日経・レーダー照射報道―事実に反し確認もない、検証と訂正を

先般の産経新聞の記事に引き続いて、日経新聞が、また事実に基づかないことを、本人に確認することもなく報じました。

私の抗議文はすでにホームページで公表していますので、ご覧いただいたかもしれません。

記事は、中国軍艦のレーダー照射について、自衛艦への照射が政権交代以前（民主党政権時）にもあったということと、それが事実であると報じた上で、「報告を受けた当時の野田総理、岡田副総理が、中国に配慮して公表をしなかった」というものです。後半の部分は引用の形で書かれているわけです。

まず、我々に、レーダー照射について何らかの報告があったということはありません。したがって、それについて、公表を控えるべきだといったことももちろんないわけです。

単にこれが引用という形で書かれていたとしても、明らかに事実に反するわけです。そして、事実に反する記事を本人への確認もなく書いたということは、許されないことだと思います。

そのことについて、今日の国会（衆議院予算委員会）でも、防衛大臣が「総理や副総理に報告し、公表を控えたという事実はない」ということを明確に答弁しました。

このことについてどう考えるのか。取材のやり方に問題があったのではないか。そもそも、この時期にこういう「リーク」が出てくるというのは、特定の意図を持って流された可能性が非常に高いと私は思いますが、そういったことをきちんと考えなかったのか。なぜ本人に確認を取らなかったのか。

この記事を書いた記者、そして、それをチェックすることなく報じた新聞社。それぞれきちんとした検証がなされる必要があると思います。社として検証するだけではなくて、記事が間違いであったことは謝罪し、きちんと新聞で報じる。それだけのことは、最低限すべきだと思っています。

こういったことが繰り返されると、まさしく大きな誤解が広がっていくわけで、そこは是非、一流のメディアとしてのしっかりとした対応を期待したいと思っています。

※抗議文はこちら（ＰＤＦ）

※ブログの動画版はこちら

Comments

[投稿情報: haru]

日経の記事をよみました。今日８日の新聞に訂正記事があるかと探しましたが、載ってませんでした。
民主党を悪者にして自民党の失敗から目を逸らせようとする方たちがいるみたいですね。
訂正記事が載らないと、インターネットをやらない人は信じてしまいます。
そしてそれが既定事実の様に巷で語られてしまう。新聞社の罪はとても重いと思います。
謝罪を受けるまでとことん戦ってくださいね。そうでないと本当だったと思われてしまいますので。

[投稿情報: 小林孝範]

法廷か国会で徹底的に事実を明らかにして頂きたい事案です。

[投稿情報: 大学生]

なぜ誤報がというより、民主党政権にすべて責任を擦り付けたいという思惑があっての事でしょう。民主党が全部悪い。みんなそうしたがってるし怖いです。

[投稿情報: nao]

数日前に、私の選挙区の衆議院議員が、地元新聞会社の社長の息子で、その新聞報道が偏っていると、ここに書きました。

書き込んだ次の日の地元テレビニュースで、次の参議員選挙立候補者が、発表されました。

自民党新人が、またしても新聞会社の人でした。
岡田さんが、今回指摘されている新聞会社だったと思います。

こんな状況で、正しい報道がなされているわけないですね。
新聞会社がらみか、世襲しかいないんでしょうかね・・・自民党って。

[投稿情報: haru]

９日の日経新聞に続報がありましたが、謝罪とは程遠く真相は藪の中という論調でした。
ずるいやり方だと思います。
複数の政府関係者という匿名の情報提供者と、実名で抗議している野田さんと岡田さんを同列において、どちらが正しいのかは何とも言えないといっています。
真実は一つです。
日経にはどちらが嘘をついているのか野田さん岡田さんの名誉にかけて調べて伝える義務があります。
陰謀論みたいなものに隠れてはなりません。
ジャーナリストは真実を伝えるのを旨としているのではないですか。
自分たちが欲しい情報だけを伝えようとするメディアの傾向に、記者の劣化を感じます。