オバマ大統領が訪日されました。会談の中身については、新聞でも報道されていますし、それ以上のことは私の口から申し上げるわけにはいきませんので、その周辺のことについて、若干お話ししたいと思います。
会談は1時間20分ほど行われましたが、私とヒラリー・クリントン国務長官のときと同じように、様々なテーマについて、非常に良い雰囲気の中で行われたと思います。
もちろん、普天間基地といった2国間の問題もありました。しかし、それ以外に、アジア太平洋における両国関係、両国の協力できる問題ということで、イランやミャンマーの問題、あるいはASEAN(東南アジア諸国連合)全体の問題、そして地球温暖化や核の問題など、様々な論点で議論が行われました。
私は、鳩山総理の隣に座っていましたが、首脳会談というのは両首脳自身が話を進めていくので、私以外の各大臣も含めて、特に出番があるわけではありません。
ただ、私の仕事として、鳩山総理の発言などで、もし正確でない誤解を招くようなことがあれば、そのときにちょっとアドバイスをするというのが私の役目だと思いますが、幸いにして今回もそういう必要はありませんでした。
ただ、時間だけは少し気になりましたので、50分ほど経ったところで「あと10分です。しかし、気候変動と核の問題について、まだ触れられていません」ということをメモで渡しました。
そこから、そういった問題について議論が始まり、結果的には1時間20分と少し時間をオーバーして、議論が終わりました。
会談が終わりまして、人数を少し絞って、双方で確か12人くらいだったかと思いますが、食事が始まりました。
総理の公邸を使っての食事会になったわけですが、そこでオバマさんが最初に持ち出したのは、子どもさんの話。総理に対して――総理のお子さんはモスクワにおられるわけですが――そういう話から切り出されて、非常にアットホームな感じで、そういう家族の話あり、あるいは選挙の話あり、スポーツの話あり、和気あいあいと会話は進んで行きました。その会話に、私も一部参加させていただいたわけです。
最後に、非常に印象深い出来事がありました。つまり、最後のデザートになって、抹茶アイスクリームが出ました。実は、これは鳩山総理のアイディアだったわけですが、その抹茶アイスクリームを見た瞬間オバマ大統領が、「これは、何だ。これはアイスクリームか」と聞いたわけです。
「そうだ」と総理が答えますと、大統領はそれを1口食べて、「自分は5歳のときに日本に来て鎌倉に行った。そのときに、この抹茶アイスクリームを食べたことを覚えている」と、こう言われました。
それから、鎌倉の大仏を見た話。それから、場所は分からないのですが、きれいな湖があって、そこで過ごしたことなどを言われました。おそらく芦ノ湖ではないかという話になったのですが、抹茶アイスクリームを見た瞬間、フラッシュバックのように、5歳のときの過去の様々な思い出が蘇ったという感じで、オバマさんは翌日のサントリーホールで行われた演説でもその話に触れたわけですが、なかなか味なことを総理もやられたなという感じです。
首脳会談というのは、もちろん様々な難しい問題について、ときには緊張感をはらみながらしっかりと議論するのが通例ですが、身近な抹茶アイスクリームなどが登場したりして、そういう人間的な側面もあるということを、今日はお話したかったわけです。
※ブログの動画版はこちら
抹茶アイスクリームの興味深いエピソードの公開は、岡田大臣ならではの有権者サービスだと思います。
しかし、普天間基地問題は4000億円とも1兆円とも言われる工事費に、さまざまな政治家が係わっていたので、解決は困難との見方もあります。コスト的には海兵隊のヘリコプター部隊の規模を縮小して嘉手納基地に移動させるのが一番国家負担が少ないように思います。
(http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10389626736.html)
基本的には、日本の防衛に沖縄の海兵隊は不要なので、全てグアム島に移転してもらうのが基本だと思います。
米軍の海兵隊は攻撃部隊ですから、もともと専守防衛の日本には馴染まない部隊です。
しかし、既に日米間での政府合意がある以上は、その履行が原則ですから、再調査によって大きな瑕疵が見つからなければ、キャンプシュワブの新基地案は尊重すべきかも知れません。
ただ、鳩山首相や小沢幹事長は沖縄での選挙を最優先して、結論を延ばしているように見えるので、岡田外務大臣は損な役割かもしれませんね。
まあ、オバマ大統領と中国首脳が「G2」だと言って友好を強調している現在、北朝鮮問題さえ解決すれば、本当に日本全国の米軍基地は不要になります。
日米安保条約の大幅改定も必要かもしれません。(21世紀に第二次大戦後のパラダイムはそぐわない。アメリカも本当は分かっているはず。)
なお、「中国とアメリカのG2で世界の問題は全て解決する」というような傲慢な姿勢を北京は見せたりしますが、「日本とアメリカのG2でアジアの平和を維持してきた」歴史を思い出すべきです。
中国とアメリカだけで解決する問題など世界にはありません。(テロ・内戦・独裁政権が拡大し、大不況が生じ、資源戦争が勃発し、環境破壊が世界で進む)
日本の貢献がなければ、世界の問題は何も解決しません。
(G20も早くも形骸化しつつある?)
そのためにも外務省改革や官邸改革が必要でしょう。
いずれにしても、オバマ大統領の送り迎えはお疲れさまでした。
投稿情報: 一国民 | 2009/11/17 16:43
普天間移設問題について 移設問題で移設が早急にしなければならない理由は、危険にさらされている宜野湾市民のためであり、米国政府の為ではない。性急に結論を出さないで欲しい。少なくとも1年は検証をじっくりして欲しい。県内だけでなく県外、海外も検証して欲しい。政権交代をした日本国民の代表として堂々とオバマ政権と交渉して欲しい。13年ももたついて1年は短いくらいだ。県内移設を希望しない伊波宜野湾市長にお願いすべきだ。さらにイラク、アフガニスタンに派兵される海兵隊は基地周辺犯罪が頻発していることも考慮して欲しい。そのために民主党を選んだ沖縄県民の民意を背景に自信をもって外交交渉をして欲しい。
投稿情報: 新垣宏 | 2009/11/17 20:39
わたしも、抹茶アイスには思い出が、あります。昔、共立に通っていた学生時代に、共立の近くの甘味処に抹茶アイスを食べた思い出が、忘れられられません。今でも梅園で、あんこを抹茶アイスに変えて、食べています。当時の事が走馬灯ごとく思い出され、懐かしさで心が、いっぱいになります。食べ物の懐かしい記憶を、今後も大切にしていきたいと、オバマ大統領のエピソードを、聞き思いました。
投稿情報: ハーモニー | 2009/11/17 21:38
”カラマーゾフの兄弟”最後の方で、人は子供のころの思い出を一生忘れない、大切な思い出はしっかり覚えておきましょう。そんな内容があったと思います。実際忘れていたことなのに、何かのきっかけで思い出すこともあり、人の深層心理という物なのでしょう。
”クリスマス・キャロル”では、子供の時に単純に喜んでいたことが、大人になると喜べなくなるとも書いてありました。人は豊かになることで何か大切な物を失くしてきているように思います。
投稿情報: baryon | 2009/11/18 07:13
抹茶アイスの色でオバマ大統領が5歳の時の懐かしい記憶を取り戻したという話は地球環境問題にとってすばらしいエピソードだ。
抹茶の緑こそ人類が最も大切にしなければならない自然環境、それに日米の首脳が力を合わせて,護ろうろうと意識した含蓄のある話である。この話を大いに世界に披露してください。
投稿情報: 梅田 卓 | 2009/11/18 09:36
岡田克也さま、スタッフの皆さま、こんばんは。
「APEC、オバマ大統領の来日、沖縄訪問」と激務の中、
欠かさずブログでメッセージを発信してくださって、本当に嬉しいです。
「抹茶アイスクリーム」美味しそう!
私も食べたくなってしまいました(笑)。
少しお痩せになった岡田さんも、たくさん甘いものを召し上がってみては如何でしょう??
頭脳労働には糖分、リラックスには甘いもの、です☆
沖縄のこと、密約のこと。
休日返上、年末年始も仕事の予定、かと想像します。
洋菓子や和菓子や果物を食べて、どうか息抜きをしてくださいね!かしこ。
投稿情報: 井上彩 | 2009/11/19 02:18
お疲れ様です。今が大変な時、少々お疲れのようですが頑張ってください。ところで辺野古への現行計画を前提で案と書かれていますが、本当ですか?これは駄目です。辺野古にはゼネコンの利権が渦巻き、現地にはお金は落ちません。時間をかけてでも、硫黄島への移設を提言すべきです。基地返還を目指すことが肝心なのになぜ今、米軍基地拡大を許可するのか分かりません。沖縄の美しい自然を壊すべきでもありません。密約とアフガン和平交渉を盾にしっかりと前進させてください。基地を新規に作ることは許されません。
お願いいたします。担保が密約とアフガンと二つもあるのですから。
投稿情報: ヨウ | 2009/11/19 08:12
今回の日米首脳会談におきましては、日米の緊密な同盟関係の確認ととともに、「気候変動交渉に関する日米共同メッセージ」および「核兵器のない世界に向けた日米共同ステートメント」を発表いただき、誠にありがとうございます。国民のひとりとして、心から感謝を申し上げます。
現地の報道によると、温暖化対策法提案者の一人である、JOHN KERRY上院議員は、仮に12月上旬の国連気候変動会議(COP15)までに上院で温暖化対策法が可決されなかった場合でも、アメリカが目指す方向性が明確となるような「アウトライン(基本方針)」の提示を上院で行うことにすると明言しています。
このため、来たるCOP15において、日本としては、アメリカ・EUと協力しつつ、国際合意の形成へ向け、中国、インドなど途上国に対し、働きかけを行うことが重要になると思われます。
その際、鍵となるのは、太陽光発電、風力発電、バイオフューエル等々、再生可能エネルギー分野における、国際的な技術協力・技術移転の約束だと思います。
たとえば、現在、アメリカは中国との間で、石炭火力発電により発生する温暖化ガスの回収・貯留技術(CCS)の、政府レベルおよび民間レベルでの開発協力を検討しています。
また、国際的な排出量取引は、市場メカニズムを通じ、世界全体として、もっとも効率的かつ低コストで、温暖化対策が進むことを可能とします。国際的な排出量取引は、途上国を始め、世界各国における温暖化対策を促進します。
今後、世界の再生可能エネルギー全体の裾野を広げると同時に、日本が先端分野を押さえることで、日本の再生可能エネルギー産業の持続的かつ中・長期的発展が可能になると思います。温暖化対策は、日本に持続的成長産業と雇用を生み出します。
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*「気候変動交渉に関する日米共同メッセージ」および「核兵器のない世界に向けた日米共同ステートメント」は、それぞれ次のURLで参照出来ます。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/president_0911/kiko_km.html
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/visit/president_0911/kaku_kst.html
*17日の米中首脳会談において、アメリカは中国との間で覚書を交わし、クリーン・エネルギー開発研究所の共同設立、電気自動車の普及促進、再生可能エネルギー分野における情報交換、石炭火力発電にともなう温暖化ガスの回収・貯留技術(CCS)の開発協力などを約束しました。
アメリカと中国との間のクリーン・エネルギーの技術協力についての覚書は、次のURLで参照出来ます。
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/us-china-clean-energy-announcements
投稿情報: BUSINESS LIBERALISM | 2009/11/19 11:21
オバマ大統領とのお食事会での素敵な雰囲気が直接伝わってくるお話でした。
メルマガのおかげで、岡田さんの先週の怒涛の(!)テレビ出演三本を見逃さず無事見ることができ、新連載されるという新聞のインタビュー形式の内容も読むことができました。
テレビやこうしたインタビューなどで、岡田さんが、何度も質問に対しお答えになられていることの一つが、岡田さんや鳩山さんなど日本の方々とオバマ政権との間にある「きちんとした信頼関係」や、雰囲気の良さについてです。
そうした嬉しい内容を、多くの人たちが実は最初から聞きたがっているのに、どうしたわけか、ヒステリックな程にネガティブな内容の報道や声が人々に暗い気分を与えます。
けれど、岡田さんが一つ一つ、テレビや新聞などで答えてくださっていることが、そうした状況を少しずつ打ち崩していってくれると信じています。とはいえ、ご多忙の限りのご様子に、ファンとしてはハラハラし通しですが、、。
投稿情報: レイ | 2009/11/23 02:54
毎日お疲れ様です。最近岡田さんの顔がげっそりとやせ細っているようで心配しております。心労が重なっているのではないでしょうか?新聞記事によれば英国ではイラク戦争の検証を行っているとの事。わが国では麻生政権時の異様な核外交問題が出てきました。
お疲れでしょうが、やはりこの件もすべて、自民党政権で行われた外交を精査しなければ前に進めません。この問題を国として検証し、国民の知る権利に配慮してください。よろしくお願いいたします。アフガン和平会議の成功をこころより祈願いたします。犬塚議員や秘書の方々のお骨折りに感謝しています。この成功により、撤退できる見通しをつけたオバマの支持率も上がり、その脚気米国との基地問題をはじめ安保条約見直しに進めること心より期待しております。ペシャワール会の緑の支援の拡大実施も無事に実施までいけますように。
投稿情報: ヨウ | 2009/11/24 16:53