小泉元総理が次期総選挙には出ないということを明らかにされました。私はある意味、小泉さんらしい1つの身の処し方だなと思います。
その点は、私なりに評価をするわけですが、ただ、そうであれば、どうして総理を辞められたときに次の総選挙に出ないということを言われなかったのか。ここは非常に大きな疑問を持ちます。
もっとハッキリ言うと、次男を自分の後継者として据えるために、ギリギリまで引っ張ったと言われても仕方がないんじゃないかと思います。
これは、実は自民党の大物議員が時々使う手で、自ら引退を心に決めながら、実際には解散・総選挙が間近になって初めて、そのことを明らかにする。
もっと早く明らかになっていれば、いろんな方が後継者として手を挙げたかもしれません。小泉さんの場合にも、おそらくいまから半年以上前に、次は出ないということが明らかであれば、地元の地方議員の方や首長の方、その他政治に志のある人たちが手を挙げたかもしれません。
しかし、これだけ総選挙が間近になったタイミングで辞めると言われれば、誰も準備ができていませんから、結局手が挙がらない。
結果として、すんなりと息子さんにバトンタッチがされる。いままでの古い自民党の大物議員たちが使ったことと同じことを小泉さんはやられたわけで、これは非常に疑問だと私は思いますし、小泉さんは総理経験者ですから、特にこういった問題についてはきちんと対処して欲しかったと思います。
「父親の気持ち」ということを言われたようですが、政治は私事ではありません。政治は公です。そうであれば、自分のあと誰がやっていくかということについて、「父親として」などという言葉は、決して言ってはいけない言葉のはずです。
志のある人たちは他にもたくさんいるはずです。そういう人たちの中で、公正な手続きを経て、誰が最もふさわしいか、そういったことを決定していくべきではないでしょうか。
もちろん最終的には、これはそれぞれの政党に任されたことではあります。世襲を禁ずる法律はありません。
しかし、いまの自民党の衰退の大きな要因が人材不足で、その人材不足の大きな原因は世襲にあると思っている人は少なくないはずです。
同時に、政治は公であるという観点から言っても、世襲というのは基本的に否定されるべきです。
もちろん、違う選挙区から出るなら何の問題もありません。能力があれば、違う選挙区から出て、堂々と政治家になればいいわけです。
民主党は、私が幹事長、代表のときにもこの世襲問題を議論しました。党の中で、まだ決めたわけではありませんが、そういった世襲について一定の制限をすることが、私は非常に民主党らしいし、衰退していく自民党に対して新たな人材を外からどんどん取り入れていくことで、民主党がさらにいい党になっていく。非常に大事なことだと思っています。
この前の党政治改革推進本部役員会で議論したなかで、基本的には党に委ねる(法律問題ではない)ことだとしながらも、資金管理団体の世襲は法律で禁止すべきだという結論にいたしました。
親が国会議員であれば、その資金管理団体に数千万あるいは数億の資金がある。代表者の名前を変えるだけで、それが引き継げてしまう。そこに相続税も何もかからない。
こういったことは最初から、スタートからハンディキャップがついていることになりますから、そういったことは法律で禁止をする。代表者が代われば、その資金管理団体は清算をし、解散をする。
そういったことは、是非法律で規正したいものだと、法律で決めたいものだと考えています。
いずれにしても、政治家の世襲という古くて新しい問題を大いに考えさせられるきっかけとなった今回の小泉さんの引退劇でした。
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世襲は日本独特のものですね。 個人を尊重する国では、親の仕事を継ぐのは子供の意思で、殆ど親の七光りで生きる道を選ぶ人は少ない様に思われます。 日本の場合は誰の息子、娘と言うだけで、半分は成功~の道が開ける~ 相当昔に亡くなった、弟、叔父さん、お父さん、お祖父さん・・・ メディアに評価の目が無いから、簡単に有名人に仕立て上げる。 個人主義の国では、子供の人生は親の其れとは別に、自分の意志で歩んでいる。 歴代の大統領の子息が政治化~と言うのは余り聞かない話です。
そして、国民もメディアも非常に厳しく、有名だけで成功出来る日本社会の様に甘くない。 本当に厳しい職業です。 政治家と言うのは・・・ こんな違いが日本の自民党政権の様な、国を私物化的な党体制を何時までも続けられる状況に有るのでしょう。 ある記事で『自分の財産分与の代わりを税金で一生食べて行ける様、道を譲る親』と評していましたが、正にその典型の様で残念です。 まあ小泉氏曰く『自民党を出て苦労している人達を見ると、やはり党から出ては駄目だ、何が何でも勝ち取ろう~』その為には、氏の改革路線を否定している麻生総理でも『全面的に指示する』と。森派に引退表明した際に、幹部に打ち明けた。と言う記事を読みましたが、自民党政治のメンタリティーは解ってましたが、此処まで本音を語った記事を見ると、絶対に政権交代しなければならないと、改めて憤りを感じました。 日教組の子供~批判をしていましたが・・・ 自民党は批判出来る立場でしょうか?? 世襲の根本的メンタルは同じでは無いでしょうか・・?? なりふり構わず、個人的な事情で勝つ事しか頭に無い、自民党に代わって絶対に政権交代して下さい。そして国民の為の政治をお願い致します。
投稿情報: 凡人の願い | 2008/09/29 22:36
おっしゃるとおりですね。
ただ、新しい人材が立候補しにくい点を逆手にとって
政権与党の座に居続けたい自民、公明から
「中選挙区制に戻すべき」との声が聞こえてきますし
これには共産、社民も賛成でしょう。
世襲の問題は、選挙制度の問題、さらには
議会や国のあり方にもつながりそうです。
① 私は二院制はやめて一院制にしたらどうかと思いますし
少なくとも現状の二院制はいろいろ無駄だと思います。
② そして、総理大臣は国会議員の中から「公選で」
決めてもらうようにして頂きたいです。
安倍、福田、麻生3人の首相は、国民の信任を受けていません。
かの小泉さんは、郵政民営化とともに、たしか首相公選も持論だったと思いますが
いつしかトーンダウンしたのでしょうか。
③ そして国会議員の選挙制度としては、「国」会なのですから
やはり「全国区」にすべきではないか
そして政党ではなく、基本的には「候補者名」で投票する
というのがいいのではないか、と思っています。
いつかぜひ、岡田さんのご意見を伺うことができたらな、と思っていますが
個人的には上記3点は、多くの国民に支持されうる、と自信をもっています。
投稿情報: TM | 2008/09/30 02:31
自民党をぶっ壊すというペテンで、国民福祉をぶち壊し、やはり自民党でないといけないと、4代目に譲るという。
それを許す、国民がいけないのです。
小泉氏は、結局イラクの破壊兵器がないということを、認めずに引退しましたね。
やはり、息子に継がせるとき、マイナスにならないようにでしょうけど、戦前から多くの政治家の体質は、変わっていないと思います。
沖縄返還密約も、米国が資料出しているのに、日本は認めない。密約バレバレなのに。事実が明らかになっても認めない自民党政治の思考法は、非常に危険なものだとおもいます。
この危ない自公政権から国民の命を守るためには、2院制は必要だと思います。
4代目等といわれると、歌舞伎の世界の話かと思いますが、小泉次男も長男に似て美形だそうです。
また自民ゴマすりテレビが、お先棒かついで「色男キャーキャーキャンペーン」で自民の盛り返しを狙うのかと思うと、うんざり。ここらで、若手の美形投入で、女性票を狙おう等という作戦は、自民のキングメーカーが、いかにも考えそうなこと。
自分の子供が給食で、毒米食べさせられているのに、ヤングママが自民小泉4代目にキャーキャーいってたら、ブラックユーモアです。
福田前総理の財布法人の世襲の記事が確か、ポストに前に出ていました。
岸、福田、安倍、福田と脈々と続く、財布代わりの法人だそうです。
このようなものも、政権交代して、早く廃止していただきたいものです。
それにしても、テレビのコメンテー太や、アナウンサーが、けっこうえばっているのには、うんざりです。
投稿情報: 地球人 | 2008/09/30 11:09
素晴らしいご見識だと思います。政治家の世襲に関して、心ある国民はうんざりしていますし、国家権力の中枢である政治家が世襲となると、国民の良い意味での向上心が削がれます。
また、小泉氏の世襲劇に見られるように、若く能力も経験もない人間は、仮に良い資質があったとしても、周囲の選対組織が完成されている為、ステークホルダーにスポイルされるだけです。
小泉氏(米ブッシュ大統領も)の言行矛盾や身勝手、無責任や無能は、自民党・経団連・財務官僚をはじめとする、同じ体質の国民達の免罪符になったことが、彼の人気の源泉の一つだったと思います。
岡田氏には、ぜひ今のままの直球勝負を続けて頂きたく思います。戦後一貫して自民党には変化球ばかり見せられている国民は不幸です。
投稿情報: hiro | 2008/09/30 14:19
いつでも咲いてちゃ綺麗じゃない。
パッと散るから美しい。
花は散り際が大事、人は引き際が大事。
世襲の連続性を桜の木に喩えておられたのでしょうか。
ものすごい逆サプライズに、不覚にも驚かされました。
投稿情報: 小原 | 2008/09/30 23:21
小沢さんも菅さんも鳩山さんも世襲議員だったように記憶しているのですが・・・
投稿情報: 鐘 | 2008/10/01 01:54
申し訳ありません、勘違いをしておりました。菅さんは世襲ではありませんでしたね。息子さんを党公認で出馬させただけでした。
適当なことを書き記してしまい、大変失礼いたしました。
投稿情報: 鐘 | 2008/10/01 02:14
ビジネスは約束と信頼、そして話し合いと妥協を大切にします。民主主義は、市場経済におけるビジネスの発想・手法、行動様式を反映し、話合いと交渉、連携と妥協により政治的決定を行ないます。
ビジネスは、不当表示や不公正な競争を嫌います。民主主義の下、政党間の争いは、生存をかけた闘争ではなく、国民の需要に応えるための、説明責任を通じた競争という性格を持ちます。
しかしながら、これに反し、依然として政治の世界に戦争や軍事の発想・手法、行動様式を持ち込もうとする勢力が存在するようです。政治を対抗する政党との戦争とみなし、したがって、撹乱戦法や奇襲戦法、煙幕や力の行使も正当化されると考えます。
小泉氏は、2005年の総選挙において、郵政民営化が唯一の争点であるかのように強調表示し、他の重要争点から国民の目をそらすなど、説明責任を歪める撹乱戦法を取り続けました。今回は、総選挙直前に突然引退を表明するという奇襲戦法で、潜在的立候補者の準備を妨害し、自由で公正な選挙を阻害しました。
現在与党側は、様々なイメージ選挙で煙幕を貼り、争点をあいまいにしようとしているようです。後期医療制度における年齢区分を見直すかのような虚偽情報が発信され、総選挙を、自民党総裁と民主党代表との個人的対決に矮小化しようという試みも行なわれているようです。中山前国交大臣に至っては、日教組という合法団体を敵視し、これをぶっ壊すと公に発言し、いまだに発言を撤回していません。
もちろん、選挙戦においては、戦略・戦術が必要となります。与党側が、様々な手法・手段を駆使する以上、それに対抗することが必要になります。
しかしながら、国民の真の需要は、目先のパフォーマンスではなく、説明責任の公正な実施を尽くした、二大政党制の下の政策本位の政治にあると思います。今後、予算委員会が開かれた場合、医療制度、年金、道路財源一般化、テロ特措法、等々、国民にとって切実な争点が再確認され、野党側・与党側それぞれの政策が明確になることが必要であると思われます。その過程で、民主党は、イメージ選挙・パフォーマンス選挙が非民主主義的であることを指摘し、与党の政策の問題点を指摘すると同時に、自らの政策を分かりやすく国民に提示していくことが大切と思われます。
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2008/10/01 08:55
岡田さんに共感しました
与党の世襲議員は既特権益の象徴と言う人もいますが、やはり小泉氏のような、「この種の痛みに耐えられない人」の為にも、最低限ルールを採用し道徳的な仕組みが必要ではないでしょうか?
厳しいようですが例えば
世襲候補は各党内で政治を志す者として全体視のテストを実施する
合格の場合二期目もしくは三期目の選挙は原則公認を外す、不合格なら地盤を引き継ぐ世襲は二代まで、親が党の幹部クラスであれば別の選挙区から出馬するなど…政治家は良くも悪くも結果責任であってほしいものです。私の政治観に合理性は少ないとは思いますが。
世襲でもある小泉政治は東京に速攻性のあるカンフル剤を注ぎ込んで改革をもたらし結果として小選挙区を詐欺師の様に言い訳をして手に入れたようですが、参議院を必要としなかったように、立場の弱い人間には目配りできないままで更に追い詰めセーフティネットは規制緩和の建前論にすりかわり順番を無視して時期焦燥の郵政民営化を進め、過疎の進む地方には影を落としたまま終わったと確信しています
ただ私の選挙区にも与党議員で世襲がいらしゃいます、前回の選挙は郵政民営化に反対して離党したのに、現在は党執行部です。
投稿情報: 立川 | 2008/10/03 05:35
>立川様
本当に合理性に欠けた政治観ですね。議員の子供であろうとなかろうと、公的な権利というものは万人に平等に与えられなければならないのです。たとえそれが悪平等であったとしても。親の職業によって子の権利が阻害されるなんて、原則論としては部落差別と同じです。それを国が行うのは、公的な身分差別ですよ。
投稿情報: 鐘 | 2008/10/03 23:11
4か月ぶりに拝見しました。岡田さんの意見に賛成です。小泉さんの行動少しおかしいですね。私は小泉さん個人にはそんなに悪いイメージはありません。すくなくとも安部さん福田さんよりは頑張ったとは思います。なぜなら安部福田両氏は少なくとも命がけで任務を果たすという気概がみられず、小泉さんにはそれがあったとみうけられたからです。小泉さんはもうそんなに一生懸命できないと判断したのでしょう。民主党で今命がけの気概で頑張ってくれそうな人は長妻さんくらいかもしれません。馬渕さんはそのあたりの迫力に欠けているかもしれません。岡田さんにはそのような若手の補佐役として、ご自身も大変でしょうがよろしくお願いします。応援しています。
投稿情報: 扇風機 | 2008/10/10 17:37
鐘さんへ
私が言いたかったのは 『庶民の私でも政治家の世襲を問題視している』『世襲を全否定している訳ではなく、政治とはみんなのものであり、私物化するものでもない、公共の福祉に反しているのではないか』『世襲にも何らかセイフティネットが必要』という点です。
鐘さんは『他者のコメントには分析し批判する理由』があっても、『失敗にとらわれない主体性のある提案』がないようにおもいます
批判するだけではなく是非提案があってほしいですね
そうでなければ誹謗中傷したいだけにも見えてきます
私個人は『共通のルールを無視した差別は新たな差別を生む』とおもってます
公開、非公開どちらでもかまいません
投稿情報: 立川 | 2008/10/11 05:10
立川様
世襲議員がはびこる現状を憂いているなら、公職選挙法に反しない範囲で世襲議員が当選しないよう有権者に働きかけるしかないでしょう。何故「規制」に走るのですか?世襲議員を選ぶも選ばないも有権者の判断でしょう。実際に有力議員の息子が落選する例も数多くあります。
私は新たな「提案」をするつもりはありませんよ。自由主義的民主主義者として、現状が望ましい制度だと思っていますから。公共の福祉に反しているというのは貴方の主観であり、それを以て他人の権利を制限する根拠にはならないということです。
重ねて申し上げますが、世襲議員を当選させないためには、自分も含め、有権者に世襲議員の弊害を訴え、落選させる他取るべき手段はないのです。
投稿情報: 鐘 | 2008/10/13 01:16
世襲について、私は規制の必要なしと考えます。国会議員を選ぶという国民の義務と権利の一番肝心な部分を(おいしいところ)を何故あえて国にやってもらおうとするのでしょうか?何でも国にやってもらって、何か問題が起きれば国が悪い、制度が悪いとまくしたてて、国民は本来の自分たちの義務を忘れているような気がします。最終的に物事を判断するのは自分だということを考えないと、人のせいにして犯罪を犯すような人間が出てくるのではないでしょうか。ちょっと飛躍しましたが。海外在住の私から日本を見ていると、自己判断、自己責任とは無縁の国民に感じます。何か困難にぶつかるとすぐに国や制度、他人のせいにしてしまう、なんと自己中心的な国民になってしまったのでしょうか。このままでは、日本はさらに軟弱になってしまうのでないかと不安になります。がんばれニッポン国民!
投稿情報: 大和魂 | 2009/02/25 02:41