ＯＮＥ大阪―いくつかの懸念、橋下知事は国民に説明を

今日は大阪の話をしたいと思います。

大阪には先週日曜日（１０月１７日）に行ってきましたが、大阪県連の皆さんとも意見交換をさせていただきました。

大阪では、いま、橋下知事が非常に高い人気を得ています。そして、知事を支持する議員の「大阪維新の会」が、今度の統一地方選挙で大阪府と大阪市、堺市で候補者を大量に立てるという流れにあります。

我が党も全くないわけではないのですが、 すでに自民党を中心に現職の議員たちが離党して「大阪維新の会」になだれ込み、新人も精力的に立てるということで、大阪の統一地方選挙は、相当波乱含みになると思います。

そういう中で、民主党はしっかりと競い合っていかなければいけないと思います。

橋下知事が言っておられることを、私は必ずしも全部理解できているわけではありません。もう少し、しっかりと研究しなければいけないと思います。

（大阪維新の会の主張は、）「ＯＮＥ大阪（ワン大阪）」つまり、大阪市と大阪府の役割が重複しているというなかで、むしろ東京都のように大阪都を作る。政令指定都市である大阪市や堺市など、これは東京２３区のように分割して区にしてしまうと。

そして、いま、大阪の中の力関係で言いますと、大阪市が財政力もあってかなり力も持っている。そして、堺市もありますから、大阪府のやれる行政の領域もかなり狭いのですが、これは例えば神奈川県において、横浜市や川崎市、相模原市が政令指定都市としてあって、神奈川県知事の手の及ぶ範囲が限られているのと同様の状況にあるのですが、そういう状況を変え、政令市を解体して区にしてしまうということです。

中身を見なければいけませんが、いくつかの懸念事項はあります。１つは、基礎自治体を重視するのが地方自治の考え方ではないかということです。

基礎自治体、つまり市町村で出来ることはここでやると、出来ないことは中２階である都道府県がやる、あるいは州がやる。そこで出来ないことは国でやる。こういう基本的な考え方があり、その基礎自治体をむしろ壊して、中２階である府に権限を持っていくということです。

基礎自治体重視の考え方は、最も住民に近いところにある自治体になるべく権限や財源を集中して、そこで民主主義が機能するようにしようということですが、そういう考え方とは一見逆行する考え方に見えるわけです。ここをどう考えるのかという問題があります。

それから、もう１つ私が「おや」と思ったのは、道州制はどうなったのであろうかと。本来は、府県を合併して道州制に持っていくというのが、橋下知事の主張だったのではなかったかと思います。

ここについては、私は慎重な見方を持っているのですが、しかし、「府を解体して州にする」と言っておられた話と、「いや、むしろ府に権限を集中するのだ」という話は、どうつながっていくのかなというのも、よく聞いてみたいなと思います。

いろいろな論点はあると思います。それは、恐らく選挙の中でも政策論争がなされるべきだと思います。

いずれにしても、いま言われている構想は、法改正なくして出来ないわけで、そういう意味で、これは国民の理解も必要な話です。もう少し、大阪府の中だけではなくて、国民全体に対して、構想の全容をしっかり説明される必要があるのではないかと思います。

※大阪訪問の詳細は、こちらから（民主党ホームページ）
→　http://www.dpj.or.jp/news/?num=19060

※ブログの動画版はこちら

Comments

[投稿情報: 西依信樹]

『橋下知事のワン大阪論』、詳細に内容をお聞きしたわけではないが、結果として『県権能の強化』論ではないかと思います。
私は基礎自治体強化論を支持しているので、「ワン大阪』には賛成できない。
神奈川県にも二つの政令都市があるとの指摘ですが、福岡県は福岡市と北九州市の二つの政令都市の長い歴史があります。福岡県は両政令の存在を無視できない“県政運営”の歪み持つ先例だと思います。500万県民を抱えるも250万の政令の勢力の力を総合できていない、という論点を直視できないシステムが地方行政の現状なのではないだろうか。
自立主張の政令都市の存在を県政にどう活かすのか？が問われていると考えるが、現実は微妙な運営の状態である。それは、国が基礎自治体を基本的には県、政令都市と考えているからである。それ以下の市町村は県の下部組織的扱いから抜け出せない。市町村の甘えもあるけれども、県組織の存在必要性があるのなら、政令都市を吸収するのではなく、基礎自治体を活かす方向を志向するのが正しい方向だと考える。

[投稿情報: レイ]

道州制というのは、中心地が州ごとに出来て、今までの東京中心の経済・文化の集中から解放されて、地方の人たち皆が、利益も自信も今よりもたっぷり得て、一見何かとても理想的で華々しくて良さそうに見えますが、でも結局それぞれの州の中での中心地ばかりが威張ってしまって、それ以外の人たちは今と変わりないか、より悪い状況になってしまうのではないか、、というふうに思えます。

大阪都にする、、という計画も、一瞬そういう感じに何か、大阪都の中心地への利益その他の集中の心配があるものなのかと思えたのですが、どうも調べたら、そういうのとは様子が違う感じのようで、大阪が抱えている特殊な問題を解消する為にあるのですね。大阪市と大阪府の対立によって、大阪市の住民にとっても、その他の住民にとっても、大変に支障が出ていて、また大阪市自体が広くもあり、行政の点で色々な古びて緩みきった幅広いゴムのような問題を抱えているようで、全体に解体して都としてまとめることにより、大阪市の中で新たに分けられる各区がきりりと引き締まって、また閉じていた大阪市が開くことによって、その他の市にも何か利益が広がっていくこともあったりして、本当の「基礎自治体重視」も上手くいくような、良さそうな印象を受けました。

なにより市民が望んでいるらしいことからそう思うのですが、あとは自分が大阪のような大都市ではない、地方都市出身者なので、大阪では他の地方と違って、そういう形がうまくいくのかなあ、、と漠然と感じるので、そのように思ったのですが、全て推測の域なので、詳しい説明をしていただきたいなあ、、と思います。

それにしても、道州制も、大阪に住んでいる人ならではの感覚で言われたのかもしれませんが、一瞬とても魅力的で目が眩みますが、その他の地方都市出身者から見ると、ちょっと「小洒落すぎ」かもしれませんね、、、。地方都市にとっても、潜在力以上のパワーを生み出さない限り、殆ど維持できないような、、そんなイメージがあります。いずれにしても、本当の現状に似合った、住民が満足の行くことが、常に行われればいいなあ、、と思いました。

[投稿情報: いいちこ]

橋下知事、私は結構好きです。中国に対しての態度とか、見ててスカッとしちゃいました。
岡田幹事長とのお話し合いで、より良い進展が期待できそうですね。二人ともとっても好きな人だから、是非協力し合って頑張って欲しいです。党は違っても、協力して・・・と言うのは難しいかもしれませんが、仲良くしてください。

[投稿情報: くみ]

私も橋下知事が好きです。岡田克也さんの来月神戸の講演会、楽しみにしています(^_^)ﾂｲｯﾀｰにも、参加してくださいね待っています。