韓国の哨戒艦が沈没した事案について、北朝鮮が関与しているという調査結果が出ました。魚雷の破片が出てきて、これは疑いの余地なく、北朝鮮の関与は明らかだと思います。
なぜ、こういうことが行われたのかということは、推測の域を出ません。しかし、現実に北朝鮮の潜水艇から魚雷から発射され、結果的に46名の韓国の軍人が亡くなったのですから、その事態は極めて深刻であると思います。
もし、同じことが日本で起こったらと考えると、その深刻さも、より明確に認識していただけると思います。
これに関して、日本は韓国をしっかり支持することを明言しました。そして、韓国側がこれから取っていく措置について、例えば、国連安保理での議論など、安保理の非常任理事国として協力していくことも、鳩山総理が明らかにされたところです。
その関連で、金曜日(5月21日)に、クリントン米国務長官が中国に行く途中、短い間でしたが日本に滞在されました。私との間で1時間強、意見交換を行いましたが、この韓国の哨戒艦の沈没事案への対応を、日本とアメリカが協力しながら、しっかりと韓国を支えていくことをまず確認しました。
その上で、その他の件についても、話し合いをしました。大きな議題になったうちの1つは、やはりイランの問題です。イランの核疑惑は、いままさに安保理で議論が始まったところですが、一応、常任理事国の間では、制裁があるという取りまとめが行われました。そういう中で、非常任理事国も含めてこれから議論が行われます。
1つ波乱要因として考えられるのは、イランのアフマディネジャド大統領が、トルコのエルドアン首相とブラジルのルラ大統領と会って、1つの合意に達したことです。
これは、前からあった、イランの低濃縮ウランを国外に持ち出して、医療用のアイソトープのための加工を施してイランに戻すというもので、イランの持っている低濃縮ウランを減らす効果があります。
この話はずいぶん前から行われてきまして、日本としてもそれに関与した経緯もありましたが、今回、ブラジル、トルコとの間で合意ができました。
ただ、「トルコとブラジルが努力をして、低濃縮ウランの一部の国外排出が合意されたことは素晴らしいことです。そして、必ずこれは実行してもらいたい。ただ、だからといって、ここまで煮詰まったイランに対する制裁の動きが止まるということではない。これはこれでしっかりやっていかなければいけない。少なくとも、イランがいま行っている20%濃縮活動がストップしない限り、制裁は避けられない」と、私はトルコ、ブラジルの外務大臣に電話会談の中で申し上げ、そして、クリントン長官にも日本の考え方として伝えました。
このイランの問題も、日米でしっかり協力していかなければいけない問題だと思います。
そのほか、クリントン長官との間では、これから中国に行かれて戦略対話をされるということなので、中国をどう見るかということについて、様々な意見交換をしました。
もちろんその中には、北朝鮮の今回の事件に関して、中国も日本やアメリカのラインにしっかりと立って、議論してもらうように説得してもらうということについて、私からクリントン長官にお願いし、そして同時に、温家宝首相が日本に来られるので、そのときに、鳩山総理からこの問題についても話し合いを持つことを確認しました。
普天間の問題も、現在進展している現状についてのレビューを多少行いました。
私がクリントン長官と会うと、常に「普天間、普天間」と、それ一色になるのが、いまのマスコミですが、北朝鮮の深刻な状況を踏まえて、今回は多少この北朝鮮などの案件でも話し合たことが報じられたのは、喜ばしいことだと思います。
いずれにしても、長官としっかりと方向性を合わせる議論、内容の濃い議論ができたことをご報告しておきたいと思います。
また、鳩山総理とクリントン長官との対談も、非常に良い雰囲気の中で行われたことも申し上げておきたいと思います。
※ブログの動画版はこちら
このコメントを、今まで何時間も書いているのですが、どうしても載せられず、書いたものを何度も消してしまいます。
書いているうちに、事態がどんどん怖く感じられてくるので、、。
北朝鮮とイラン、どちらも「対話の段階を過ぎた・対話に応じようとしない・万策尽きた」、などと諦めず、やはり最終的に対話以外にないのですから、、、、絶対にそこまでの道筋をつけることをいつでも最重要・最終目的として、粘り強く、果てしなく、忍耐と理解への意志を忘れず、全身全霊で試みて頂きたいです、、、。それができることこそ、世界のリーダーの新しい姿だと思います。
投稿情報: レイ | 2010/05/25 03:29
ここへ来て更にお忙しくなってしまってますね。。。毎日お疲れ様です。色々な国で色々な事が起こりすぎて、頭がクルクルしそうです。
この前新聞に「スー・チーさんが岡田外相に謝意を・・・」って書いてありました。こういう大事な事は、ぜひここでご報告頂きたいです。
日頃の行いによって人に感謝されるなんて、さすがですね。
厳しい目を向けられている中で頑張っている鳩山総理も素晴らしいと思います。ブーブー文句を言っているだけの国民に「だったらあなたがやってみなさい」と言ってやりたくなる事が多々あります。
絆をガッシリと結んで、強い民主党になってください。応援してます。
投稿情報: いいちこ | 2010/05/25 15:16
国会や記者会見での岡田外務大臣の「韓国政府は軍事的なことは考えていない」というお話やご様子で、「戦争が今にも始まってしまうの!?」と心配していたのがかなり安心して、落ち着きました!!
岡田さんの言葉の力は、あまりにも迫力があり、真に迫っているので、ドキドキしすぎたり、猛烈に安心したりしました。(なんだかゴチャゴチャと申し訳ありません、、。)
イランのモッタキ外務大臣が30日夜から日本にいらっしゃるんですね!!ちゃんと、お話に来てくださるんですね、、。
今日、ふとアメリカの国務省のサイトを覗いてみました。クリントン国務長官が、動画で何かお話されてる、、と思ってしばらく見てみました。勿論英語なので、所々、分かるような分からないような感じでいましたら、なんとなくクリントンさんの真情を示すような印象的な身振りと表情と共に、「とても平和的な事を言っておられるようだ!」と思って、調べてみました。
この動画は、27日のオバマ大統領が発表した「国家安全保障戦略(NSS)」に対してワシントンでクリントンさんがお話になったものだと分かりました。
NSSでは、ブッシュ前政権の方針とは違って、「不和解消、衝突回避、平和維持のために、外交、発展、国際的基準と機関を利用し、でき得る限りの場面で武力行使の必要性を回避する」とあるそうですね。素晴らしいです!
そして、クリントンさんが、「説明がちょっと難しいけど、重要なのよ」というような優しげな身振りを交えて言っておられた言葉は、「アメリカは直接的な力の使用と行使から、より洗練されて、かつ困難な、『間接的な力と間接的影響の両方』の行使にシフトしている」というもので、色々時間もかかり大変だけど、各国と協力していきたい、というような内容だったと思いますが、、。
イランのモッタキ外相には、「なんだか、アメリカもクリントンさんも、今、とても優しい、いい感じですよ!?今からでも、安心して、落ち着いてお話されてみたらいかかですか?」・・的なことをおっしゃったら、どうなるのでしょうか、、。(変な言い方ばかりで申し訳アリマセン、、)
それとも、アメリカが今は実はいい感じと分かったので、もう満足して濃縮活動をストップすることにしました!と言いに来てくださるのでしょうか、、。
ああ、どうなるのでしょうか??岡田外務大臣のお力に大期待、です!!
投稿情報: レイ | 2010/05/29 04:15
はじめまして たわこと申します。
鳩山内閣総理大臣の辞意表明につき岡田さんの意見を知りたいと思いまして、ブログの方を拝見させていただきました。
私は、まだ選挙権はありませんが国民の一人として、しっかりとした矛盾しない意見を持っていこうとたまーに国会議員の方々のブログを拝見させていただいています。
岡田さんの言うように、この事態は、極めて重い思います、明らかなる軍隊による攻撃が行われた訳ですから。
普天間基地の問題と合わせてこの事は、報道され国民に国の安全保障から基地の事を考えていってほしいと思います。
イランの核問題につきましては、やはり濃縮を続けていますが、ロシアとアメリカの核軍縮条約のように非核化の流れが出来ているように思います「ふつーの人にしてみれば核兵器なんか要らないんですね」冷戦の対立構造によってできた、あまりに余分なパワーなんだと思います、いったんできると取り除くのが難しいと思います。
厳しく対応していく必要があるのだと思います。
岡田さんのご活躍を期待しています。
長文失礼しました。
投稿情報: たわこ | 2010/06/03 14:59