先ほど、衆議院の議長に対して、我が党の「政治資金規正法の一部を改正する法律案」を提出して参りました。この場でも以前申し上げましたが、政治資金規正法の改正は、基本的には、いわゆる世襲の問題と企業・団体献金廃止の問題です。
世襲の問題は、我が党の内規で同じ選挙区から引き続いて3親等以内の親族が出ることは認めない、つまり公認しない。これは、党の内規で決めることにしていますが、政治資金について、政治家が引退したり、あるいは亡くなったりした場合に、その政治資金が親族に当然のように引き継がれていくということを制限する、できなくするための法改正が1つ。
そしていま1つは、企業・団体からの献金を、パーティー券の購入を含めて、3年以内に全廃する。そして、同時に個人献金をやりやすくするための税制上の措置を講じる、こういった中身の法案です。
野田佳彦さんはじめ、多くの仲間の皆さんにご努力いただき、そして、スタートをしたのは去年の秋からですけれども、党内もオープンな議論を何度かしながらまとめてきたもので、なかなか厳しい、難しい中身の法案ですが、最終的に皆さんに納得していただき、党として提出に至ったことは大変嬉しく思っています。
あとは、国会の会期も延長されるようなので、そういう中で、しっかりと衆議院において議論していきたい、与党にも是非協力してもらいたいと考えているところです。
政治とカネの問題などは、20年来議論しています。様々な問題が起こるなかで、企業・団体献金の全廃という思い切った決断を党としてさせていただきました。しっかりとこの法案が実現するように、努力していきたいと思っています。
◎政治資金規正法改正案(概要、法律案、要綱、新旧対照表)はこちら
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企業献金問題も、世襲問題も、富の独占の抑止手段である民主主義ですら、価値観の最上部にカネが置かれるということは抑止できない、という民主主義の根源的問題に関わります。
官僚には国家予算というカネ、政党幹部には政党助成金や党費・上納金というカネ、そして、世襲政治家には一族を頂点とする金脈コミュニティ。
カネは民主主義の暗い根幹に関わる問題です。規則や法令で対処しても、その足場自体がこの民主主義の根源的暗部と結びついているため、真の解決にはならないし、むしろ、民主主義の希望的側面に悪影響を及ぼします。
「悪い世襲政治家」は毎日党本部に呼んで議員を止めると説得する。
「良い世襲政治家」は毎日党本部に呼んで、もっと汗をかけとハッパをかける。
そういう、民主主義の根源的な努力をすべきではないでしょうか。
選挙民は主権者です。「世襲政治家を選ぶな」とは政党は言えません。法治主義国家で法規を作って対処するということは、しかし、「世襲政治家を選ぶな」と言う事と等価になる。
****以下参考引用****
http://plaza.rakuten.co.jp/kingofartscentre/diary/200905150001/
かみぽこぽこ
皮肉なことだけど、
生き方・価値観の多様化、
女性の人権・地位向上、
そして政権交代の常態化を目指した
小選挙区制の導入という
民主主義の進展が、
政治家の世襲化を進め、
庶民から優秀な
人材が政界に進出する道を
狭めてきたと
言えなくもないんだよね。
もちろん、現在の世襲議員の増加は
あくまで過渡期的現象で、
更なる民主主義の進展が
閨閥を無力化し
完全な自由競争での
政治家選抜を実現するというなら
問題はないです。
しかし、そうではなく、
民主主義の進展が
むしろ日本に閉鎖的な
階級社会の固定化を
もたらしてしまうならば、
なんらかの「世襲制限」は
考えないといけないのかも
しれないよね
******引用END*****
日本社会の民主主義的成熟が、必ずしも道徳的に立派な社会の成立をもたらさない、というのは、まさに、普遍的民主主義の根源的問題です。
いわゆる「何とか主義」を超えた社会が、理想社会に近いと思います。
少なくとも、「理想社会」というパラダイムは、日本の国会議員には持っていてほしいものです。
投稿情報: 一国民 | 2009/06/01 23:58
岡田克也後援会の平成20年度収支概況を見させて頂きました。
収入のうち繰越金を除くとパーティ券収入が大半になっていますが、これを前面禁止してどのような方法で人件費、維持費を確保するのでか?
投稿情報: ayato007 | 2009/06/02 14:02
この件はこの法案である程度国民の意思に沿うものだと思います。この調子で法案もしくはマニフェストの制作をお願いします。法案は成立したほうがよいとは思いますが、まだ自公政権ですので無理に成立にこだわらなくてよいと思います。民主党の不安な政策は①外交・国防②農業政策だと思います。一回重点的に政策立案会のようなかんじで党内で検討会をひらいたらどうでしょうか。テストと比べてはなんですが、苦手教科は重点的に勉強するしかないと思います。ひとつひとつ苦手をつぶしていってください。応援しています。
投稿情報: 扇風機 | 2009/06/03 17:17
世襲制限と企業団体献金禁止の法案、自民党に握りつぶされそうですね。
でも民主党内からだけでも実行して頂きたいと思います。
信念で政党助成金をも受領拒否している共産党、この点は素晴らしいです。
私が民主党に提案したいのは、コスタリカのように国会議員の連続再選禁止を行って頂きたい。
(理由)
・世襲制限とあわせ、多様な人材が議員になる機会が増えるため
・一度議員を務めた後で民間での活動を経験してもらうのが好ましいため(またそれが可能な環境を創っていく必要がある)
・議員の官僚や業界との癒着、族議員化を防ぎ、ひいては国民の政治不信の解消を進めるため
投稿情報: TM | 2009/06/04 00:54