マニフェストをめぐる私の発言が、メディアでも取り上げられています。ただ、正確に報じられていない部分もあるので、改めて申し上げたいと思います。
私が先週木曜日(7月21日)の記者会見で、「マニフェストに掲げた政策の多くは実現している。しかし、実現していないものもある。実現していないものについて、なぜ実現していないのかを考えると、それはマニフェストの作成当時から、前提に置いた様々なことについて見通しが甘かった部分もある。そういったことについては、国民の皆さんにお詫びをする」と申し上げました。
そもそも、マニフェストは100%実現できるわけではありません。したがって、実現できていないことがあることは、ある意味ではやむを得ないことだと思います。
そして、事情が途中で変わって、経済状況が変わったり、大震災が発生したりしたことや、国会(参議院)において民主党が多数を失ったことも、マニフェスト実現の足かせになっていることも事実です。
しかし、やはり当初考えていたことが実現できていないことについては、我々も当然責任を感じており、そのことについては率直に申し上げたほうがいいと考えました。
むしろ、それが正直な政治であって、客観的に見て実現が困難になっているものも含めてすべてやりますと言うのは、私は、国民に対して失礼ではないかと思います。
ただ、メディアの中には、例えば、マニフェストの大幅な見直しをすると報じたものがあります。
マニフェストはそもそも選挙の前に提示をするもので、そして、次の選挙のときに、その間どれだけ実現できたかということも含めて評価されるのだと思います。
私は、それを途中で大きく変えると言っているのではなくて、最初に提示したマニフェストの中で、実現できないものについては、はっきりとそれを説明すべきだと言っているに過ぎません。
そして、もう1つは、マニフェストについて、実現できないのなら解散・総選挙をして、国民の信を問うべきだと書いたメディアもあります。これも全くおかしな話で、すべてできないということになれば、国民の皆さんに対して嘘をついたことになりますが、一部できないものがあるときに、それだけで解散・総選挙というのは、いかにも極端な「ためにする議論」だと思います。
いずれにしても、私は、国民の皆さん、有権者の皆さんに対して、なるべく正直でなければならないと思っていますので、そういう意味で、現状について申し上げたところです。
民主党のマニフェスト検証委員会で個別具体的に、何ができて何ができなかったかについては、いま検証していますし、そういうことも踏まえて、改めて党として、また、幹事長としての私の考え方をどこかで正式に申し上げたいと思います。今回申し上げたのは、そのエッセンスです。
そして、最後にもう一度、マニフェストに書いたことの多くは、すでに実現していることを改めて申し上げておきたいと思います。
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全くおっしゃる通りだと思います。そもそも目標は大きく掲げなければいけません。だれでもできることならわざわざマニフェストにしなくてもよいですし。100%実現しなくてはいけないのなら、ほとんどの企業や個人は(批判ばかりしているマスコミ社やコメンテーターも含めて)は倒産、破産しなければならないはず。
もちろん、震災や世界的な不況などを言い訳にせず、マニフェストの修正を行い、新たな道筋を示してくださることを期待しています。
投稿情報: Kenichi | 2011/07/25 21:10
マニフェストで実現できなかったことについて、岡田さんの国民に対して、お詫びをするという態度は、とても真摯的で誠実な立派な対応だと思いました。どれだけの政治家が、岡田さんのように国民と向き合い、国民に対して、謝ることができるのでしょうか。非を認めるものに対して、騒ぎたてるのではなく、もっと大人の対応をしていただけますよう、メディアの方々にもお願い申しあげます。
投稿情報: ハーモニー | 2011/07/25 21:26
私は正直政権交代となったマニフェストには違和感がありました。出来るのかな?財源は?等考え民主党に票を入れました。子供手当てだけは自民党の言う通り制限を付けて良いのでは?と考えています。未曾有の災害が起こってしまったのですから、減らすべき子供手当てを災害の財源に宛ててもかまわないと私は思います。解散総選挙なんかやってる場合ではないと思いますよ。
投稿情報: mg | 2011/07/25 22:24
拝啓、岡田先生。日々、多事多難なご様子で誠に御苦衷、お察し致します。マニュフェストに関する先生の御発言を非難する連中が民主党内にもいることには呆れました。鳩山、小沢両氏のグループも発言の撤回要求し、また、自民党総裁は「ならば解散、総選挙だ」などと政局の具にしております。岡田先生のめざされているものは震災、原発の災禍からの一日も早い復興であることは明白であるにも関わらず、それが解らないどころか政争の具にする議員達は一体、ほんとに被災地の方々や日本国民のことを考えているのか?とつくづく憂慮してしまいます。あれほど、岡田先生が御苦労して、野党との接点を生み出すべく努力されておられることが、民主党、自民党、公明党には理解出来ないのでしょうか?
今は、政局で争っている場合ではありません。挙国一致で復興政策に取り組む時です。
国民は、あるいは歴史の審判は、必ずや岡田先生の誠実な態度を評価するものと思っております。どうか、様々な御苦労は多いかと思いますが日本の政治を、全うなものに戻す為にも御尽力、御自愛下さいませ。 敬具。
投稿情報: 西川くん | 2011/07/26 16:07
「マニフェストの達成度を検証して、実現できていないものについては謝罪し、なぜできなかったか説明する」ということですね。幹事長は当たり前のことをおっしゃっていると思います。マスコミがマニフェストの大幅見直しをすると報じた理由がわかりません。
さらに不思議なのは民主党内にもマニフェスト見直しをすると思い込んでいるらしい人たちがいて、騒いでいることです。報道に踊らされているのでしょうが、国民が民主党に失望しているのは彼らの軽挙妄動に責任があることを自覚してほしいものです。
自民党がまたしても「バラマキ4Kを撤回せよ」などといいがかりをつけているのにもうんざりいたします。
子ども手当てにしても、所得制限の導入を主張していますが、年少扶養控除を廃止したのですから実質的には所得制限をしていると同じことになるわけですのに、そんなことも理解できないのでしょうか。
子ども手当ては「社会全体で次の世代を育てる」という理念に基づくものです。生活の苦しい人に恩恵を与えるためではありません(それには別に貧困対策をしているわけです)。親の所得が多ければ、それだけ多く税金を取ればいいのです。年少扶養控除を廃止したのはそうした意味があるのです(個人的にはそれだけでなく、累進課税をより強化すべきだと考えています)。
ですから一千万以上の所得のある世帯にも減額しないほうがより良かったと思いますが、国難の今はやむを得ないのかもしれません。
自民党は児童手当を復活させたいのかもしれませんが、それでは損をする人が増えます。年少扶養控除も復活となりますから所得の多い世帯ほど有利になり、税収も減ります。これこそバラマキ以外のなにものでもありません。国の財政は厳しく、震災からの復興にも財源が必要となり、消費税の税率引き上げも検討されている現状を理解していない者の愚策と申せましょう。
民主党政権には人を大切にする政策を実行していただきたいのです。マニフェストはそのための手段であるはずです。情勢の変化に応じていくらかの変更があってもそれは当然です。二年前のマニフェストを一字一句守るより、その精神を生かすことがより大事なのではないでしょうか。
幹事長はじめ民主党のみなさんのご活躍を願っております。
投稿情報: さんぴん茶 | 2011/07/26 18:04
初めてコメントさせていただきます。
素朴な疑問ですが、何か一つでもマニフェストで実現したものがありましたでしょうか。
「マニフェストの多くは実現したが」に大変違和感を覚えます。
ご回答いただければ幸いです。
投稿情報: 通りすがり | 2011/07/26 20:33
「検証」という言葉が理解されずに、「検討」と勘違いされるためか、短絡的にそれを「変更決定」と取られてしまうパターンは以前にもありましたが、やっぱり今回も同じようにそうなってしまいましたね、、。
しかし、マニフェストの検証は、震災が起こってしまったので遅れてしまいましたが、ずいぶん前に岡田さんからも発表があったのにも関わらず、そうした反応を今起こすというのもまた、、動くリズムやネジの狂った、壊れる寸前のガタガタの乗り物のおもちゃか何かのような気もしてしまいました。
投稿情報: レイ | 2011/07/28 16:05
自民党が与党だった頃、「公約」という言葉があったのを憶えています。選挙になるとフッと出てきて、選挙が終わるとフッと消える。当時は、政治家の公約なんか誰も信じませんでした。呼び名は「マニフェスト」と変わりましたが、それが今やこんなに重要視されるなんて、隔世の感を禁じえません。
「根っこを変えずに」手直しするのは、ごく自然なことだと思います。別にマニフェストでなくても、会社の営業方針とか、家計のやりくりとか、当たり前のように行われていますよね。それに反対意見が出ることが、不思議で仕方ありません。生意気な言い方かも知れませんが、国が弾力的に動くのはとても良いことだと思います。
投稿情報: 淳子 | 2011/07/29 00:35
岡田幹事長様がマニフェストに関して発言された事、非常に真摯的でよかったと感じました。
政権が自民党にあった時は、具体的な部分は自民党しか分からず、政権交代時にいろいろ分かった事も多々あると思います。しかも、私たち民間人から見てみると、政権交代時に自民党から民主党に引き継ぎが十分あっていいものだと思いますが、それも十分でなかったと見られました。
そんな中でマニフェストを全て実行する事は難しいでしょう。
必要なのは、常に日本にとって必要なことを実行して欲しいということです。
前首相が言っているような「マニフェスト命」ではありません。
現実を認めつつ、目の前の、また、その先の未来について真剣に検討し、実行していって欲しいと思います。
岡田幹事長様のご活躍をお祈りしております。
投稿情報: Ayu | 2011/07/30 21:19
子供手当て廃止に大反対です。被災地の復興を盾に民主党の看板政策を廃止させる自民党・公明党のやり方は卑劣です。理念を捨てて自公の協力を得るくらいなら、赤字国債の発行をあきらめた方が筋が通ります。東北が復興しなくても日本は衰退しませんが、少子化に歯止めをかけなければ間違いなく日本は衰退します。
投稿情報: パパ | 2011/08/04 02:05