この週末を利用して被災地を回ってきました。7日(金)に岩手県、8日(土)に宮城県、そして1日休んで、10日(月)に福島県です。
民主党の衆議院予算委員会メンバーの皆さんと一緒に、第3次補正予算の予算審議を前にして、もう一度被災地の現状を把握しておこうと企画をしたものです。
一言で言うと、いろいろな前進はあるものの、まだまだだなというところです。
今回訪れた岩手県の釜石市や宮城県の気仙沼市は、私が6か月前に訪れた場所です。そのときと比べれば、膨大な瓦礫(がれき)は片付けられ、打ち上げられた船などもきれいになっているか、間もなく片付けられるということで、そういう意味での変化はありました。
特に気仙沼ではカツオの水揚げがなされており、市場にも少し活気が戻ったようでした。漁船の出入りも多少ありました。
しかし、実際にそのカツオを加工する工場などの復旧は全く進んでおらず、結局そのまま水揚げをして、各地にそれを流通させるのみで、そこで加工して製品にすることはできない状態です。
そもそも、港の周辺の地盤沈下した土地をかさ上げするメドが立っていない状況で、工場の再建のメドが全くないという厳しい現実があります。しっかりと前に進めていかなければいけないと改めて感じたところです。
福島県では、除染作業の現場などを見てきました。南相馬市の桜井市長とともに半日南相馬市を訪れ、そして、飯舘村にも行ってきました。農地の除染、学校の除染を見ました。
学校の除染についてはある程度進んでいましたが、膨大な農地や山林となったときに、これをどうやって進めていくのかを考えると、大変な時間と努力が必要になると改めて感じました。
山などは、かなり木を切ってしまわないと除染が進まないと思います。それをどういう手順で進めていくのかについて、もっと知恵を出さなければいけないと思います。
結局、山がきれいにならないと、その周辺の宅地や農地のリスクは続きます。これは、大変時間のかかる作業ですが、いつまでも時間をかけるわけにはいかないことも改めて感じたところです。
畜産農家の方からは、「福島県の牛が売れない。そもそも出荷ができないという状態の中で、糞などは処分できないままどんどん積み上げられていく。もう何とかしてほしい」という悲痛な声が聞こえてきました。
そういった今回の被災地の旅でしたが、明るい話もありました。
前回(5月)、福島県を訪れた際にいくつか頼まれたなかで、大内新興化学工業というメーカーの工場が、福島第1原発から20キロ圏内(警戒区域)に入っているということで、操業できない状態にありました。これを、当時の枝野官房長官や福山官房副長官にも相談をして、再開できるようになりました。(注:大内新興化学工業は20キロ圏内の線引きのぎりぎり内側で、数10メートル離れた隣の工場は操業ができていた。)
本格稼働はまだこれからでなかなか先は厳しいのですが、多くの人が引き続きそこで働けるようになったことは、非常に良かったと思います。
そして、もう少し20キロ圏内の中に入った工場などは、機械を移して仮設工場で操業するということも行われていました。
もう1つは、飯舘村の特別養護老人ホームです。ここも計画的避難区域内にあり、本来であれば動かなければいけませんでした。しかし、飯舘村の菅野村長さんから「これを動かすとなると、福島県内の施設はいっぱいなので、全国に動かさなければいけなくなる。そうすると、せっかく築かれたコミュニティは壊れ、高齢者の皆さんにとっても大変厳しいことになる」と言われ、これも特例として残すことを決めました。
多くの高齢者の皆さんが、素晴らしい施設の中で変わらず暮らしておられたことにほっとしました。ただ、他方でそれをケアする若い人たちの中で、放射線を気にして職場を変わる人も当然おられるので、そこのバランスが難しいなと感じました。
いずれにしても、様々な問題があります。1つひとつ解決していくしかありません。
第3次補正予算を早く国会に提出し成立させることが、まず、我々政治家がやらなければいけない、与党の政治家の使命であると改めて感じました。
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岡田さんの久しぶりのブログ更新、嬉しく思います。
こんなにも精力的にご活躍なされていたのですね。本当にお疲れ様です。
除染のために、美しい山々を伐採しなければならない、ということは日本人として悲しい気持ちになりますね。しかし、被災者の方々の立場を考えると、仕方のないことですよね。
無配慮な原発の増設が、今回の惨状を招いたのは言うまでもありません。繰り返すべきではない反省として、日本の歴史に残るでしょう。
二酸化炭素の削減、今日の日本国民の生活水準などを考えると、原発は必要なのかもしれません。しかし、原発の安全神話により、「命」の危険性が軽視されていた事も事実でしょう。
たとえ日本の豊かさが原発で維持されるとしても、今回のような出来事で、尊い命が失われるとなると、本末転倒です。
自然エネルギーを利用した発電の本格活用はまだまだ難しいでしょう。しかし、もっと前から原発の危険性を、国家単位で真剣に考えていたら、今よりは自然エネルギーに関する技術は進んでいたでしょう。
今回の原発事故のようなことを再び繰り返さないためにも、「今」を生きる私たちが、原発のあり方を真剣に考えるべきだと思います。
岡田さんのような真っ直ぐな政治家が、これからの日本の希望になると確信しています。混迷した社会において、国のあり方を真剣に考える人は、人々の星になるからです。岡田さんのご活躍を、心から応援しています。
たびたびの精力的な活動には、いつも頭が下がる思いがします。ただ、健康にだけは気を付けてください。
乱文、失礼致しました。
投稿情報: まふみ | 2011/10/12 22:22
視察ご苦労様でした。離れて暮らしていると、日日のことに追われ東北のことを考えない日が増えてきました。3.11直後は何度も募金もしていたのに・・・
これは同じ日本人としてあってはいけないことだと思います。
そして、7ヶ月近くたってもなかなか進まない復興。放射能に不安を募らせている人々。一生懸命に働いても先が見えないばかりか風評被害で絶望的になっている人びと。
こんな姿を見ると、又どこかで原発事故が起きたら、もう日本は立ち直れないと、確信を持ってしまいます。目先の自分の利権で動く企業や政治家や学者の目を覚まさせてください。岡田さん、ぜひお願いします。
投稿情報: ひとみ応援しています | 2011/10/15 01:17