いま復興予算について、いろいろな問題があるのではないかという指摘が、メディアによってなされ、今日も参議院の決算委員会に私も呼ばれて、答弁を若干しました。
この問題は、議論にやや混乱が見られます。メディアもつまみ食いで報じているところもありますので、改めて私から申し上げたいと思います。
まず、被災地以外のところにいろいろ予算が使われていること自身が何か問題かというと、それは法律上、被災地以外についても使うということが明記されているわけです。
この問題は、議論にやや混乱が見られます。メディアもつまみ食いで報じているところもありますので、改めて私から申し上げたいと思います。
まず、被災地以外のところにいろいろ予算が使われていること自身が何か問題かというと、それは法律上、被災地以外についても使うということが明記されているわけです。
つまり、今回の東日本大震災の大きな被害を経験し、いわば予防的に全国の防災体制の強化をする。あるいは、東海・東南海・南海の大規模な地震も想定されるなかで、そういった防災体制をしっかりするために、この特別会計の予算を使うということは法律(東日本大震災復興基本法)に明記されました。
もっと言いますと、本来の政府が出した法案では、今回の大震災の被災地だけに使うということだったわけですが、より基本法的性格を強めて全国的に使えるということになったのは、与野党で協議した結果、野党の皆さんの意見も入れてそうなったということです。
つまり、法律はそうなっていますから、被災地以外に予算を使うことについて、それが違法であるということではありません。
ただ、2番目の問題として、どのぐらいの配分で被災地と被災地以外の全国防災に予算を振り向けるべきか。全国防災については、当初は19兆円の内の1兆円程度ということになっていたわけですが、やはり全体の予算も19兆円を超える勢いですから、そういうなかで、より重視すべきはやはり私は被災地のために使うということだと思います。
ここについて、しっかりと議論を行って、全国防災をどう位置付けていくか。こういうものは、基本的には一般会計でやるべきではないかと私は思うわけですが、そういったところについてのきちんとした線引きが必要だと思います。
にもかかわらず、およそ震災とは関係なさそうな事業、あるいは従来は一般会計で行われてきた事業、それがこの特別会計の中で一部行われていることも事実です。それが大きなかたまりかどうかということは、必ずしもそういうことではありませんが、含まれていることは事実ですから、そこはしっかり精査をして、そういう使われ方がされないようにチェックをしていかなければいけないと思います。
行政刷新会議でも、11月の半ばに、外部の有識者も入れて、新しい仕分け「新仕分け」を行おうと思っています。その中の大きな柱として、この復興予算も取り上げて、明らかに法の趣旨に反するものについては、なぜそういうものが認められたのか、そして、そういったことが来年度予算の中に紛れ込まないように、しっかりチェックをしていく必要があると考えています。
いずれにしても、被災地以外に使われているものが、全部違法であるとか問題があるというのは明らかに行き過ぎで、全国防災についても、法律上、現時点では認められていますので、そのこと自身が問題というよりは、その中でも説明できないような問題のある使われ方に、スポットライトを当てるべきだと考えています。
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国務大臣各位が省益を代表する,旧来の,言わば“自民党型”の内閣から,民主党が目指していた「政治主導」の内閣への転換も,やはり一朝一夕にはいかない,ということなのでしょうね。これを好機と捉え,各位が“査定大臣”という自覚を持つようになれば良い,と思います。
信頼の回復に向け,政府与党が一丸となって,地道に取り組んでほしいものです。
投稿情報: 山口昌史 | 2012/10/18 22:19
仰るとおり「基本的には一般会計」というのが筋です。
にも関わらず何やら言い訳がましいですね。
どう観ても誤魔化しの火事場泥棒でしょう。
実に姑息、犯罪的でさえあります。
そっくり被災地へその額を渡したら早急で計り知れない復興が期待されますね。
投稿情報: HY | 2012/10/18 23:15
復興予算の流用が再起を図っている被災者の方々を、予算がないということで援助を受けられないで途方に暮れている被災者の方々をどれほど傷つけ、国民を失望させているか、あなたも理解できないのでしょうか。あなたは誠実で、有能な政治家と思っていたのですが。残念です。
投稿情報: mrkuh | 2012/10/19 07:52
岡田さん、おはようございます
復興予算に関して、
被災地だけではなく、被災地以外の事業でも使われているということで、
驚かれている方々が大勢いらっしゃると思います
被災されて、今も苦しんでいらっしゃる方々の生活を安定させて頂けたらと願っていますし、
ブログにあったように、
復興予算のあり方、事業内容に関するチェック、予算配分について等、
しっかり議論して頂けたらと思います
そして国民の皆さんにもお伝えすることや、
理解されるようにしていくことも大事なことではないかと思うのですが、どうでしょうか?
今回、問題点が出てきたことによって、
より良い対策がとられる機会になると思いますし、
これから、その他いろいろな事柄において、
取り入れられるような部分も出てくるのでは、と思っています
投稿情報: naomi | 2012/10/20 06:25
行政刷新会議では法的効力がなく、過去の事業仕分けを見ても事業が廃止されることはほぼないではないですか?
行政機関での事業仕分けでは、効果的な措置が行えないのですから、国会の下に設置した第3者機関の事業仕分けを行ったほうが良いのではないかと思います。
福島原発事故での国会事故調査委員会と同じ方式を要望します。
投稿情報: morito | 2012/10/20 17:02
行政不服審査法改正の目途がつかない現在、行政刷新会議の新仕分けは非常に重要な役割を担っていると考えています。透明性の高い情報公開・個人情報審査会の答申においても、当該法令以外の重要な問題が放置されている事例(例えば、平成21年度(独情)答申第45号で行政文書が破棄されている問題など)が散見されますが、こういう問題も議論に上げるべきではないでしょうか?最終的には無駄な予算の削減が目的ですが、数多くのおかしな事例を公表するだけでも行政の自浄作用を促すのではないでしょうか?問題の数に比べ期間が短いような気がしますが、震災復興予算に限らずさまざまな問題について議論して頂くように期待致します。
投稿情報: HKY | 2012/10/25 02:06