ここでは、地球温暖化に関するCOP13(国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議)に世界から関係者が集まって、これからの京都議定書の後の具体的な目標や検討体制について議論しているところです。予定では明日(12月14日)すべて会議が終わることになっていますが、成功は見えていません。
私はここに昨日(12日)の昼頃、シンガポールを経由して着きました。そして今晩までいて、14日の国会の最終日に、会期延長が決まっていますが、衆議院の本会議に出られるように今晩バリを発って、明日の朝、成田に戻ることになっています。
さて、現場に来ることの重要性というのを改めて感じています。ここではEU(欧州連合)の議員団やドイツの議員団、あるいは中国やその他の国々の大臣や担当者、国際機関、そして何よりも、NGOの皆さんと多く意見交換してきました。日本のNGOもとても頑張ってる、その姿が印象的でした。
会議の内容ですが、私の考えるところ、最終的に2050年に世界全体の温室効果ガスを半分にしなければならないという前提の下で、先進国が2020年までに25%~40%の温室効果ガスを削減する、その表明が何らかの形で残せるかどうか、ということが焦点だと思います。
アメリカはこのことに対して後ろ向きですし、カナダ、そして報道では、日本もそれをブロックしていると言われています。
日本が明確にブロックしているかどうかは見方の分かれるところで、誤解をされている部分もありますが、しかし、私はやはりEUのように積極的にこの問題を解決していく、そのことに是非日本もリーダーシップを発揮してもらいたい。現実はそれとははるかに違うところにあると思います。
いずれにしても、ここに来て改めて感じましたが、この温暖化の問題は世界の人類の生き残りにとって最も重要な問題である、そういう意識を多くの人々が持っています。
私たちの日本でも、温暖化の問題の深刻さは次第に理解されてきていますが、まだまだそこまでの理解に行っていない。
したがって、「20%~45%を2020年までに削減」と言われてもピンと来ない。「そんな大変なことできないじゃないか」という反応が多くの国民の皆さんにあるのではないかと思います。これは私たち政治家の責任でもあります。
国会の審議、あるいは選挙を通じて、しっかりとこの温暖化の問題の重要性、そして、温暖化対策税や排出権取引制度といった、EUが取っているような具体的な手段を日本も導入していく、あるいは自然エネルギーをもっと導入していく、そういったことについて、私たちはしっかりと具体案を出し、そして、国民の皆さんに語っていかなければいけない。そう改めて感じています。
大変日差しが強いので、非常にまぶしく感じています。
(インドネシア・バリ島にて)
米国は国際貢献とうるさいが、環境問題の国際貢献はしていない。
武器に消費期限があるかどうか知りませんが、共和党になると、何かにかこつけて、ドコカでミサイルを消費している。
日本は、「環境国際貢献」と銘打って、「地球に優しい国際貢献」をアピールしてほしいものです。
省エネ、バイオエネルギー、様々な分野で、日本が得意とする「ものづくり」があると思います。
大阪で理系学者先生が民主党から立候補されたようです。
大学の研究と企業、地元中小企業の連携を呼びかけて、町工場の一つ一つが、研究所レベルの生産に供応して、すばらしい最先端の街として栄えるきっかけを作ってほしいと思います。
知恵というのは、研究だけからではなく、こつこつとした中小企業の現場から多数、生まれると思います。
この環境をキーワードに、日本のものづくりが復活し、日本経済をまた活気にあふれたものにしてほしいと思います。
そのこてはじめとして、大阪府知事に理系先生がなるのも、よいことだと思います。
しっかりしたブレーンは必要でしょうけれど。
投稿情報: 地球人 | 2007/12/15 15:45
ソフトパワーのNGOのことを、岡田さんはブログでよく紹介されます。
このNGOに注目している点が、新しい時代の政治家だなあと思います。
日本は国際貢献をしていないとよく言われますが、この日本のNGOの実態を調べて、できればどれぐらい国際貢献しているかを示してほしいと思います。
他国のNGOの活躍状況も知りたいと思います。
テロとの戦いだけが、国際貢献ではないと思います。
森の民ゲルマンと、森を大切にする日本人が、環境問題に熱心なのも、面白いところです。
中東の物語は、森を守る神が、木を切る神に負けたところから始まると、何かで読みました。ギルガメシュという神話にあるとか。
環境問題は、日本人の活躍のしどころだと思います。
投稿情報: 地球人 | 2007/12/15 15:57
生きている以上,人は何らかのコミュニティーに参加し,何らかの利害に囚われると思います。政治の世界も,当然そうだし,経済界との結びつきは,政策を実現して行く上で必要不可欠なことだとも思います。
しかし,環境に関しては,現在〜未来の人類の生存権みたいな話で,うまく行かないと,世界的な紛争になる可能性すらある大きな課題だと思います。
このような問題は,何らかの利害の調整でなく,その利害を越えたところでの合意が必要だと思います。
その意味で,この問題は,企業利益から生じるメリットより,一般の国民としての本質的な意見を問う(企業人も家に帰れば一国民ですし)べきと思うし,リーダーシップを取るなら,日本で痛みを分け合える仕組みの構築が必要だと思います。本当の意味での政策能力の見せ所じゃないでしょうか。
今は,ユーロ,特にドイツの制度などは,すばらしいと思いますが,諸外国が学びにくるような,日本発の制度,是非,岡田さん中心で作ってください。そして,ノーベル賞かな。
投稿情報: oct14th | 2007/12/15 18:14
岡田さんのコメントを拝読していたところ、その最後に、「大変日差しが強いので、非常にまぶしく感じています。」と書いてありましたので、「え、ひょっとして。」と思い、ブログの動画版を拝見しましたら、今回はインドネシアの屋外での収録ということで、非常に新鮮な印象を受けました。いつもの室内の収録も落ち着いた感じで良いですが、屋外での収録も臨場感があって良いですね。「今、バリから帰ってきて、事務所で、このビデオを収録しています。」という形よりはるかに良かったと思います。これからも、いろいろな「現場」で収録されると、インパクト大きいのではないでしょうか?。より国民に分かりやすい、伝わりやすいという意味で、自らの判断・行動に関し、より高度な説明責任を果たすことが出来るのではないでしょうか?。それにしても、インターネットというのは本当に便利な道具ですね。
投稿情報: Publius | 2007/12/15 19:15
バリ島の空の下の岡田さんは、若々しく(元々年齢よりもお若いとは思っていますが、更に)室内での撮影よりも生き生きしていらっしゃるような印象を受けました。
私の中の勝手なイメージですが、岡田さんと言うと、読書をされているか、執務室で沈思黙考、書き物をされているといった姿が思い浮かぶのですが、焼けるような太陽の下に立つ姿もマッチしているという感じがしました。
韓国にいらしたばかりなのに、更にバリ島にもいらっしゃった岡田さんは、歩くのも速いと伺っていますし、駆け足の姿も颯爽としていて、実際はかなりエネルギッシュでアクティブな方なのかなと思いました。
外務省資料によると、温室効果ガスの排出量は、アメリカと中国だけで、世界の4割を占めます。
(日本は5%)
もちろん、日本が削減に努める事も大事ですが、世界全体で対策に取り組まないと意味が無い問題です。日本が、途上国に排出を削減できるような技術を指導する事も考えていくべきなのではと思っています。
(もう始まっているのかも知れませんが)
投稿情報: 匿名子 | 2007/12/18 02:33
おめでとうございます。
2008年
今年は大変革への第一歩を踏み出す時です。貴兄のご活躍をお祈りいたします。
地球温暖化の危機の中、人類はエネルギー問題、農業政策・食糧問題は避けて通ることが出来ません。
何故なら、原油、ウランは、それぞれ事実上約40年、20年しか地球上には存在しないのです。世上に論ぜられている数字がいかに甘い観測に基づくものであるかが判ります。誤った情報に操られている国家日本には未来がありません。精神的、知的な独立が叫ばれる時だと思います。
又、今日の極度に専門化された職業教育を受けた人々は大変視野が狭く、自分の関心事しか見えない傾向があり、平生は下手をすると固定観念をもって事を処していると言ってもよいかもしれません。
都市生活者の人口が、農村の人口より大きくなっている現況の中で、多数派である、都市生活者の集合ばかりでなく、少数派である、補集合の人々の生活を考え、合わせて全体集合の問題を論ずることが目下の急務である、と思います。
つまり、問われているのは、ヴィジョンであり、フィロソフィーなのです。
本年もよろしくお願い致します。
投稿情報: 本多 勝 | 2008/01/16 09:29