この日曜日(12月9日)の早朝に羽田を発ち、韓国・ソウルに行ってきました。昨日、月曜日の夜遅く帰ってきたところです。
今回私が韓国に行ったのは、現在行われている大統領選挙の現場を見たいと思ったからです。
前回の大統領選挙では、在韓米兵が韓国人少女を事故死させる事件があり、その米兵に無罪判決が出たことで韓国内で大変な反米感情が高まったり、あるいは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)さんという大学を出ずに自力で弁護士になった、そういった立身伝的な人物が出てきて、最後は大変盛り上がりました。そして、大逆転で盧武鉉大統領が誕生したわけです。
この間、インターネットを通じた選挙運動、いままで世界で見たことのないようなネット選挙が行われて、様々な意味で大変注目された選挙だったわけです。
今回も同じようなことがあるかもしれない、現場を是非見てみたい、そういう思いで韓国に行ってきました。
有力候補は3人います。一番私が親しくしているのは、いまの与党・大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補、私と同い年(54歳)です。
そしてそれ以外に、李会昌(イ・フェチャン)候補。前回、前々回といずれも勝利して大統領になると言われながら敗れた候補ですが、今回、代表まで務めたハンナラ党を離党して、新しい党をつくりながら、無所属で立候補されました。
そして、最も有力とされるのが李明博(イ・ミョンバク)候補。現代(ヒュンダイ)建設の社長、会長を長くやり、大変苦労しながら現代建設のなかでトップを務め、そして、ソウル市長となって実績を上げた人物です。
この3人を中心にいま争っていて、そして、李明博さんが独走態勢、それをあとの2人が追うという展開になっています。
まず、一昨日は鄭東泳さんの選挙運動を見に行きました。ソウルの街のど真ん中で数千人が集まって集会が行われました。大きなスクリーンを使って、そして音楽と、日本の選挙とはだいぶ違う、アメリカ型の選挙が行われていました。
支持者がたくさん集まっていて、当然盛り上がるというなかで、選挙運動が行われていました。
ここで、私はかなり壇上に近いところで見学をしていたのですが、鄭東泳さんに見つかってしまって、「壇上に上がれ、上がれ」と言われました。
最初はちょっとマズいなと思って上がらないようにしていたのですが、鄭東泳さんが演説の中で私のことに触れまして、「日本の政治における改革派である」ということを言われて、「是非一言しゃべってもらいたい」と言われましたので、壇上に上がらざるを得なくなりました。
壇上に上がって選挙応援をするのはちょっとマズいと判断をしましたが、しかし長年の友人であり、エールを送りたい気持ちもありましたので、私は「ファイト、ファイト、鄭東泳」ということを2回繰り返して、それで壇上から降りました。
いずれにしても、その場は大変盛り上がっていたという感じがします。
そして、あとの2人の候補もそれぞれ演説を見る予定にしていたのですが、残念ながら、韓国において軍人が攻撃をされて武器を奪われるという事件があり、特に李明博さんはテロを警戒して、街頭には立たないという方針を出されました。
したがって、演説を聞くチャンスはなかったのですが、近くでお会いをして、一言、二言言葉を交わすことはできました。
李会昌さんは、党本部事務所をお訪ねしたところ、お会いいただけるということで、15分ぐらいお話をさせていただきました。
彼もすべてを捨てる覚悟で3度目の大統領選挙にチャレンジしています。大変勇気あることだと思います。
全体としては、経済の問題が最大の争点で、鄭東泳さんなども格差問題を取り上げていましたが、しかし与党で、そこで鄭東泳さんも統一大臣という重要な役割をしていた時期もあるわけですから、「じゃあ、そういう格差のある社会をつくったのはいまの盧武鉉政権ではないか」、「自分たちがそういう社会をつくったのではないか」と言われるとなかなか厳しいところがあります。
そして焦点は、李明博さんの株価操作疑惑、それに対して検察がシロとという答えを出した、そのことに対する批判が中心になっています。これは李会昌候補も鄭東泳候補も同じです。
しかし、私としては、攻撃は他の人にさせておいて、候補者としてはもっと前向きの、これからの韓国を語るような演説がいいのではないかと思いました。
鄭東泳さんに非常に近い人にはそういうことも申し上げましたが、「いろいろ議論があって、いまのような形になっている」ということでした。
いずれにしても、なかなかダイナミックな大統領選挙で、大変勉強になりました。周りの人たちにも、非常に効率的にたくさんの方とお会いできて、韓国のいまの政治というものを実感しました。やはり現場に行くということは本当に大事だなと改めて感じました。
ソウルまでは羽田から金浦空港まで2時間ですから、日帰りでも難しくありません。国内で東京・羽田から福岡に行ったり、札幌に行ったりするのと感覚としてはほとんど変わらない、そんな感じがしました。
素敵ですね。
「やはり現場に行くということは本当に大事だなと改めて感じました。」
こういうお考えの政治家さん達がもっともっと増えられると日本の政治はきっと良くなるだろうと思います。
投稿情報: ゴマ | 2007/12/11 20:46
韓国の選挙がアメリカ型とお聞きして、なるほどと思いました。常々韓国・中国などはアジアといっても大陸型で、日本人とはまったく異なり欧米型人格形成されているように思います。競争社会が言われ始めた日本と違って長い歴史の中でDNAに組み込まれているのではないでしょうか?生き残る、勝ち残ることにはとても貪欲のように思います。日本もようやく世界を相手にしなければいけない時代になって、やっと仲間入りをしつつあるとき。
しんどいことですが、主張し競争に勝ち残る日本でないと、50年後の少数民族の日本は、片隅に追いやられてしまっています。ODAなり世界に多くの金銭的援助をしてきましたが、主張しないで日本人の感覚で「こそっ」と差し上げてきたことの意味さえ薄れてきてしまいます。
生き残る、勝ち残るとは貪欲に成らざるを得ないのでしょう。そういった意味で、これからの教育がとても大切なことだと考えます。
投稿情報: 斜家庵 | 2007/12/12 10:03
日本人は政治に対する興味が薄いと思います。
韓国の選挙の迫力は、韓国民の政治に対する熱気も映し出していると思います。
日本の場合も、日本の病根、政官財癒着に効果的なのは、政権交代だと思います。
政権交代をして8年もすれば、自民党の悪事は暴けると思います。
細川政権のように短命ではいけません。
日本人も選挙で政治家や官僚を操作する知恵を、そろそろもたないといけないと思います。
60年ほとんど、自民党独裁政権で、日本が民主主義の国だとはとても思えません。
政権交代がもたらす浄化作用を、もっと民主党は訴えてほしいものです。
団塊の世代の目をどのように民主党にひきつけるか、岡田さんもお考えになってみてください。
投稿情報: 地球人 | 2007/12/12 14:50