行革懇談会―平成版土光臨調でやるべきことを徹底的に貫く

先般、行政改革について、「行政改革懇談会」を設けるということを明らかにしました。

構成メンバーから言いますと、京セラの稲盛和夫名誉会長をはじめ、その他行政刷新会議の現在のメンバー、追加的にメンバーになっていただいた方々、例えば住友商事会長の岡素之さん。岡さんは、今まで規制改革について、行政刷新会議のもとで、しっかりと引っ張っていただいた方です。あるいは、元鳥取県知事の片山善博さん、そして連合会長の古賀伸明さん、その他経済人、学者の皆さんにメンバーになっていただきました。

私がこの構想を最初に考えたのは、やはり行政改革というのは、その時の政府をどう変えていくかということであって、それは一方には、無駄を省き、そして効率的な政府を作っていくと。他方では、時代の変化に応じた、きちいんとよりよく機能する政府を作っていくという非常に大きな話ですので、役所の中や政治家だけではなくて、広く多くの方々のご意見を聞いて進めるべきだと考えたからです。

念頭にあったのは、かつて土光敏夫さんが率いた「臨調（第２次臨時行政調査会）」。そういう意味で「平成版土光臨調」を作りたいということを、２カ月ほど前から申し上げてきました。

組織を作るにあたって、いろいろなご意見がありましたので、多少時間がかかりましたが、今回行政改革懇談会ということでスタートしたものです。

私ももちろん、毎回出席して、行革についての基本的な考え方、あるいは、これから具体的に行革をどう進めていくべきか、何に重点を置くべきか、ということについて、見識のある今回のメンバーの方々にご意見をいただきたいと思います。

特に、京セラの稲盛名誉会長は、私の尊敬する経済人であり、最近でも、ＪＡＬを短期間で立て直したという大変な実績をお持ちです。同時に、仏教に造詣が深く、様々な著作を通して、国民に広く知られた方です。

そういった求心力のある、そして経済人としても、人間としても非常に見識のある稲盛さんを中心に、皆さんにご議論いただき、新しい平成の行政改革を、野田総理のもとで、しっかりと進めていきたいと考えています。

具体的な議論はこれからで、あまり私が先走って申し上げないほうがいいと思いますが、行革は一言で言えば苦しいものです。

総論では、多くの方が「進めるべきだ」と、こう言われても、具体論になると様々な意見が必ず出てきます。

例えば、私が最近決めた、国家公務員の新人の採用の問題についても、（２００９年度比）５６％削減するということに対して、多くの方々からご意見・ご批判をいただきました。

私は、別に新人の採用だけ厳しくするということではなくて、公務員全体について、民間の目から見直しが必要であると言っているわけですが、１つだけとらえて、メディアを含めて多くのご批判をいただきました。

あるいは、定期刊行物、新聞・雑誌の購読をスリム化するということについても、日本新聞協会からは厳しいご意見をいただいたところです。

しかし、中央政府だけで１３億円も定期刊行物を取っている。それを４億円減らすことがなぜダメなのかということについて、私は説得力がある反論はなかったと思っています。

いずれにしても、総論は賛成、「行革どんどんやれ」、しかし具体論になると、様々な意見が出てくるというのが行革です。そういう中で、何が必要なことなのかしっかりと見定めて、やるべきことは徹底的に貫いていく。そういう覚悟・決意でこれからも進めていきたいと思っています。

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※行政改革懇談会の概要はこちら[PDF]

Comments

[投稿情報: さんぴん茶]

行革も結構ですが「なぜ」「なんのために」行うのか、目的を忘れてはいけません。
より効率的に、国民にとってより良い国を作るため、それをぜひ心に留めておいていただきたいのです。
定期刊行物のスリム化はよい、しかし東京発のものはやめても地方紙を読んで、地方の実態を知り、東京中心の発想をある程度修正して地方も恩恵を受けられる政策を実行するための参考にするとか、公務員を減らすなら管理職を少なく、教育や福祉の現場で働く人は現状のままか場合によっては増員する、等国民の真の必要を考えていただきたいと思っています。

[投稿情報: 溝口（静岡県）]

稲盛さんは私も尊敬してます。素晴らしい人物なので期待します。

民間企業は景気が悪くなればカラーコピーを白黒に変えたり経費節減を徹底的にやります。

テレビの国会中継を見てるとまだまだ無駄が多いと思います。

国会の会議の資料をカラーコピーをやめて白黒にするとかできることからコツコツと無駄を省いていくべきだと思います。

国民はよく見てますよ！頑張って下さい！！

[投稿情報: 太田]

また意見を投稿させて頂きます.今回の方針に深く頷けます.消費増税はやらなければならない事は国民の大多数が理解してると思います.ただ行政の莫大な無駄を野放しでは民主党は消滅します.中央省庁の官僚は日本の大事なシンクタンクでもありますので彼らに国家の危機を悟らせ昔の愛国心のある官僚を育てて欲しいですね.私は小沢一郎先生を好き嫌いないですが.行政改革理論は橋下大阪市長にに近いと思います.稲盛臨調で消費税と社会保障の一体改革に行政改革を追加した一体改革にしていだだきたいです.ご健闘祈ります

[投稿情報: 翼]

こんにちは。
GW、少しはゆっくりされましたか。これからの２か月、正念場となりそうですが、先生のご活躍を期待しております。
「行政改革懇談会」を設置されたとのことですが、そこで話しあわれた事は実際の政策立案に生かされていくのでしょうか？政府のこれこれの懇談会を経てこの法案が提出されました、行政はこう動きました、のような情報を私達はあまり知りません。ですので、「日本の知を結集して懇談会設置」と言われても「オォー、素晴らしい」となりにくい環境にあります。ぜひ、今回の懇談会後の具体的な動きを教えて下されば嬉しいです。
ちなみに、片山善博元大臣は自分の高校の先輩でして、自分にとっての期待の星です。