先日、ボスニア・ヘルツェゴビナのアルカライ外務大臣——日本にお呼びしているわけですが——と夕食を共にする機会がありました。
ボスニア・ヘルツェゴビナというのは、旧ユーゴスラビアの分裂によって生まれた国の1つです。私は、随分前ですが、ちょうどNATOが空爆した直後にセルビア、そしてコソボ——ここが民族紛争の虐殺の現場の1つとなったわけですが——を訪れましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナには、いままで行ったことはありませんでした。
まさしく、3つないし4つの宗教——つまり、セルビア正教とカトリック、そしてムスリム(イスラム教)——が宗教観の対立で、つい最近まで隣同士で生活していた人たちが、殺し合いを行ったという悲惨な経験をした国です。
皆さんも、冬季オリンピックでサラエボという街を覚えておられる方もいらっしゃるかと思いますが、あの美しかった街もその内戦でガタガタになり、陸上競技のメインスタジアムは一時的に、亡くなった人たちの墓場になり、墓標になったことをご記憶の方もいらっしゃるかと思います。
そういう極めて悲惨な体験をした国で、私も最近初めて知ったのですが、大統領も輪番制で、3つの宗教を代表する3つのグループが1人ずつ出し、3人が8カ月ごとに大統領を務めるという状況にあります。
しかし、最近になって経済的にもかなり立ち直りを見せ、ボスニア・ヘルツェゴビナとしては、EUやNATOへの早期加盟を求めています。
日本も、このボスニア・ヘルツェゴビナに対しては、国を再建するにあたって、様々な意味で支援をしてきました。東ヨーロッパということで、少し日本からは遠いのですが、そういう中で、ある意味手が汚れていない日本が、国の再建を支援する一翼を担ってきたということです。
皆さんも日頃あまり耳にすることのない国かもしれませんが、日本も出来る限りしっかりと応援していきたい。そして、あの悲劇を乗り越えて頑張ってもらいたい。そう感じた夕食会でした。
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岡田さん、外務大臣としてのお忙しい毎日の中、こうして諸外国の現状を紹介してくださってありがとうございます。
民主党の威勢のよかった議員の皆さんの中には、大臣や副大臣になられて、言を慎むというか、はっきり自分の考えを述べられなくなった方もいらっしゃいます。わたしは、「これはわたしの考えですが」と、野党時代と変わらずご自分の考えを述べられる岡田さんを、支持します。
批判や論争をあらかじめ封じ込めるのではなく、自分の考えを述べて、反響を受けとめ、よりよい政策へと止揚していける方こそが、大臣にふさわしいと思います。応援しています。
旧ユーゴから分離したスロベニアに友人がいます。彼は他民族が融合していたユーゴ時代をしきりに懐かしがっています。でも、もう後戻りはできないでしょう。分離独立した国々の個性や発展に、これからも注目していきたいです。
投稿情報: スタッカート | 2009/10/26 07:13
国連では緒方貞子さんが旧ユーゴ紛争に相当熱心に係わり、その著書でも触れているようです。
この事件に関心のある日本国民も多いようです。
(http://ihope.jp/2009/09/24131224.html)
ミロシェビッチ元大統領がオランダで国際裁判中に病死したことも一時関係者では大きな話題になりました。
共産主義・社会主義で多民族・多宗教の人々が1つにまとめられていたのが、ソ連の崩壊でそのタガが外れて、抑圧されていたエゴが噴き出して悲惨な内戦・分裂になりました。
結局、米軍を中心とするNATOの軍事介入で事態は収拾したわけですが、これは非常に複雑な現代世界の状況を象徴しました。
そして、アルカイダもバルカン半島のイスラム教徒と関係し、2000年代のテロ戦争へとつながっていきました。
軍事力で一気に解決しようというアメリカとは一線を画して、平和的なアプローチで世界の紛争の解決に貢献したいものです。
特に、日本はユニークな仏教国ですから、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教各派が対立する世界にも受け入れられやすい。
まあ、中国も非宗教的社会主義国ですから抵抗なく世界の各国に進出して、資源を押さえようとしていますから、中国への警戒も必要でしょう(スーダンの例)。
日本の外務省にも人道・人権外交局などの新組織が必要ではないでしょうか。
また、ユダヤ教徒、イスラム教の人も外務省で職員として採用すべきでしょう。
投稿情報: 一国民 | 2009/10/26 12:59
東欧は紛争の火薬庫と、かつて聞いたことがあります。
国は違いますが、チェコの金メダルチャフラフスカという名の体操選手の演技は、美しかったと子供心に覚えています。
この方が、日本で買い物する写真を見たのですが、毛糸の日本ではさほど珍しくもない手袋を、熱心にチャフフスカさんが選んでいる写真を見て、チェコという国が、当時はあまり物資が豊かでないのではないかと、想像したものです。
セルビア聖教というのも、あるのですね。
ロシア正教とギリシャ正教は聞いたことがありますが。
最後に岡田大臣の活躍
http://www.asyura2.com/09/senkyo73/msg/671.html
http://www.asyura2.com/09/lunchbreak29/msg/487.html
外交官は、お手当てもらいすぎ。
夫人手当て月15万、子供手当て、最高14万4千円は、多すぎます。
このような無駄は、ドンドン省いてくださることを、期待します。
投稿情報: 地球人 | 2009/10/27 12:55
岡田外務大臣の動画によるメールマガジンを購読してまだ浅いのですが
バルカン半島の旧ユーゴースラビアから分離独立した国々に関してはメデイアを通して宗教の違い、民族の違いにより日本人の私たちには理解を超える対立ー虐殺、ジェノサイドが起こりきのどくだなとこのような悲惨な状況が二度と繰り返されないようにと第三者的には思っておりましたがこうしてお話を伺うと私なりに今一度ざっとですが旧ユーゴーに関するものに目を通してみました。
宗教や民族の違いはこれほどまでに対立を生んでしまうのは悲しい限りです!
なんとか自分たちと違うもののの存在を認める理性を失わないようにと思います。
これは私たちにも言えることで一人一人努力しなければと思います。岡田外務大臣のお話を伺っておりますと勉強しなければと思うことが多々有ります!今後も楽しみにおります。お体には気をつけてご活躍を祈っております。繰り返しになりますがが今後のお話を楽しみにしております。
投稿情報: 楽友 | 2009/11/02 02:20
旧ユーゴスラビアの戦争が始った時は、本当に心が痛みました。70年代に働いたアトリエの仲間にユーゴからの出稼ぎ労働者が多く居ました。そして彼らは仏で稼いで、故郷に家を建てて居ました。其の頃、夏休みの帰省から戻ると良く建て掛けの家だと言って、写真を見せられました。それは平地に四角く囲った、低いブロックが映って居るだけでした。3匹の子豚の末っ子のレンガの家の様に、このブロックの囲みが家として完成するのは何時の事だろう~と気の長い話に、2~3ヶ月で家の建つ日本の木造建築を思い比べて居ました。毎年一生懸命働いて少しずつ積み重ねた家。あの戦争で無事だったのか~??心が痛みました。昔から戦争は殆ど宗教が発端となって居る事が多く、現代のアラブ、東欧もそうです。バルト海は戦争の発端地域としても有名ですが~それだけ宗教が重んじられているのでしょう。然し権力争奪で人の命が奪われ、国が崩壊される事は悲しい事です。平和な社会で人々が平穏に暮らせる事を祈ります。 平和を唱える日本が、世界平和に於ける重要な役割を担うべく、岡田外相のご活躍、応援して居ります。
投稿情報: 霜月 | 2009/11/02 19:05