中国の温家宝首相が来日し、鳩山総理との間で日中首脳会談を行いました。私も同席しましたが、非常に良い会談だったと思います。
前段・後段2つに分かれて、前段は少人数で韓国の哨戒艦の話――つまり、北朝鮮が魚雷によって沈没させたこと――について、両首脳間で意見交換を行いました。
これは、すでに報じられているように、日本政府と中国政府のスタンスは明らかに異なります。そういったことを前提にしてですが、温家宝首相の語ったことは、日本の考え方とは違いますが、1つの考え方をある程度説得力を持って示されたと思います。
いずれにしても、これから日中間あるいは韓中間で、この問題について、なるべく歩調を合わせることができるようにしていかなければなりません。
中身は申し上げられませんが、良い会談だったということは申し上げておきたいと思います。
そして、その後、各大臣にも入っていただいて、より大規模な首脳会談が行われました。この中で、外相会談などでこの間何度か取り上げてきた問題の1つは、中国製冷凍ギョーザ中毒事件をはじめとする、食の安全の問題です。日中間で新しい文書を交わすことで今回決着がつき、長妻厚生労働大臣が署名をされました。
そして、東シナ海のガス田開発の問題ですが、これは、首脳間での合意がありながら、課長レベルで前に進まないやり取りがずっと進まないなかで、最近局長レベルまで上がりましたが、中身的に進歩はなかったわけです。
私は、これを是非条約の話し合いにまで持って行くべきだと。つまり、「白樺」ガス田(中国名、春暁)については日本側の出資、そして、北部地域については、共同開発。そういったことを行うためには、日本と中国の間で文書を交わす必要があり、その交渉に入っていくべきだと主張し、今回、温家宝首相から、前向きな発言をいただいたと思います。
そして、中国海軍の演習に絡んだトラブルについても、そういったことが不測の事態に繋がらないように、そういったことに対して、これまでと違い、温家宝首相からいままでと比べれば一歩進んだ発言がありました。
その他、人の交流などについても、日本と一緒になって進めていこうということで、全体として非常に前向きで、物事を進めていこうという姿勢がはっきりと出た首脳会談だったと思います。
私は、いままで外相レベルでいろいろ議論してきたことが、具体的に中国側も決断し、また理解し、一歩進んで行くということは、非常に意味のあることだと思っています。
日中間には、2国間で解決しなければならない問題がまだまだありますが、そういうものを真摯に議論し、1つひとつ解決していくなかで、日中関係が将来に向かって更に深まっていくことが、可能になるのだと思います。
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今まで岡田外務大臣が、一つ一つ積み上げてこられたことが、それぞれ形になったのですね!
会談などで、「筋の通った」お話のされ方と、「筋の通った」一貫した態度をされてきた、岡田さんならではのご成功ですね。おめでとうございます!
岡田さんの、常に筋を通すというこのご姿勢は、本当に素晴らしい結果を常にもたらしますね。今さらですが、これが、「直球勝負」の力ってことなんですね、、。岡田さんの場合、直球とは言っても、剛球ではなく、そこはかとなく真正の純粋さが滲み出てしまって、そこがまた人の信頼を得るのではないか、、とファンとしては思います。
日中の交流なども、非常に大規模ですし、さらに日中間の関係もぐんと進んで行きそうですね!
投稿情報: レイ | 2010/06/02 02:40
最近いろいろな報道がありますが、結果として良い方向に向かっているのではないでしょうか。まだまだ荒波は続くでしょう、頑張ってください。
投稿情報: baryon | 2010/06/02 04:10
中国との問題は、どれほどあるのでしょうか?無知な私でも、かなり頭に浮かびます。
一番身近な食の安全ですが、やはりお店で売っているものでも、中国産は避けてしまいます。人が一度持った不信感って、なかなか消せないものです。
同じ気持ちを、中国の方達も持っているとしたら、2国が歩み寄るのは相当大変な事だと思います。
着実に、1歩1歩を大切に、お互い理解しあえる国同士になれたらすばらしいですね。
地道ではありますが、それこそが最も大切な外交だと思います。頑張ってください。
投稿情報: いいちこ | 2010/06/02 11:40
普天間の問題に関しても、岡田さんは、最初から同じ事を訴え続けていましたよね?岡田さんの意見は常に、全くブレが無く、とても信頼できます。
今日は民主党にとって、大きな局面を迎えた日となりましたが、どんな場面でも誠実で、ご自分の信念を貫いている岡田さんのような方に、次期総理になって欲しいと願っています。
これからも国民に希望を与え続けてください。応援しています。
投稿情報: makiyo.M | 2010/06/02 16:08
温家宝首相は日本で民主主義の厳しさを目の当たりにしたことになります。
独裁体制の中国とは異なり、民主主義国の日本では、いつでも首相(元首)が事実上解任されます。
民主主義国では主権者は有権者、国民です。
中国では共産党のエリートが事実上の主権者です。
毎年、総理が変わるのは日本の民主主義が世界で一番機能していることを意味します。
欧米の価値基準で判断すべきではありません。
しかし、選挙でキャスチングボードを持っているのは数パーセントの政治意識の高い無党派層の浮動票です。
どの選挙でも5%~10%の無党派層が動けば情勢は変わります。
去年は「辞任できなかった」麻生首相が自民党に壊滅的な敗北をもたらし、衆議院の3分の1、160人はとても当選させられませんでした。
今年は、無能でないことを証明して辞任できた鳩山首相のおかげで、民主党は参議院の改選で3分の1近くは確保できるでしょう。それでも大きな批判を受けたことになりますが。
独裁体制は楽だ。民主主義は厳しい。日本の民主主義は世界一、厳しい。1年間、いや8カ月でも首相を務めれば立派なものです。
まあ、鳩山首相はサミットに参加できなかった唯一の首相になりましたが、その分、岡田外務大臣が献身的に活動すべきでしょう。
投稿情報: 一国民 | 2010/06/03 23:27
中国との関係は本当に大切にしてほしいです。
北朝鮮問題を解決する最も近く最善の方法ではないでしょうか…米国と仲良くしても解決策がありません。
近くて遠い国だった中国。これからは近くて本当に仲のよい国にしたいですね。
投稿情報: 戸田和也 | 2010/06/05 10:32