週末(4月2日、3日)に、茨城県と福島県を視察してきました。いくつかのことを申し上げたいと思いますが、今回は、農産物の風評被害について、少しお話をしたいと思います。
私は、茨城県では、出荷停止が行われているほうれん草農家、そして、福島県では、出荷停止にはなっていないが風評被害を受けているトマト農家を訪ねました。
この現在の仕組みは、一定の基準(放射性物質の国の暫定規制値)に達した際に出荷停止がかかるもので、もう少し改善の余地があるだろうと強く感じました。
例えば、数字そのものは科学が出すものですから、その結果は尊重されなければいけないと思いますが、それは365日間一定量を取り続けた場合に一定の心配があるもので、それも例えば、レントゲンの検査やCTスキャンと比べたときに、それとかけ離れた数字ではなく、かなり安全を見た数字であることは、正しく認識される必要があると思います。
そして、いまは出荷停止も県単位でかけていますが、本当に基準値を超えた地域を限定して、その地域を出荷停止にすればいいのであり、広い茨城県や福島県にあって、一地域で基準値を超えたからといって、全体が出荷停止になるというのは、果たしてどこまで合理性があるのか。
解除についても同じです。一定の基準が満たされれば、迅速に解除をしていくことも重要なことだと思います。
加えて、大きな問題は風評被害です。例えば、福島県では、トマトやキュウリは出荷制限になっていません。「福島県産の農産物は問題がある」ということで、市場で売れないから出荷額が落ちたり、価格も半分以下に下がったりするということで、農家の皆さんは大変苦しんでおられます。
こういったことについて、政府も、そして政治のレベルでも、強く発信をしていかなければいけないと改めて感じたところです。
福島県いわき市の渡辺敬夫市長が「東京で、いわき産の農産物は安心・安全ですとアピールする場を作りたい」と言っておられました。
そういう地元の努力も必要ですが、同時に我々は、むしろそういう被災地を応援するという意味も込めて、被災地の農産物で基準値を超えていない安全なものについては、それを積極的に購入することが非常に大事なことではないか、それが被災地を元気にすることにもつながること、いろいろな噂に惑わされて、あまりにも過剰な、あるいは過激な行動に走っていないかということについて、冷静に考える必要があると思っています。
※本メルマガ作成後、枝野官房長官は、食品規制の設定・解除の対象区域を県単位から市町村単位に変更するなどの見直し策を発表しました。
◎4月4日午後 枝野官房長官記者会見
→ http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201104/4_p.html
※ブログの動画版はこちら
「風評被害というのは、正しい情報を伝えないことによって起こる」
その理由は、
「人間は自分の身を守ろうと考えるので情報が不完全な時は、
余計に不安になって慎重な行動になる」
つまり
「風評被害」というのは「悪いことでも異常なこともなく」、
情報が不足した時に起こる「正常な人間の社会活動」ということです。
だから、
風評被害をなくすには、一にも二人も人間が自分を守りたいという本能に適した
「正確な情報を提供する」ということです。
要するに
「風評」は情報操作などによって発生する正しい社会の反応なのです。
「危険な放射性物質」はヨウ素だけではく、
セシウム(同30年)、ストロンチウム(同30年)、プルトニウム(長い半減期)
さらに空気から、吸い込んだり着いたり、水、、野菜、魚など
これらすべてを足さなければ確実な汚染はわかりません。
政府の発表はそこが全て抜けたまま「ただちに影響はない」の繰り返しです。
だから「風評被害」が起きてしますのです。
もうすでに「風評」ではなく「事実」なのですよ。
気象庁が計算していた「福島原発からの風の動き」がやっと公表されるようになりました。
「風評被害」を無くすためにも全ての公開、公表を切に願います。
投稿情報: 20代女子 | 2011/04/06 02:54
茨城のこうなご漁を徹底的にやらせて下さい。全量を国で買い取って廃棄して下さい。
こうなごからも始まる海の汚染の食物連鎖を断ち切って下さい。
よろしくお願いします。
投稿情報: 50代男子 | 2011/04/06 12:31
国民が風評に踊らされずに慎重に行動すべきことは正しいことです。しかしながら政府の報道姿勢の正しさと風評の数とは反比例するものです。 政府首脳を含め関係者の方々が必死になって働いている時に、彼らに対する安易な批判は控えたいと思っています。
しかしながら風評被害をどの様に抑えるかは政府の技量に関わってくる問題だということは言わせてもらいます。原発に関する状況に関して果たして理想的な発表がされてきたのかどうかと言う点です。原発の事故自体が戦後長く続いた自民党体制の膿が出てきたものだと思いますし政府に対する国民の信用を大きくゆるがせるものです。但し民主党も政権をとって1年過ぎているのですから全く責任が無いとはいえません。否、大有りです。
しかも東電は過去に原発の事故隠しなどをしてきた歴史があるのです。ここでお上の言うことを何の疑問も無く聞いて従う行為が民主主義における個人主義の立場として正しいかというとそうではないと思います。個人だけでなく家庭の人々の健康を守るために用心をすることは全く正しい行動なのです。“ただちに健康に影響が無い。”という言葉は言い換えれば“長期的には健康に影響があるかもしれない。”と同義なのです。
多くの国民は福島県の原発周辺にいる方々に涙を流すほど同情しており、何とか助けたいという気持ちを持っています。但し、自分たちの健康に少しでもリスクのあることは避けたいとも考えているのです。政府が基準値を甘くしなかったのは正しい判断でした。緊急に求められるのは被害者(これは津波の被害者も含む)に対する補助金の支払い、野菜や
魚の販売の国家的援助です。私達は福島県産であっても基準値であることが“100%”
信用できるのであれば喜んで買います。(ところが今までの不当表示や検査もれなどの
歴史があるので怖いのです。)正直な表示が担保されれば、必ず売れます。そして不当な表示をする人間は厳罰に処すべきです。(今までの原発のごまかし事件でもびっくりするほど
罪が軽い。) 本当に安全さえ確保されれば“福島マーク”を喜んで買う国民は大勢います。後は知恵の問題でしょう。繰り返しますが風評被害というのは政府の信用と反比例するのです。それならば風評被害を減らすのは政府の仕事でしょう。
政府の報道については海外からは極めて厳しい批判を受けています。枝野官房長官を含め本当に必死に頑張ってこられたのに残念な思いで。多くの非難のうち、1/3は根拠の無い無責任な報道、1/3はやはり政府の対応が不十分だったところ(外国人に向けた英語の対応は極めてお粗末だった。少なくとも枝野さんと同じブリーフィングを事前に受けておくべきだった。これは担当の方の責任では無くシステムの問題。)そして残りの1/3は日本の報道に対してのスタンスの特殊性にあると考えています。ここはじっくり考える必要がある。海外のマスコミの突っ込みのするどさは(クラブ制度に甘えていた)日本のマスコミの比ではありません。例えば原発周辺の放射濃度を発表しても、その現象が遠隔地に与える影響を説明できないとまともな発表とはみなされません。 枝野さんの冷静な報道は賞賛に値しますがブログで紹介されたIAEAのレポートの件については、これこそが日本の国民が知りたい情報なのだと反論したい。現場の状況を正確に報告するも大切なことですが、それが(例えば)東京都民にとってどれだけの影響があり、そしてその後の見通しはどうなのかを極力具体的な数値で説明をする。今回ほど報道官の仕事が政府の戦略について極めて重要であることを思い知らされたことはありません。報道官の仕事は大変厳しく極めて戦略性を要求され政府の支持率にも大きな影響を与えるものだと思いますが、この重責が官房長官に任されているのですね。
投稿情報: Y浦野 | 2011/04/07 11:48
福島県のトマトを召し上がったと聞いて一瞬ギョッとしましたが、落ち着いて考えると、確かに今の時点で出来上がっている野菜はほぼ安全ですよね。怖がり過ぎてもダメで、怖がらなさ過ぎる(慣れすぎる)のもダメ、正しい怖がり方は難しいです。マスコミが「国民の知る権利」という言葉をやたらと振りかざすのも、どうかと思います。ド素人がいろいろな数値を聞いても途方に暮れるだけですから。
論理的に分析して判断していけば、そこから勇気が生まれるのかも知れませんが、頭ではわかっていてもこれを実行に移すのがなかなか…岡田さんはとても合理的で自制心が強い、本当に勇敢な方だと思いました。
投稿情報: 淳子 | 2011/04/08 23:59
いくら正しい情報があっても起こるのが風評被害だと思います。本当に対処の難しい問題だと思います。もちろん「啓蒙」に勤めながらも、耐え忍ぶ被害者に十分で迅速な補償が必要でしょう。ひとのうわさも七十五日と言います。野菜も魚もみんなに食べられるようになると信じます。
投稿情報: 赤木壮吉 | 2011/04/09 16:42
以前から民主等本部にはメールで提案しており、採用されているか否か不明ですが、被災地の産物でも市場に出回っている食品は完全に安全であり問題ないことを証明するには国会内の食堂・レストラン・他弁当屋さん等など全ての食材を被災地から取り寄せて国会議員・職員が食するのが一番効率的な方策であると思います。パーフォーマンスでなく継続して泰然と使い続けることです。是非そうして欲しい。
投稿情報: 鶴朗 | 2011/05/13 11:28