TPP(環太平洋パートナーシップ協定)をめぐる党の経済連携PT(プロジェクトチーム)の提言が、鉢呂座長のもとでようやくまとまりました。
長い総会における平場(PT総会)での議論、そしてPT役員会での議論を通じて、いったんは一昨日(8日)の役員会で全員一致の意見をまとめたのですが、昨日(9日)総会にかけたところ、さらに様々な意見が出て、最終的に役員会でもう一度文章の打ち直しを行って、総会で決まったものです。
内容的にはすでに新聞等で報道されていますが、特にTPPへの参加の問題について、まず、交渉参加の是非の判断に際しては、「政府は、懸念事項に対する事実確認と国民への十分な情報提供を行い、同時に幅広い国民議論を行うことが必要である」。
「APEC時の交渉参加表明については、党PTの議論では、『時期尚早・表明すべきではない』と『表明すべき』との両論あった」が、前者の立場、つまり、時期尚早であり表明すべきではないという発言が多かった。ただし、様々な意見については、それを参考資料として添付をする。
「したがって、政府には、以上のことを十分に踏まえた上で、慎重に判断することを提言するものである」――。こういった結論になりました。
この文章をどう読むかというのは、いろいろな解釈があるかと思いますが、まとめた本人である役員の1人であった私としては、この文章そのままに読んでいただくということにしたいと思います。
私自身は、この文章の解釈をいろいろ述べるということをすべきではない、役員会で、そして総会で合意されたのはこの文章ですから、この文章をそのまま読んでいただき、それをどう解釈するかということはそれぞれの人に委ねられるということだと思います。役員である私が、自分の解釈を言うべきではないと思っています。
あとは、今日の夕方と言われていますが、総理がこの提言を受けて閣僚間で議論を行い、そして、最終的にこのAPEC時でのハワイでの交渉参加表明を行うのか、行わないのか、そのことは総理が最終的に熟慮してお決めになることだと思っています。(注:本ブログ記事投稿後に、総理会見は延期となりました。)
私はどちらの結論になろうとも、それをしっかり受け止めたいと考えています。
この問題はいずれにしても、日本にとってはこれから様々な議論を尽くしていかなければならない問題です。同時に、仮にTPPに参加をする、交渉に参加をするということになれば、日本の農業をどうしていくのかということが議論されなければなりません。
関税を例外なくやめるという考え方について、果たして例外はないのかどうなのか、そして例外がないとなったときに、それを補う直接支払制度をどのような制度にして、日本の米作りを守っていくのか、あるいは米以外の農産物について、どういう仕組みの中で自給率を向上させて、より強い農業を作っていくのか、ということがしっかり議論されなければならないと思います。
前にも申し上げたのですが、いずれにしろ日本の農業はもう待ったなしの状況です。日本の農業をこれからどうやってしっかりと支えていくのかを、議論していかなければならないと思っています。
非常に長い議論で私もやや疲労感はありますが、最後は全会一致で、あの難しい総会、厳しい議論があったなかで決まったということは素晴らしかったと思います。
※民主党の経済連携PTの提言は、下記URLからダウンロード出来ます。
http://www.dpj.or.jp/download/5351.pdf (PDFファイル)
※ブログの動画版はこちら
日本の農業はもう待ったなしの状況・・と言われますが、どういうことかを詳しく説明して欲しいものです。
食糧調達は各国各様ですが、自給と品質に対する根本的な理念次第で、農に関する対応が大違いでしょうね。
農業は社会的・文化的・環境的な特性をも備えており、経済上の損益計算では計り切れない存在価値を有していることを十分に検討されてますか?。
投稿情報: HY | 2011/11/11 07:29
すばらしい!野田首相の判断
党内外の調整は大変だと思いますが、総選挙も辞さないという態度で応援お願いします。ちょっと過激でしたが、10日の発表が無くなり30年後の日本を考えて過ごした後なのでとても嬉しいです。
投稿情報: baryon | 2011/11/12 06:42
TPP参加ならば、確かに個々の課題への対応策の問題になりますね。データを出し合っての真剣な討議を期待しています。
投稿情報: 自主研 | 2011/11/14 10:14
交渉事ですから、メリットもあればデメリットもあるのが当然でしょう。交渉人に健闘していただくしか我々国民には術がありません。
問題は彼らを国民が信頼していないという事に尽きると思います。
小泉竹中路線なんて、お前ら誰のために仕事してるねんと言いたくなるね。
投稿情報: 売国奴 | 2011/11/19 15:03
個人的な意見であることを前もってお断りいたします。TPP参加には賛成です。理由は現在の関税のあり方に納得できない面が多々あるからです。理想を言わせていただければ、TPPに参加し関税を撤廃し、日本で輸入する会社のカテゴリィによって、税金を付加する事が必要かと思います。たとえば、農産物であれば、農産物を国内で生産している企業しか無税で輸入できない(輸入枠が必要)。このことにより農業の企業化を進める事も必要でしょう。まとめると、輸入する物が何かで関税をかけるより、輸入する者がだれかで、税を付加する事が、今後の日本のためではないかと思います。
投稿情報: KOTO | 2012/02/07 09:00