特別という意味は、もちろん、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長やアメリカのルース駐日大使が出席し、いままでにない式典であったという意味合いもありますが、同時に、私が日本の外務大臣として出席して、いままでと違う立場ですので、その重みを改めて感じさせられた1時間弱の式典でした。
唯一の被爆国の外務大臣として、核廃絶に向けて、この1年どれだけ努力ができたのかということを、改めて考えさせられる時間でもありました。
核の廃絶に向けて、現実的にしっかりとステップを踏んでやっていかなければいけないという思いを私は強く持っていますので、野党の時代から「核軍縮促進議員連盟」を作って活動してきました。
外務大臣になって様々なことにチャレンジをしてきました。十分とは言えないと思いますが、例えばアメリカとの対話、特に核の役割を減じることや、消極的安全保証といった議論を行うことで、アメリカが発表した核戦略態勢の見直し(NPR)において、その議論の結果が幾分かでも影響して盛り込まれたと思っています。
あるいは、G8外相会談や日中外相会談の中で、核軍縮の必要性を強く主張しました。もちろん、これはまだ成果につながったわけではありませんが、そういった主要国の外相レベルで、特に核を持っている国に対して、核軍縮の重要性について直接議論をする機会を持ったことは、将来こういった国々の軍縮につながるきっかけを作れたのではないかと思っています。
そのほか、核を持っていない国々の外相とのネットワーク。例えば、ドイツのヴェスターヴェレ外相とは、共同で、ドイツと日本の新聞に投稿しました。そして、オーストラリアのスミス外相とは、国連の軍縮のNPT再検討会議の後半で、共同で声明を出して、何とか話をまとめるようにと主張をしました。
そして、9月の国連総会の合間を縫って、10カ国から11カ国の外相が集まって、核廃絶に向けて、まずは「核リスクの低い社会」を実現するという思いで、具体的な議論を行い提言し、そして世界をリードする。そういった会合を予定しています。
いろいろなことを試みたつもりです。まだまだ、十分な成果があがっているとは思いませんが、唯一の被爆国であり、核を持たないという決意をした日本国の外務大臣として、そして、私自身のライフワークの1つとして、この核軍縮・不拡散の問題にはしっかりと取り組んでいきたいという決意を新たにした、今日の午前中の平和記念式典でした。
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こんばんは。岡田克也外務大臣、スタッフの皆様。お疲れ様です。
原爆の被害者の方々に黙祷を捧げます。
国連事務総長、ルース大使の出席。「遅すぎる」という意見はありますが、
『未来永劫に出席は有り得なかった可能性』を考えると『前進をした』と個人的に感じます。
「二度と過ちを繰り返したくない」。この言葉は人類の夢です。
まだまだ暑い日が続くそうです。皆さま、体調にお気をつけください。かしこ。
投稿情報: 井上彩 | 2010/08/06 21:57
日本国民はできれば1回は広島へ行くべきだと思います。平和のありがたさがよくわかると思います。私は毎年8月6日、9日、15日は1分間黙とうをしています。
投稿情報: 溝口 | 2010/08/07 07:31
昨日の平和記念式典のご参加、大変お疲れさまでした。テレビでも毎日のように核廃絶についての内容が流れております。核の根絶というのは、大変大きな問題で解決も難しいことだろうと思います。昨日も唯一の被爆国として、先頭に立ち活動を続けて行こうというお話もありましたが、今世界でこれだけ一つの国として一丸となり核の廃絶を訴え、これまで戦争を放棄し、国民の為、国の為に自分の命を犠牲にできる国は日本だけではないかと思います。私は世界から核がなくなる方法は、国連で核を全て回収し、唯一の被爆国である日本が全て保持し、一つでも製造した国に対して素早く回収し、絶対に使ってはならないとこれからも訴え続けるべきだと思います。日本は核を持たない国ですが、核廃絶のための対処として国民に訴えてくれたら、きっと理解してくれるのではないかと思います。
投稿情報: 安田さとみ | 2010/08/07 10:36
今年も8月6日の広島は、いいお天気でしたね。暑い中お疲れ様でした。
ルース駐日大使が式典に出席された事を、よく思わないアメリカ人もいるようですが、私はとっても嬉しかったです。
戦争はどっちが悪いというものでもないと思うので、非を認めるとか、そんな事はどうでもよくて、ただ、被害にあった現地に来てもらって、二度とこんな事が起きないようにという考えを強くして帰ってくれればそれで十分だと思います。
岡田外相が外務大臣になられる前から頑張って積み重ねてきた事が、じわじわと形になっていくのが面白いです。
世界が本当の意味で平和になるために、一人ひとりの小さな力こそが大事ですよね。私も頑張ります。
投稿情報: いいちこ | 2010/08/07 12:32
8月になると毎年、私は、日本の世界の平和について考えます。
まず、日米同盟という言い方は、とても嫌です。軍事協定ありきって感じがするから。いや、もはやそのものか。それが、揺らいでいるとすれば、願ってもないことです。日本と米国の防衛についての考え方の違いをはっきりさせるチャンスと言える。そして、それは、日本の真の独立と誠の民主主義社会の到来を期待できるから。
戦争で日本は、多大な尊い命を犠牲にしてきた。それゆえに戦後、平和主義を唱え、「戦争を二度としない、過ちを繰り返さない」と誓った。軍隊ももたないはずだった。しかし、安保によってこの米軍は、居座ってしまった。この軍とは、今や日米の絆を示す、大きな怪物に化した。こんな怪物にした責任は、どちらにもあるわけだ。
オバマ米大統領は、「核のない世界」を唱え、ノーベル平和賞をもらった。世界の平和を唱え、これからは、軍縮の道に進むだろうと大きな期待をした。わが、鳩山元首相も先頭にたって、平和主義を掲げて、核廃絶、軍縮へと導いていこうと誠実に表明したのを、忘れはしていないだろう。防衛に関して、米国も日本も同じ土俵にたったと誰しも思ったのではないか。しかし、オバマ大統領のノーベル平和賞での受賞演説は、とても賞賛するものではない。拒絶としか言いようがない。なぜなら、戦争を正当化するような演説をしたから。「血を血で洗う、アフガン増兵の言い訳にすぎない。」人類は、幻滅したに違いない。平和を願う世界の人々は、オバマの一句、一言を希望にして、光明を見出そうとしていたのに。
日本の鳩山首相から引き継いだ菅首相も同じように弱腰にならないでほしい。それを支える岡田外務大臣もしたたかであってほしい。日本の平和主義を胸をはって、唱えてほしい。そして、沖縄の米軍基地問題は、もはや、米国が、するのではなく、真の独立と民主主義の獲得にむけ、和の国、日本が、本気になって解決しなくてはないらない。即ち、独自の安全保障を確立し、自助努力を示してこそ、解決が始まるのではないか。
投稿情報: Tsuyoshi Tanida | 2010/08/09 20:13
世界史的に見るとき、現代という時代は、20世紀の冷戦と化石エネルギーの時代から、21世紀のより民主主義的な国際関係と再生可能エネルギーの時代への移行期にあると思います。
核兵器は、無差別大量破壊兵器であり、冷戦時代、資本主義と共産主義という異なる体制が、互いに相手を否定し、対立していた時代の残滓であると思います。
21世紀の、市場経済とオープンな政治システムに基づくグローバル経済の時代においては、核兵器の役割は、縮小されて行くべきであると思います。
また、長期的に、各国のエネルギー消費に占める、再生可能エネルギーの比率が高まるにつれ、石油・ガス資源をめぐる軍事的対立は軽減し、各国の連携と話し合いを通じた、より民主主義的な紛争解決の可能性が高まると思われます。
このような移行期において、政治には、古い時代の制度・枠組みと、新しい時代の制度・枠組みのバランスを取りながら、スムーズな転換を進めて行くことが求められると思います。
たとえば、日米の同盟関係についても、冷戦時代の日米安保条約を維持しながら、同時に、今後数十年間の要請に応える、新しい発想に基づく、日米の条約・憲章を追加することが求められているような気がします。
日米安保条約と並ぶ第2の柱として、気候変動がもたらす人類的課題への対応とともに、より民主主義的な国際関係の構築を目的とする、新しい日米間の条約ないし憲章を追加することが求められているような気がします。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/08/09 20:21
岡田さんが外務大臣になり、核に対する意識の高さが重要で、核に対する岡田さんの姿勢は、評価すべき事だと思いました。これからもライフワークの1つとして、核軍縮・不拡散の問題に取り組んでください。あと、国連事務総長との写真、岡田さんの素敵さがでているいい写真ですね。
投稿情報: ハーモニー | 2010/08/09 21:13
昨年4月のオバマ大統領のプラハ・核廃絶演説を受け、アメリカでは、核軍縮の流れが、連邦議会にも拡がっているようです。
先月、アメリカ下院の重鎮、民主党のBARNEY FRANK下院金融委員会委員長は、共和党のRON PAUL下院議員らと共同で、財政再建という観点から、今後10年間で1兆ドルにおよぶ、米国軍事予算の大幅な削減を提案しました。
同提案は、アメリカが保有する核弾頭数の削減、戦略爆撃機など核運搬手段の削減、通常兵器の削減、さらに沖縄海兵隊の撤収を始めとするアジア、ヨーロッパ駐留米軍の削減、等々を含んでいます。
現在、岡田さんが進められている、各国外相による共同声明・共同提言とあわせ、今後は、各国の議会・国会レベルでの連携が、核軍縮を含む、世界的な軍縮の流れを加速させるのかも知れません。
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BARNEY FRANK下院議員とRON PAUL下院議員らによる米国軍事予算の削減提案を伝える、National Public Radio7月10日付記事は、次のURLで参照出来ます。
http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=128434888
BARNEY FRANK下院議員らの要請でまとめられた、米国軍事予算削減に関するレポートは、次のURLで参照出来ます。
http://www.comw.org/pda/fulltext/1006SDTFreport.pdf
投稿情報: Abraham_Lincoln | 2010/08/10 00:17
広島や長崎が受けた痛み・悲しみを、もう二度と受けることのないように、戦争を知らない世代でも、体験者の方々の話に耳を傾け、真剣に考えていく必要があると思いますし、平和の輪を広げていく責任があると思います。
岡田さんは様々な問題に対して、一生懸命努力なさっていると思います。
結果がみえてくるまでには、相当な時間がかかることも多いものですが、それでも、努力していくことにとても大きな意味があると思います。
岡田さんを応援しています。
投稿情報: naomi | 2010/08/10 09:38
岡田大臣の核廃絶にむけた取り組みに心から拍手を送りたいと思います。平和記念式典にルース大使が出席したのも嬉しいことでした。但し、長い間心から願っているのに実現できていないことがあります。米国からの正式な謝罪です。残念ながら米国民の過半数が原爆投下を正しい行為であったとの意見を持っています。米国は好きな国ですが、これだけは許容できませんし、戦後の日本政府の対応にも納得がいきませんでした。原爆を投下したことにより戦争が早く終わり、結局はより多くの命が救われたのだと主張する米国人が多いのですが、その様な人は原爆投下が罪の無い老人や婦女子を無差別に殺戮することを目的としたものであり、軍事施設を対象としたもので無かったことを理解していません。もちろん大切な同盟国である米国に対して唐突に抗議することは得策では無いのですが、親友であればこそ何時か米国が謝罪を表明してくれることを期待するのは当然だと思います。そしてこの点について日本政府は毅然とした対応をとってほしいと思います。今まで日本人は対米従属とも言える関係を許容しすぎてきた。民主党政権になってこの関係を見直ししようとの動きが出てきたことは喜ぶべきことでした。ところが鳩山前首相が主張すべきことを当たり前に主張しただけで日米同盟の危機とはやし立てた一部マスコミには腹立ちすら感じます。友人であればこそ、過去に悪いことをしたのならば謝るのが当然である。
但し相手を信頼して焦ることなくその言葉を待つ度量もあって良いと思います。大戦時に日本がアジアの諸国に迷惑をかけたことを謝ることは国としても人間としても当然だと思いますが、日本が受けた被害についても謝罪を受ける権利はあるのです。義務は遂行し権利は(慎重にではあるが)主張すべしです。オバマ政権が誕生した時に期待したのですが、前政権の経済政策と戦争の失敗の影響で今はとても難しい状況にある。しかし近い将来に、日米の両民主党が協力して、過去の問題を整理して核廃絶に至るロードマップを高次の倫理観に基づいてつくりあげてゆくことを心から祈っております。
頑張ってください。
投稿情報: y浦野 | 2010/08/10 10:57
潘基文国連事務総長やルース駐日大使が出席されたこと、本当に大きな歴史的意味を持つことでしたね!
潘事務総長が、岡田さんとの共同記者会見で、日本が「核軍縮・不拡散においては世界をリードしている」と、おっしゃっていましたが、このことも特別な事だと思うのですが、どうなのでしょう?私自身は、日本がリーダーとなるべく頑張っていても、こんな風に直接、言われたのを初めて見たものですから、「ぉお!?」と思い、「岡田さんが、前からのライフワークである核の問題への取り組みを、外務大臣となられてから、一気に具現化し始めた成果がまた現れた!」と感動していました。
アメリカが発表したNPRについて、オバマ大統領かクリントン国務長官が、「岡田さんのお陰でもある!」と言ってくださらなかったのが私には少し不満だったものですから(笑)、なんだかそういう意味でも、嬉しかったです。
それにしても、こんな風に、岡田さんを始めとする、素晴らしい志を持ち、きちんと行動する方々によって、物事が前進して良き方向へ動くことを目の当たりにする度、なんだか目が覚める気がします。「ちゃんとそういう、嬉しい、いい事って、現実の世界に起こるんだ!こういう感じに、こうすると!」と、それこそ、今を生きる人間として、リアルに希望を与えられもします。
9月の会合も、また大きな成果への大きな一歩になっていくのでしょうね。
投稿情報: レイ | 2010/08/12 00:39