週末(7月29日)に東日本大震災の復興基本方針が決まりました。新聞やテレビなどでご承知の方も多いと思います。
この方針を作るにあたって、党内では平場(全議員対象の会議)でかなり議論がなされました。特に財源をめぐって、木、金曜日(28、29日)にそれぞれ2時間以上にわたる議論を行いました。
出席者は50名ほどで、限られた人々でした。その中では賛成論は5、6人いましたが、それ以外の多くの人が意見を言われました。
問題となったのは全体のところでした。最初の5年間の集中的な復興期間の中で13兆円のお金が必要であり、それを当初案では、「3兆円は資産売却などの税外収入を中心に賄い、10兆円については増税をする。増税は、基幹税を中心に考える。そして、期間で言うと、その5年間の増税で賄ってしまう」という考え方でした。
それに対して強い異論が出ました。特に、「増税」を明示することに対して意見が出て、「税制上の措置」という表現に変わりました。実質的にはあまり変化がないと思います。
あとは、10兆円ということではなく、13兆円の中で資産売却等をもっと大胆にやれば、増税はそれほど必要ないのではという議論でした。
私は、資産売却については、もっと大胆に切り込んでいくべきだという考え方には賛成です。先日も衆議院で、いまは使われていない高輪議員宿舎は、一旦売却することが決まっていましたが、よく確認すると手続きが進んでいませんでした。
そういった進んでいない手続きなども含めて、この際しっかりやるべきですし、しっかりやったうえで、3兆円ではなく、4兆円、5兆円と出てくれば、その分増税は少なくてすむので、そういったことは、いままで党内で様々議論を重ねてきていますが、さらにしっかりとやらなければいけないと思います。
ただ、増税は必要ないという議論の中で、例えば、日銀がすべて国債を引き受ければいいという議論もありました。しかし、そういった議論には私は到底賛成できないわけで、やはり、そこは節度を持って考えなければいけないと思います。
議論の場で私が議員の皆さんに申し上げたことは2つです。1つは、財政に対する規律の問題です。いま、アメリカのデフォルト(債務不履行)の問題が議論され、ドル売りが行われています。これは解決の方向に向かっていますが、国債をこれ以上増やして借金を重ねていくことが、どこかで大きな変化を招いて、金利が上がり国債が暴落し、円売りが大量に行われることは、現実にあり得るリスクだと考えなければいけないと思います。
もし金利が上がれば、いま、ゼロに近い金利の中でも多額の国債費(過去の借金の元利返済)を払っているので、これが例えば10%や20%の金利になれば、それだけで日本は完全に財政破綻してしまうことは、考えておかなればいけない問題だと思います。
もう1つ私が申し上げたことは、与党議員の責任ということです。我々は、現実に国の財政を預かっているわけで、増税をなるべく避けることは大事なことではありますが、現実に可能な範囲でいろいろなことをやって、それでも足らざるときは、増税を国民の皆さんにきちんと説明してお願いをすることが、与党議員としての責任だと思います。
そういったことについて、改めて考えなければならないという思いを強くしたところです。
いずれにしても、これから8月いっぱいにかけて、政府税制調査会でも増税の議論が行われます。党としては、増税以外でどれくらいの金額が出せるかを真剣に議論していかなければならないと思います。
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岡田幹事長毎日ご苦労様です。本日の自民党の発言は誠に憤慨致しました。幹事長に発言する言葉ではありませんが総理が本気でエネルギ-法案を考えているのであれば、自民党時代の小泉さんみたいに電力自由化を柱に解散総選挙をやられても民主党は勝つと思います。自民党のマニフェストは解りませんが…冷静にかつ情熱を胸に頑張って頂きたいです。!
投稿情報: mg | 2011/08/01 22:02
「増税をなるべく避けることは大事なことだが、現実に可能な範囲でいろいろなことをやって、それでも足らざるときは、増税を国民の皆さんにきちんと説明してお願いをすることが、与党議員としての責任」というのは当然の話です。ただ与党議員の中にも「増税をする必要は全くない」と主張している人がそれなりに存在し、その人たちの話をよく聞いてみると、打ち出の小槌で叩けば財源はまだ出てくるというような、およそ現実味のない話をしています。たしかに少し前までは「とにかく貯蓄は大事だ」という世論が大勢でした。でも現在は「単に個人資産を多く持つよりも、社会福祉の充実の方が大事だ」という世論に変化してきています。加えて大震災の発生です。増税について議論しない方が不自然なはずです。
もちろん多様な意見が出ることに反対するつもりはありません。ただし「増税反対」と主張する人の中身を見ると、「増税をにおわすと選挙で勝てない」という意見がほとんどです。でも有権者はそこまで愚かですかね? むしろ「〇〇の目的のために、□□税と△△税をこの程度上げるつもりです」と丁寧に説明した方が効果的だと思うのですが。
岡田さんのおっしゃることは至極まっとうだと思います。それに反対する与党議員はきちんと財源の根拠を示して、「およそX年後までは現在の税体系を維持して大丈夫」と表明していただきたいと思います。
投稿情報: reikin | 2011/08/01 23:45
アメリカのデフォルト問題について、上限引き上げ法案が可決した後、再び円は高騰し76.30円/ドルをつけました。これは「長期ではまだ円高傾向が続く」と見たほうが良いと感じます。
なぜ、円高に苦しんでいる最中に円安の心配をしているのでしょうか。
また、金利上昇局面に陥るとしたら、同時に円安も進み外貨準備は黒字に転換します。なにより破綻シナリオは日本の国債を海外が大量保有することが条件で、その条件を満たすとき、同時にさらなる円高に進みます。
逆に今、円高放置して増税すると産業の空洞化に拍車をかけます。空洞化した後にやってくる円安には対処がありません。
政府がすべきことは、教育や少子化対策、産業の保護と育成です。円高の今のうちに強い経済基盤を作れば、円安局面で輸出産業が活躍してくれます。
GDP比の債務割合という言葉に惑わされてはいけません。
投稿情報: 高砂 | 2011/08/02 01:55
増税する前に税金の無駄使いを徹底的に無くす事が重要だと思います。まだまだ税金が無駄に使われてるところが沢山あると思います。それができない限り国民は増税に納得しないと思います。
投稿情報: 溝口 | 2011/08/02 15:12
増税については、わたくしはすべて反対ではありません。反対している議員は次の選挙を心配しているのでしょうが、大抵の国民は彼らほど短絡的ではなくて、それなりの思慮分別を持っています。
国の財政は厳しく、震災からの復興にもお金がかかることは誰しもわかっています。
資産売却、無駄の削減、いわゆる埋蔵金の掘り起こし等、大いにやるべきですが、それもいつか必ず尽きるのです。したがって増税が必要になるわけですが、所得税の累進課税強化や法人税でまかなうべきだと考えています。
消費税は所得の少ない人ほど負担が重くなるので賛成できません。
幹事長がこちらに書いておられるような丁寧なご説明をいただいたなら、国民の多くは納得することでしょう。良い政策を実行していただけるように願っています。
投稿情報: さんぴん茶 | 2011/08/02 17:37