米国中間選挙でのオバマ大統領の民主党の敗北が、米国や世界にどのような影響を及ぼすかと、かなり深刻な事態だと受け止めています。
米国国内は、「大きな政府」か「小さな政府」か、エネルギー政策や環境政策、核軍縮・不拡散といったオバマ大統領の政策にブレーキがかかることが予想されます。
私から見ると、オバマ大統領の経済対策は相当大胆だったと思いますが、一方で共和党は「大きな政府」だと批判しながら、オバマ大統領の経済対策に対して批判しています。
これから議会の中で、どういった点で一致点を見いだしていくのかは、かなり難航が予想されます。
そして、そのことが米国経済の停滞を招き、世界経済に大きな影響を及ぼすのではないかと思います。
何より問題だと思うのは、米国のいろいろな意思決定が手間取り、遅れることです。
日本も「ねじれ国会」で物事がスムーズに進まない状況の中で苦労していますが、米国で物事が迅速に決定されないということになれば、世界における米国の存在やリーダーシップが制約されてきます。
ただでさえ新興国の台頭があって、世界全体のパワーシフトが起こりつつあるなかで、依然としてトップリーダーであることは間違いのない米国のリーダーシップに制限が加わり、リーダーシップが十分に発揮できなくなると、いままでの米国を中心とした先進国がリードする世界から、新興国が力を増し、しかし、リーダーは存在しないという世界になってしまうのではないかと心配しています。
もちろん、米国を中心とした、しかし、新しい世界の物事の決め方をより真剣に模索していかなければならない。そして、その中で日本はどういう役割を果たすべきかを、大きな枠組みの中で考えていかなければいけない時代に入ったと思います。
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これから議会の中で、どういった点で一致点を見いだしていくのかは、かなり難航が予想されます。
そして、そのことが米国経済の停滞を招き、世界経済に大きな影響を及ぼすのではないかと思います。
何より問題だと思うのは、米国のいろいろな意思決定が手間取り、遅れることです。
日本も「ねじれ国会」で物事がスムーズに進まない状況の中で苦労していますが、米国で物事が迅速に決定されないということになれば、世界における米国の存在やリーダーシップが制約されてきます。
ただでさえ新興国の台頭があって、世界全体のパワーシフトが起こりつつあるなかで、依然としてトップリーダーであることは間違いのない米国のリーダーシップに制限が加わり、リーダーシップが十分に発揮できなくなると、いままでの米国を中心とした先進国がリードする世界から、新興国が力を増し、しかし、リーダーは存在しないという世界になってしまうのではないかと心配しています。
もちろん、米国を中心とした、しかし、新しい世界の物事の決め方をより真剣に模索していかなければならない。そして、その中で日本はどういう役割を果たすべきかを、大きな枠組みの中で考えていかなければいけない時代に入ったと思います。
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オバマ大統領、すごく好きだったので、残念です。
アメリカが世界的権力を持たなくなると、色んなところの抑制が効かなくなって、なんだか大変な事になりそうですね。
みんなが良いと思うことを少しずつでもやっていけば、平和になるのに。どうして意見が2分するのでしょう?良い事って誰にとっても良い事なはずなのに。
世の中って不思議です。
投稿情報: いいちこ | 2010/11/08 11:34
オバマさんの民主党の敗北には、確かに気持ちの少し、しゅんとなるような思いがしました。それは、岡田さんもおっしゃるように、核軍縮・不拡散などのオバマさんの素晴らしい政策にストップがかかることもありますが、米国の混乱ぶりを感じた時に、米国の存在感が、一瞬向こうがうっすら透けて見えるくらい薄く感じられてしまったからです。
こんなことは、初めてで、「ああ、アメリカについてまでもが、ここまでこんな風に感じられるとは、、」と、日々日本の、負の方向への変化を目の当たりにしている中、ますますの不安感を少しの間覚えてしまいました。
けれど、ここまできたら、アメリカや他の先進国丸ごと元気にできるくらいの意識で、日本人も頑張っていけばいいのでは、と思いました!
新興国に、「そっくり同じように仲間に入れて!」とは絶対さすがに日本は言えないというのが、またまた、なんだか寂しい風が吹くような心地がするわけですけれど、黄昏てなんかいられませんよね、我々には豊かなこれまでの蓄積があるはずで、それらを丁寧に引き継ぎ、さらに新しい時代のものを生まれさせることだって、まだまだ当然出来るはずです!
新興国の人たちとも可能な限り密接に協力していければ、勿論最高ですよね!それには、それなりに先進国が特殊な苦労をしなければならないのでしょうけど!
投稿情報: レイ | 2010/11/08 23:20
日本の新しい役割の明確化、期待しています。日米とも難しい状況ですね。TPPなどでの日本への米側の期待もあるかとは思いますが、来年6月までに、日本側の問題点と対策をまとめて交渉に適した状態にするためには各省庁を含む相当の努力が必要だと思われます。拙速な交渉にならないかと危惧しています。日本が今後も頼りにできるのは、適切に管理しさえすれば決して枯渇することのない農業資源だと思います。豊富な水と緑、代々培ってきた農地、農業技術は、一度荒らしてしまえば回復は難しいのでくれぐれもしっかりと検討していただきたいと存じます。
投稿情報: 日本応援隊 | 2010/11/11 10:09
11月4日に行なわれたアメリカ中間選挙の結果、米国下院において共和党が多数を占めることになりました。共和党は、排出量取引を含む温暖化対策法案に反対の立場であり、この結果、アメリカにおける温暖化対策は後退するのではないかということが懸念されています。
確かに、今回の選挙の結果、連邦レベルでの全国一律の排出量取引の導入は、当面難しくなったと思われます。しかし、アメリカにおいては、すでに各州レベルで排出量取引の動きが進んでおり、今後、いわゆる「地域的排出量取引制度(Regional Cap and Trade)」という形で、排出量取引の導入が進んで行くと思われます。
実際、仮に、連邦レベルで全国一律の排出量取引制度を導入しようとすると、温暖化対策に熱心な州と温暖化対策に消極的な州との間で妥協が必要になり、結果として、中途半端な排出量取引制度にとどまってしまうことが心配されていました。
そのため、むしろ、排出量取引に積極的な州が、まず率先して効果的な排出量取引制度を実施し、その実績に基づいて、他の州にも排出量取引制度を拡大して行く方が、効率的と考えられます。
また、連邦レベルでも、現行法の下、EPA(環境保護庁)による温室効果ガスの規制は可能です。すでに2007年の最高裁判決により、温室効果ガスは、EPAが規制する有害物質に含まれるとの判断が確定しているからです。
共和党の一部には、法律を改正して、EPAの権限を縮小させようという動きもあるようですが、上院においては、民主党が多数を占めており、そのような法案が成立する見込みは低いです。また、万一法案が議会を通過しても、OBAMA大統領が拒否権を行使し、廃案となるでしょう。
今後、アメリカにおいては、地域的な排出量取引制度が進められると同時に、それが各国の排出量取引と統合され、国際的な排出量取引が拡大して行く可能性が高いと思われます。
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After the midterm election of November 4, 2010, Republicans took the control of the U.S. House. As a result of that, some are concerned that tackling global warming including cap and trade would retreat in the U.S.
However, so-called regional cap and trade is advancing in the U.S. The states that are enthusiastic about tackling global warming can take the lead and set examples of cap and trade, which then can be extended to other states.
Also, EPA can regulate greenhouse gasses under the Clean Air Act, as the Supreme Court ruled in 2007 that greenhouse gasses were air pollutants under the act.
It is expected that regional cap and trade in the U.S. would eventually be integrated with the cap and trade of other nations so that international cap and trade would be working effectively.
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参考資料:
“Bottom Line on Regional Cap-and-Trade Programs”, By Payson Schwin, Created 07/14/2009, Published on World Resources Institute
http://pdf.wri.org/bottom_line_regional_cap_and_trade.pdf
“Deep freeze ahead for carbon cap bills” by Darren Samuelsohn, POLITICO, August 7, 2010
http://www.politico.com/news/stories/0810/40768.html
“Regional cap and trade is working - and maligned” by Chelsea Conaboy, The Philadelphia Inquirer, October 4, 2010
http://www.philly.com/inquirer/health_science/daily/20101004_Regional_cap_and_trade_is_working_-_and_maligned.html
“Provinces to forge ahead on climate change”, by Maria Babbage, The Canadian Press, November 8, 2010
http://www.winnipegfreepress.com/greenpage/environment/provinces-to-forge-ahead-on-climate-change-in-wake-of-us-elections-ontario-says-106899028.html
“Supreme Court rules EPA can regulate greenhouse gases” by Martin LaMonica, ZDNet, April 2, 2007
http://www.zdnet.com/news/supreme-court-rules-epa-can-regulate-greenhouse-gases/151722
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2010/11/18 22:21