いまちょうど、本会議場から戻ったところです。今日の本会議において、我々は安倍内閣不信任案を提出をし、そして、残念ながらそれが否決されて、議員会館に戻ってきたところです。
今回、不信任案を出すことについて、一部のメディアにも書かれたように、いろいろな議論がありました。
これは大変難しいんです。私が代表のときにも、内閣不信任案を国会の終盤に出すべきか、出さないべきか、かなり議論になったことがあります。
つまり、不信任案を出してしまうと、最終的には採決で負けてしまうわけですから、逆に信任したことになってしまう。そのことが分かっているなら、むしろ出さないほうがいい。こういう判断もあるわけです。
今回民主党には、必ずしも出す必要はないんじゃないかという意見もかなりあったんだと思います。しかし、他の野党は是非出すべきだと。
そういう中で、最終的に提出をしました。しかし、残念ながら、予想通りと言いますか、否決をされたということです。
今日の見所は、菅直人さん(代表代行)が久し振りに本会議場に立って、そして、不信任の理由を1時間近く説明したことです。時間の制限というのは特にないので、どれだけでもできるわけです。
いろんなことを菅さんは言われました。教育基本法の強行採決も言われましたし、「やらせ」の問題も言われました。核武装発言についてのコメントもされました。
しかし、一番面白かったのは1年前の選挙、あの復党組の問題について、やっぱりこれは選挙をやり直すべきだと。国民にもう一回信を問うべきだと。それが怖いんですかと詰め寄ったところが、最も菅さんらしくて、そして分かりやすかったと思います。
いつもながらの、菅さんの非常に分かりやすい問題設定、大変迫力があったと思います。
ただ、この不信案提出にあたって、今回菅さんが演説したわけですが、その直前に菅さんが一時いなくなるという、隠れた「騒動」がありました。
その前に出された会期延長に関する採決の数を数えている途中で、菅さんが私の隣にいる鳩山さんの肩をポンと叩いて、「ちょっとトイレに行ってくる」「戻らなければ幹事長、代わりにやっといてくれよ」、こう言ってニヤリと笑って本会議場から出て行かれたわけです。
会期延長の投票のカウントが終わり、雛壇に総理以下が並んでも、菅さんが戻ってこない。国対幹部が青くなってトイレに捜しに行ったと。こういうことがありました。
鳩山さんも「一体、菅さんどうしちゃったのかな」と心配しておられましたが、ぎりぎりセーフで間に合って、そして、さすがの演説をされたわけです。
トイレで何してたのかなと、ちょっと不思議な感じがした「騒動」でした。
いずれにしても、この国会、様々な問題、安倍総理の顔が見えない、何がやりたいのか分からない、そういう印象を非常に与えた国会だったと思います。
今回の不信任案の提出のこともあって、国会は来週の火曜日(19日)まで延長になりました。
世論調査では「今国会によらず慎重審議」意識が多数派で、内閣支持率も降下。復党は小泉政権の政策否定にあたるし、その小泉政権こそが絶対多数状態を生んだのだから、本筋なら解散再選挙でしょうが(金のかからぬ選挙であるなら)。現自民党は今の好機を逃さず憲法改正まで突っ走りそうだし、基本法審議中のメディアの沈黙ぶりからすれば、国民に熟知熟考させる情報を与えぬまま成立まで持ち込むのではないかとの杞憂が益々深まっています。国会という場が有名無実になっている感があり、政党政治の難解さを味わってもいます(一庶民にすぎぬ身ながら)。やはり次の選挙を待つしかなくとも、大切な施策立法は粘り続けていただきたい、信任した結果になったとしても与党以外は不信任だという結果を残すことも意味のあることではないかと、素人判断で考えます。
投稿情報: 一庶民 | 2006/12/16 13:08
岡田先生 毎日ご苦労様です。
“内閣の不信任案”は野党第一党としてはそういう選択もありだろうと思います。さそれはそれなりに、国民への一定のアピールになったと思います。
わたしたち一般の人間が許せないのは、野党であろうと、与党であろうと“政治家(や官僚)のウソ”です。改正教育基本法については、もっと幅広いメディアを通じて、追求をして欲しいのです。何も、何に幾らかかった、その費用は異常だ(これも問題ですが)ということだけを知りたい訳ではありません。誰が、何の目的で、誰に、何を指示したのか…こういう点を民主党としては追求し、政治家や官僚の隠している事を白日の下にさらして欲しいです。それでこそ、本来の議論が始まり、よりベターな法案が出来るのではないでしょうか? 岡田先生は真面目で通っています。先生は政治家のこのような“情報操作”(都合悪い事は触れない、伏せておく)とも言えるような行動についてどう考えれますか? こういう事が国政から地方政治にまで蔓延していると感じております。政治家たるもの腹芸も必要かも知れませんが、その基本には“(この国や国民に対する)真面目”さがあっての事だと思います。そういう意味では民主党も襟を正して欲しいと思います。文中に失礼な表現があればお詫びします。また、事実に関して浅学非才なわたしが誤認している所があれば、併せてお詫びします。
投稿情報: 阿頼王 | 2006/12/18 20:07
岡田さんには珍しい「シモネタ」。こういう裏話も時々お願いします。
不信任案提出、何故迷うのかがわかりました。私は否決されてもドンドン不信任案は出して欲しいです。安倍さんが「信任されました、私」と言ったのには違和感ありました。「あたりまえだろ、自民が多数なんだから、否決されるに決まってる。変な事言う人だ」と、素人とはいえは我ながら怖い。このところの安倍さん発言の自画自賛の一つに聞こえてしまうのは私だけでしょうか。こくみんはバカではありません。与党と野党のさん算数くらいはわかってます。野党の気持ちが不信任なら、出すべきです。
投稿情報: ゆり子 | 2006/12/18 23:41