと思いますが、しかし、アメリカのクリントン国務長官とカルザイ大統領が一緒に街を歩くころは、アフガニスタンに平和が訪れつつあるという強い印象を、世界の人に与えることができたのではないかと思います。
いずれにしても、アフガニスタンで行われている一連の戦いの中で、1つの大きな区切りになる会議であったし、またそうしなければいけないと改めて感じたところです。
カルザイ大統領からは、「日本の支援に対して、日本国民にくれぐれもよろしく伝えていただきたい。そして、自分たちは、支援してくれたお金を決して無駄に使うことはなく、アフガニスタン再建のためにしっかりと使っていくことをメッセージとして伝えてほしい」とのことでしたので、そのことも申し上げて、今日は以上としたいと思います。
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アフガン訪問お疲れさまでした。とてもリアリティーな報告で、驚いています。世界各国の支援のし方は様々ですが、アフガンに対する日本の平和貢献は正に「誠実な愛」だと感じます。日本の経済状態が不安定でもアフガンには、莫大な血税を投入するのは、「日本の心」「日本人の魂」を売っているようなものだからです。米国や英国など日本以外の同盟国は、人的貢献(兵士)をしていますが、日本の貢献のし方は、血で汚すかわりに汗を掻いて平和貢献するものだと思います。お金で貢献するといつも他国から正義ではないような言われ方をします。でも私は、血を流して平和は訪れないと考えます。兵士や兵器の投入は戦争を助長するばかりです。現に大勢の兵士や民間人が亡くなっています。ご存じのように日本は、戦後、米国をはじめ世界の国々に支えられながら、自ら汗や涙を流し、努力したからこそ復興再建し、平和な国家に生まれ変わったのです。阪神大震災の時も各国から被災地に莫大な見舞金や義援金が送られてきました。それを有効活用して汗を流し、被災から復興したのです。これは、人々の「愛」があればこそ実現できたのです。このように日本は、戦争の怖さも被災の苦しさも知っています。また、どうすれば平和な国を作ることができるかも経験してきています。だから、自信をもって、アフガンに平和貢献していただきたい。岡田外務大臣の心意気が、「日本のこころ」や「正義心」を強くし、世界の平和を築いていく試金石になることを願って止みません。
投稿情報: Tsuyoshi Tanida | 2010/07/27 01:46
岡田さん、長い出張、大変お疲れ様でした!!!
本当に、長かったですね、、!
その間、沢山の会談等こなされて、毎日外務省のホームページでそのお仕事量に驚いていました!
さらに、お仕事の量だけでなく、その内容の充実のご様子が、またまた今回は並々ならぬように思われました。
出張直前の7月16日の記者会見で、岡田さんが、アフガニスタン支援については、腐敗防止など、色々考えることがあるけれど、それよりもまずは、
「今のアフガニスタンの政権を信頼し、そして、(今のこの厳しい時期に)しっかり我々が支援するということをメッセージとして発信したい」
とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
それを聞いて、カルザイ大統領に向かって、数人の他の国の人たちが、フカフカ毛布や、パイル地の大きなタオルなどを差し出して、「大丈夫ですよ、ちゃんと支援しますよ!」と言いながら、くるんでさし上げるようなイメージが浮かんで、「こんな風に、他国に言ってもらったら、どんなにその国の人たちは嬉しいだろう!」と思いました。
さらに、アフガニスタンだけでなく、他のあらゆる国々が、お互いにこんな風に支える意志を伝え合ったら、本当に世界平和などは、意外にもあっという間なのではないか、と、完全世界平和ビジョンまでもが見えてしまったほどでした!
今回のカブール会議の「岡田外務大臣ステートメント」では、支援の内容が、従来よりさらに具体的に述べられてあって、様々な国との連携についてや、日本が力を入れてやることの内容などが細かく理解できて、沢山の人達がその為に実際動いていらっしゃる様子が目に浮かぶようでした。
当初から岡田さんがおっしゃっておられる、「職業訓練」、「人づくり」に日本が力を入れるということについても、ますます具体性が感じられて、非常に印象的でした。今年6月の、外務省主催の「アフリカン・フェスタ2010」の「TICADトークショー~アフリカ開発を語る~」で、最後にゾマホンさんが「お金の支援もいいが、技術や知識を教えることをやって欲しい!!」と切実に訴えておられたことを思い出しました。
今回のそういった、アフガニスタンの人たちが自力でやっていける力をつける為の支援の、具体的実践が、アフリカや、またハイチなどの同様の支援とリンクしあうことなどもあるといいな、、と思いました。
ブログで岡田さんが最後に伝えてくださった、カルザイ大統領の日本国民へのメッセージも、とても心に沁みました。カルザイ大統領は、岡田さんと何度もお会いになっていて、岡田さんのことを非常に信頼していらっしゃるに違いない、、と思っているので、その言葉も、つくづく心から力強くおっしゃっているのだなあ、、、と感じることができました。
投稿情報: レイ | 2010/07/27 02:35
お帰りなさい。無事に帰ってこられてホントに良かったです。
ずいぶんたくさんの方々が集まりましたね。みんなで一致団結して、アフガニスタンを再建させる事が出来れば、素晴らしいと思います。
でも、他にも同じように貧しくて治安が悪い国もあると思うのですが、なぜアフガニスタンだけこんなにも多くの国が、助けようとするのでしょうか?他の国との違いは何でしょう?
それとも他の国に対しても、このように大規模に支援対策をされてるのに、私が知らないだけでしょうか・・・?謎です。
いずれにしても、平和な国が増えるのは大賛成です。日本も景気が悪くて苦しいけど、もっと大変な国が元気になりますように。日本の代表として、外相が手助けをしてあげてください。私達も力になりたいです。
投稿情報: いいちこ | 2010/07/27 13:31
アフガニスタン情勢の不安定化は、中央アジア・中東地域の不安定化を生み、日本を含む世界経済へ悪影響を及ぼします。
アフガニスタンからは、2011年に、アメリカ軍を始め各国の軍隊が撤退を開始することが予定されています。このため、治安の維持・回復の責任を、駐留外国軍から、アフガニスタン軍・警察へ移行していくことが必要になります。
また、それにともない、アフガニスタンでは、自由で公正な選挙、多数決と少数者の権利保護、法の支配、独立した司法、等々、民主主義的な統治システムを徹底していくことが必要になると思われます。
さらに、民主主義の基盤として、麻薬栽培などに依存しない、健全な産業を育成していくことも大切と思われます。
岡田さんがおっしゃられているように、これら全ての分野で、日本の果たす役割はきわめて大きいと思います。
一方、アフガニスタン情勢を安定化させ、アメリカ軍など各国の軍隊が撤退する道筋を明確にすることは、隣国イランにも好影響を及ぼすと思われます。地域情勢の安定化は、イラン国内において、強硬派に代わり、改革派が主導権を握りうる環境を生み出すからです。
イラン国内で、改革派が影響力を増すことは、イラン核開発問題の外交的解決にもつながると思われます。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/07/27 15:21
岡田さん、一週間という長い間、お疲れ様でした。
体調は、いかがでしょうか?
アフガニスタンでの、タリバンと各国の軍隊との戦いが激化していることや、犠牲者の数が増えているということは、とても辛いことです。
そうした中で、約70ヶ国・国際機関の代表が集まられ、支援の確認がされたということ、心強く思いました。
安心して日常生活をおくることが出来る社会になってほしいと、改めて思いました。
投稿情報: naomi | 2010/07/27 21:15
ご苦労さまでございました。農業支援がうまくいくといいですね!
生活の基盤が大切なのは国会議員もそうだと思うのですが、国会議員を日雇い労働者並みに扱うのはどうかと思います。国会の開かれていないときにしっかりと勉強、政治活動し、立派な法律を作るからこそ国会議員が必要なのではないでしょうか。
投稿情報: 飯島 久香 | 2010/07/28 09:40