いま、私が時間を取って対応している問題が2つあります。1つは、予算委員会です。予算委員会は、7日(月)の午後から始まることになりました。その日程調整を与野党で行っています。
非常に大きな大事な予算ですから、しっかりとした議論をしたいと思っていますが、他方で、あまり時間をかけるわけにはいきません。内容的には、与野党間でそう大きな違いがあるわけではないので、7日の午後に予算委員会をスタートさせて、8日、9日、10日あたりで予算を成立させたいと思っています。
しっかりとした議論、しかし、迅速に議論していかなければいけないという思いで、野党の皆さんの協力もいただきながら、決めていきたいと思っています。
もう1つの問題はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉参加の議論です。私も、(党内でTPPの議論を行っている)経済連携プロジェクトチームの鉢呂座長を顧問として助け、議論に参加しています。立場上なるべく意見を言うことなく、聞くことを中心としていますが、今日(4日)、私としては2度目の発言をしました。
今日は随分長く議論をしていて、私も全部は出られなかったのですが、午後の2時から7時半まで、途中休憩も入れましたが、約5時間真剣な議論がなされました。
そういう中で私が申し上げたことは、まず、「我々が基本的に考えなければいけないことは日本の未来であり、そのために議論をしている。そして、日本の未来というときに、基本的な考え方として、これからアジアの時代がやってくる。そういう中にあって、アジアの豊かさを、我が日本の豊かさにする。そこは、日本の基本的な考え方でなければいけない」。私が普段申し上げていることです。
そして、アジアの豊かさを我が日本の豊かさにとするためには、やはり国を開いていかなければなりません。
反対論の中には2つの議論があります。つまり、日本の良さをしっかり守っていかなればいけない、そして、ルールなども外国に影響されてはいけないという議論です。
もちろん、日本の良さは守っていかなければいけませんし、そのルールが悪くなってはいけません。しかし、なるべく国際的に1つのルールにしていくなかで、経済活動を活発にするのは、国を開くことであり、アジアの豊かさを日本に呼び込むことです。
そして、もう1つの考え方は、「いや、国を開くことはいい。しかし、なぜTPPなのか」というものです。それに対して、「TPPはアメリカが主導するのだから、アメリカのスタンダードになってしまうのではないか。2国間協定や日中韓の協定をやるべきではないか」という議論です。
これに対して私が申し上げたことは、「2国間も大事。しかし、なかなか日本では2国間が上手く進んでいない。やはり、日本流のかなり解放度の低い2国間ではなく、より高いものが求められている。そして、日韓にしても日EUにしても、長く停滞していた。やはり国を開くという観点からは、そういった2国間ももちろんしっかりやっていかなければいけない」
「しかし、それは決して、2国間だから生易しいものではない。そして、その2国間をやりながら、目の前にTPP交渉参加があるのだから、そのTPP交渉にももちろん参加していく。日中韓もいまスタディをしているので、様々な事前のスタディが終われば、これにも参加していく」
「そして、ASEAN+3(ASEANと日中韓)とかASEAN+6(ASEANと日中韓、オーストラリア、ニュージーランド、インド)にも参加していく。つまり、あらゆる機会に参加して、国を開いていくことが、日本を豊かにしていくことにつながる。」
「もちろん、そういう中でどうしても我が国として呑めないものについては、しっかり交渉して相手に認めさせていく。交渉しなければそういったことを認めさせていくこともできない」と基本的に私は考えています。
党の中にはもちろんいろいろな意見があって、慎重論、反対論を述べられる方もいます。その中には、なるほどとうなずけることもあります。
来週は、昼は予算委員会がありますので、夜に連日しっかりと議論をしたいと思います。しかし、一方で野田総理がAPEC(アジア太平洋協力会議)の会議に参加して、APECの場で何を述べるのか、あるいは、アメリカやその他の首脳と首脳会談をして、そこで何を述べるか、アメリカ以外のTPP交渉参加国もあるので、そういうところで何を述べるのか、そういうことを党としてしっかりまとめていかなければいけません。
来週月曜日から、そういう議論をしていかなければいけない局面だと思います。いろいろとテレビでは報じられますが、最終的には、きちんと決断をする政治でなければいけないと思います。
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現在のように世論がまったくと言っていいほど二分しているなかで、参加を強行することは、今後に禍根を残すことになると思います。
強行すれば当然、次回の総選挙では惨憺たる状況になっていることは間違いないと推測でできます。
もっと知恵を出し合えば、きっと第3の道があるはずです。
投稿情報: 柴田荘一郎 | 2011/11/06 15:03
お疲れ様です、TPPに関してはそれでいいとおもうんですけど、ASEANのことに関してはまだ日中韓に足並みをそろえるのは無理なようが気がするんですが、引き上げるという点ではすごい話だなとは思うんですけど、
まだ株式市場が公開されていないミャンマーやその他やはり新興国であるという感じでまずはベトナムからだと僕は思うのですが、、
国際協定のマクロな見地は一国、一国とのコツコツと行われる結びつきから派生するものだとおもうので急がずお力を発揮していただきたいです。あと円に集中する信用を日中韓で分散していただきたいです。活躍ご期待しております。
投稿情報: daisuke maruhata | 2011/11/06 16:46
いつもブログを拝見させていただいています。私は幼い2児を持つ母親です。今回の震災までは、はっきり言って、政治に興味も関心もなく、政治家任せ、平和ぼけした毎日でした。
ですが、あの震災後から政治に関心を持つようになりました。日本は本当に大丈夫なのか、可愛い子どもたちの未来はあるのか…。母親として、危機感を抱いて毎日を過ごしています。
岡田さんは、唯一信頼できる政治家だと私は思っています。
今、私たちの生活が苦しくなろうとも、子どもたちの未来には変えられません。
新しい日本に生まれ変わるために、どうか宜しくお願いします。
投稿情報: モチ | 2011/11/06 17:57
TPP慎重派を批判=民主・岡田氏という題名でニュースの内容を拝見させて頂きました。
「TPPを反対している皆さんは、衰退していく農業がこのままでどうなるのかということに対する答えがない。」と仰っています。
逆に岡田殿自身、民主党としてこの解決策を本当に真剣に具体的に考えているのでしょうか、どのニュース内容を見ても抽象的にTPPが良いというだけで具体的な政策が何も見当たりません。
国民にその回答をお願い致します。
個別補償だけが政策ですか?
個別補償だけでは関税が撤廃されると今までに省庁でプールしていた余剰金がなくなります。結果として今の財政のやりくりを見る限りは消費税に反映しざるを得なくなります。
単純に個別補償をするだけでは一時的に納得させるためのバラマキの何物でもありませんいづれ国民からその負担に対する不満が爆発します。
この点をどうお考えなのでしょうか。
投稿情報: 匿名希望 | 2011/11/06 20:40
TPPに関してですが、これは、自由貿易を推進して国を開けばいいというほど単純な問題ではないと思います。
ここは冷静になって考えるべきところです。
TPPの参加予定国は、日本を含めたとして10カ国になりますが、市場の大きさでは、日米が頭一つ抜けています。
10カ国中に占めるGDPの割合は、アメリカが66.1%、日本24.9%、その他の8カ国で9%と、アメリカと日本に大きく偏っているため、TPPは実質的には日米FTAと同義です。
アジアの国としてはマレーシアやシンガポール等がありますが、アジアの豊かさを取り込むのには役不足です。
従って、TPPではアジアの豊かさを取り込むことはできないでしょう。
TPPでは恐らく、アメリカが対日輸出を強化して来るでしょう。
オバマ大統領は、今後5年間で輸出を倍増すると明言しています。
市場として最も有望なのは、EUはギリシャやイタリア等の問題で当分難しいでしょうから、中国と日本でしょう。
特に為替は現在円高ドル安の傾向が顕著になってきていますから、アメリカにとって日本は輸出先として最適です。
日本がTPPに参加することで、アメリカの失業率は回復するかも知れませんが、日本では悪化することになると思います。
また、今後仮にTPPの参加国が増えたとしても、進展が望めるとは考えにくいです。
中国は自由貿易ではないので、関税撤廃を求められるTPPへの加入は現実には難しいでしょう。
インドは日本のGDPの約30%しかないので、市場としては大した大きさではありません。インドやオーストラリアを相手にするくらいならば、むしろ日本は内需を狙った方が良いと思うのですが、どうお考えでしょうか。
いずれにしろ、TPPは日本を豊かにすることには繋がりません。
国内の議論が二分されている今の状況でTPP交渉参加を決めても、国民の78%はTPPについて政府の説明が不十分だと考えていますから、政治判断と言うよりは、執行部の独断・独裁だと思われるのが落ちです。
投稿情報: 名護樹太 | 2011/11/06 22:33
既に国会の議論において、数多く明らかにされている通り、TPPは自由貿易のための制度ではなく、参加国の関税、および通商・医療・労働における立法自主権を奪うもので、基本的理念自体が不適正であり、日本は世界に対して拒絶の姿勢を示さなければなりません。経済の公正な発展に必要なのは、各国のルールの透明化であって、統一ではありません。既に確定しているTPPルールはアメリカ合衆国という特定の国家の法律の引用であり、ISD条項を始め国政的な合理制を欠いた内容が数多く含まれています。
投稿情報: 佐藤宏 | 2011/11/07 01:38
失礼します。
無党派でやや自民党よりの一社会人です。
TPP推進の根拠。どう国益に寄与するのか知りたくてアクセスしました。
感想を言えば非常に残念です。
ただ、美辞麗句、スローガンを並べているだけで
説得力が有りませんでした。
このホームページをこのままコピーして
「推進派の岡田氏も
この程度の事しか言わないで
推進している。」
と宣伝すれば反対論に
活用出来ると感じました。
先生が反対に回る事はないのでしょうが
せめてどの辺りが国益になるのか
国民に向かって
はっきりさせて頂けませんか。
自民党政治という言葉から想起される
密室政治、談合、利権、
そんな言葉に嫌気がさした国民の風を受けて政権の座にいる事を忘れないでくださいませ。
失礼しました。
投稿情報: 岡本 喬 | 2011/11/07 17:54
TPP絶対反対!
国民の声を聞いて下さい!
このまま進めばいずれ日本も貧乏人は医者にもかかれず、薬も買えず死んで行くそんなこともあり得るんです!
投稿情報: 倉持洋子 | 2011/11/08 09:39
忙しいさなかのブログ更新ご苦労様です!
自分自身はTPP交渉に参加することは賛成です。というより今参加しないと日本経済は危ういと考えています。もちろん反対を訴える方々の趣旨は充分わかる気もしますが、結局のところ日本は自由貿易の体制がなければ生きていけないのが現実だと思います。すべての農産物を自給自足でき、鉱工業の原材料も自前で調達出来るのなら問題ないでしょうが、そうでない事は小学生でもわかることです。
TPPによって農業を中心に厳しい現実が直面することになりますが、それは遅かれ早かれ訪れることだと思います。
WTOのドーハラウンドが雲散霧消しているような状態ではTPP参加国ととFTAを結んでいくことは必要になって行く事だと思っています。
それに比べると今回のTPP交渉の方がやり易いと考えるのは岡田さんの仰るとおりだと思います。
しかし、気になっているのはTPP交渉参加に賛成・反対している政治家の方々はどちらも将来の日本経済社会のあり方を提示されてないことです。
野田総理はTPP交渉に参加することを表明されると思いますが、その際に日本が国際社会に於いてどのような国として位置しようといるのか、どのような国として成り立とうとしているのか、というビジョンをおおまかでもいいので提示してほしいです。
出来れば岡田さんが考えているようなことをより具体的に表明してほしいものです。
また、今回のTPPがASEAN+3などとどう連携していくのか?は疑問があることも確かですのでそこら辺も説明してほしいです。
投稿情報: 讃岐の親方 | 2011/11/09 14:50