今日は、地元の四日市港の話をしたいと思います。
実は、日本になかなか競争力があるコンテナ港がないことは、私がいつも申し上げてきたことです。例えば、シンガポールや釜山のコンテナヤードを見ると、日本の競争力のなさというのは歴然としていて、日本のコンテナのかなりの部分が釜山まで行って、そこをハブ(中継拠点)として世界に行っているという現実もあります。
そういう状況を打開するために、前原国土交通大臣が打ち出したのが、国際競争力のあるコンテナ港(ハイパー中枢港湾)を、全国に1つないし2つつくっていくということです。
その話が出たときに、私は、これは本当に四日市港としても思い切った決断をすべきだと考えました。つまり、規模の小さな四日市港と名古屋港が争って同じ客を取り合うのではなく、名古屋と四日市が一体になって、新しい「伊勢湾港」をつくっていく。そして、運営主体にはなるべく民間を入れて、両港を一体的に運営していく。こういう構想で行くべきだというのは、私の従来からの持論であり、もう10年ぐらい前から言っていることです。
今回、三重県側も野呂知事や田中四日市市長に同じ考え方に立っていただいて、名古屋港側と話し合いをし、今回1つの伊勢湾港として、国交省のハイパー中枢港の募集に応じました。
果たして、この伊勢湾港がハイパー中枢港に選ばれるには、多くの困難を乗り越えなければなりません。規模からしても、京浜港(東京・横浜・川崎)と阪神港(大阪・神戸)と比べると小さいわけです。
しかし、ものづくりの拠点である東海地方の港として、全国を代表するコンテナヤードにこれから成長していくことを是非強調したいし、認めていただきたいと思っています。
これから実際に(ハイパー中枢港選定の)6月に向けてどうなるかはわかりませんが、私としても懸命な努力をしたいと思います。
そして、この構想を議論していくなかで、河村名古屋市長とは何度も電話でやり取りをしました。河村さんは市長として非常に頑張っていますが、この港に対する考え方は私と全く同じで、いい連携プレーが出来たと思っています。
※ブログの動画版はこちら
聞いた話なので良く分かりませんが、横浜や東京の港の倉庫や機械などの施設は、30年前に作られたきりボロボロなのにそのままで、国は港湾の土地の高い許可料を取り続けて何の設備投資もせず放置しているとか、、。国を挙げて発展を目指して、土地代も無料にしていそうな韓国に勝てるわけがない!とのことでした。
現場の人たちからすると、怒り心頭らしく、それ以上聞けませんでしたが、日本の最も重要な港湾地域がそんな様子だなんて、かなり不安になることなのではないか、ということはハッキリ分かりました。
具体的に、何をどうすると国際競争力のある港になるのか、ということを私は良く知りませんが、少なくとも、このまま放っておいて機械や倉庫があと10年間維持されるとは思えませんし、そのままボロボロで維持しても欲しくないような、、。(古くなったコンテナに同時期に一斉にポコって穴が開いたりしたらどうするんですかね!?コンテナが国がどうにかすべき設備に入るものなのかも知りませんが)
国が港の土地の高いお金を無意味に取り続け、施設がボロボロのまま放置、、、ということが本当ならば、その図は、そのまま内実・外観共に錆び付ききった日本の寂しい近未来絵図のようで、そんな、数十年前によくイメージとしてあったような退廃的近未来絵図が、本当のものとして実現してしまうのは嫌だなあ、、、と思えることでした。
投稿情報: レイ | 2010/04/12 18:20
岡田克也さま、スタッフの皆さま。こんばんは。お疲れ様です。
東海地方に詳しくないのですが、愛知県は「セントレア」「地球博」で今も大変な思いをしているのではないでしょうか…
伊勢湾の港を連携させること、東海地方が活性化する弾みになれば素晴らしいですね。
そして、実現するには、かなりの慎重さも必要かと思いました。
輸出入は資源の乏しい島国である日本の要。
地域の方々に、納得と幸せが訪れる循環型の経済が成功することを祈ります。かしこ
投稿情報: 井上彩 | 2010/04/14 19:42
国家戦略無しに莫大な国の金を地方にばらまいてきた結果、港湾や空港において、韓国のプサンやインチョンにアジアのハブの座を奪われたことは誠に残念なことでした。 民主党政権になって国家戦略としてアジアのハブづくりの方向が出てきたのは(遅ればせながら)嬉しいことです。さて伊勢湾港のビジョンを実現するには、勿論 横浜(東京)と神戸(大阪)との競争になります。東京・大阪の中間点にあることが大きなメリットになれば良いですね。アジアのハブになるとともに伊勢湾を日本の中心とするには、少なくとも関東の西と関西の東もカバーしなければいけないです。元々自動車輸出の中心地であることを考えれば十分可能性があると思います。その為には国内(東京―名古屋―大阪)の輸送(主に高速道路)コストを大幅に下げる必要があります。何といっても大きな投資が必要になると思います。
現在のデフレ不況を克服するには一時的に公共投資を増やすことは止むを得ないと思いますが、問題はその使い道がちっとも将来の日本経済の発展に繋がらないものばかりであることでした。今回のハブ構想はアジアの中での日本の競争力を高めるものなので大変魅力があります。日本にとってリターンの大きい(儲かる)公共投資になると思います。ものづくりに拘った日本再生計画には限界があります。世界の生産拠点が流動化しているからです。今後の競争の中心は物では無く、“場所”だと思います。中国やインドの新しい膨大な富は必ず国外に安全な場所を求めます。その意味で物流や交通のハブをつくるのも大事だが、究極の目的は富が集まるハブを日本につくりあげることだと思います。 私が注目しているのは沖縄(日本、中国、台湾経済圏の富の中心地。キーワード=地理的条件、政治的安定、法の整備、防衛、欧米・アジアの文化の集合点)、札幌(インチョンに取って代わるアジアのハブ。欧州の入り口=気候・風土)です。本州の中心としては東京以外考えていませんでした。伊勢湾地区が東海道経済圏の物流の拠点から、富のハブとなるような構想があれば面白いと思います。(大阪経済が立ち直れば、海外企業がアジア本社を伊勢湾地区に置くといった流れも出てきましょう!?)
地域間で実りのある競争が起こってこそ、日本経済は立ち直ると思います。ドリームプロジェクトになることを期待しています。
投稿情報: y浦野 | 2010/04/15 12:15