安倍内閣がスタートしました。
首班指名のために衆議院本会議場に入ってまず気付いたことは、席が議長から見て右手から左手の野党席になっているということ。そして、人数も2005年衆院選のあの敗北の直後よりもさらに減ってしまったということです。
私よりも当選回数が多い方というのは、横路孝弘前衆議院議長と菅直人さんだけで、同期も大畠章宏さん、高木義明さん、赤松広隆さんと、非常に少なくなってしまいました。
同期の中で連続当選してきた仲間である鉢呂吉雄さんと細川律夫さんは、いずれも社会保障と税の一体改革の大変な影の功労者です。
首班指名のために衆議院本会議場に入ってまず気付いたことは、席が議長から見て右手から左手の野党席になっているということ。そして、人数も2005年衆院選のあの敗北の直後よりもさらに減ってしまったということです。
私よりも当選回数が多い方というのは、横路孝弘前衆議院議長と菅直人さんだけで、同期も大畠章宏さん、高木義明さん、赤松広隆さんと、非常に少なくなってしまいました。
同期の中で連続当選してきた仲間である鉢呂吉雄さんと細川律夫さんは、いずれも社会保障と税の一体改革の大変な影の功労者です。
鉢呂さんは、与党側の筆頭理事として野党側の筆頭理事の伊吹さんと信頼関係を結び、合意に至りました。細川さんは、党の取りまとめ役として、与野党折衝に責任者として携わってきました。こういった人たちの働きがなければ、社会保障と税の一体改革は成立しなかったわけです。
いずれにしても、そういったことはほとんど有権者の皆さんにも知られることなく、政府・与党として働いてきた人達の選挙結果は厳しいものでした。
もっと政府・与党として成し遂げてきたことがきちんと伝わる、そういうことに努力すべきだったと思いますが、党の中にも「社会保障と税の一体改革は増税だけで、反対だ」という意見を持った方もたくさんいらっしゃったので、その方々の多くは新しい党をつくられましたが、十分に国民の皆さんに伝わらなかったということは、本当に残念なことだと思います。
さて、安倍政権がスタートしました。顔ぶれやこれからやろうとすることについて、今はあまりコメントをしないほうがいいと思っています。つまり、具体的に何をするかということで評価し、あるいは批判すべきであって、現時点であまり後ろ向きのことを言うつもりはありません。
ただ、すでに矛盾が明らかになっていることについては、先般の記者会見で申し上げましたが、この場でも言っておきたいと思います。
つまり、安倍さんは「外交敗北だ」と言われた。そして、特に領土問題を取り上げて、竹島については「竹島の日を政府としてつくる」と。今までの島根県だけではなくて、政府(国)としてそういう日をつくるのだと。そして、尖閣については、「公務員を常駐させる」といったことを自らおっしゃったり、あるいは、総選挙にあたっての自民党の政策集に書いてあるわけです。
しかし、竹島の日を政府として設けるということについては、すでに見送りが決まりました。公務員を尖閣に常駐させるということもしないということです。
私は、方向性は非常に正しいということでよかったと思います。外交を進めていくうえで、荒い言葉を投げつけるだけで外交は進みませんので、主権は譲らないという確固たる信念とともに、しかし、同時に二国間で様々な協議をしていかなくてはいけないということから考えると、取った方向性は正しいと思います。
しかし、選挙が終わってまだ1週間しか経っていません。あれだけ選挙で言われたことが、何だったのかという批判は残ると思います。特に選挙で、竹島の日を設定する、尖閣には公務員を常駐させるということを信じて投票した方々に対して、どういう説明をされるのかと、これはきちんとした説明が必要だと思っています。
私が思うに、もともとそれはできないということが分かっていて政策集に書かれ、あるいは安倍さんの発言があったと、常識的には考えざるを得ないと思います。そうであれば、できないことが分かっていてマニフェストに書いたということになるわけで、こういったことについてきちんとした説明は必要だと思っています。
我々も、マニフェストにできないことを書いてご批判をいただき、必死になって謝ったり説明をしたりしました。選挙が終わって1週間にして、もうすでに約束が平然と反故になっていることについて、私は、方向性は良いと思いますが、だからと言ってそれを信じた有権者の皆さんに対する説明が、いい加減になっていいとは思っていません。
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まったくもって正論です。竹島は韓国が実効支配しているのですから、「竹島の日」なんて制定しても意味がないわけです。意味もなくできもしないことを目標に掲げることは無責任ですよ。今回、自民党に投票した人のなかでも、「竹島の日」が実現できると思っていた人は皆無でしょう。しかしそういった人たちまでも、「『竹島の日』ができると信じていたんだ?」と誤解されてしまいます。
安倍さんが自民党総裁になって、実現不可能なことを言い出すだろうなと思っていたら、さっそくこれだから困ってしまいますね。彼は「菅総理、仙谷官房長官が作る政権は左翼政権です」と公言しましたが、2010年の日本における左翼政権とはどういうものなのか、具体的に説明していただきたかったです。もちろん今から説明していただいてもかまいません。全国の自民党員は石破さんが総裁になることを求めました。一方で自民党の国会議員の多数が、国会議員でない人の意見を押し切って安倍さんを総裁、やがて総理へ導いたわけです。多数の論理だからと言われれば聞こえがよいですが、悪い既得権益がまだまだはびこっていることを証明したようなものです。菅内閣と野田内閣で悪い既得権益をどんどんつぶしてきたのですが、相手の牙城はつぶせないものですね。今度の自民公明連立政権が4年続くとはとても思えません。むしろ自公連立に亀裂が入る可能性は高いと思います。そのとき岡田さんのような原理原則主義者が、総理でいてもらいたいものです。
投稿情報: reikin | 2012/12/27 23:02
安倍政権がスタートし、株価が上がり、円高が是正されたり、さいさきはよさそうです。しかし新政権が目前にしている諸問題は必ずしも生易しいものではありません。我が国にとって厳しい問題ばかりです。そのことは安倍政権もよく承知していると思います。その中で民主党は今回政権を実際に担当して多くのことを学んだと思います。この貴重な経験、成功と失敗を糧にまた自らを深めるべく努力して頂きたいです。党のためとか仲間のためとか言うのでなく、日本のためという気持ちがあればおのずと道は開けると思います。これから政権担当した経験のある野党として国会対応、経済政策等、正しい道を示して頂きたいです。そのことがニュー民主党として生まれ変われるかどうかのポイントだと思います。
投稿情報: じゅうしまつ | 2012/12/28 00:19
野村克也は変化球、というより基礎条件プラス可能性を求める人。
同じ克也さんは(当然岡田克也氏)は直球の人。
そこで落選組の方のコメントはどうか。投票してもらう努力活動は不足していないか、問うてもらいたい。
風潮に負けない基盤を作るのが第一義、と直球の人はいうのではなかろうか。
安倍晋三、うそをつける人になったということでは?
政治家は平気でうそがつけて何ぼのもの、かもしれない。私は好まないが、野村勝也流になるのは国民の政治水準だろう。ものさしは変化球だから。
投稿情報: こっとん爺 | 2012/12/28 05:43
鉢呂さん、前原さんや丹羽さんなどあのくらいのことで辞任させられるのか?という方たちがいました。
メディアに負けず政府として断固として守ってあげても良かったのではと思います。
安倍さん、「民主党のマニフェストは総崩れ、自民党は出来ることしか書かない」とか大見得を切って、早速の手のひら返しですか。でも皆あまりそこは突っ込みませんね。やらない方がいいと思っていたのでしょうが・・。でもこのままでは安倍氏はうそつきであるとのそしりはうけるべきでしょう。
代表選海江田さんに決まりました。岡田さんを切望していたので残念です。考え方も若干違うように思いますが、民主党としてまとまって存在感を示していただきたいです。
そして先進的な改革の党としてまた再生してほしいです。
小沢さんが海江田さんに近づいてきてまた党が引っ掻き回されることのないよう祈っています。
投稿情報: haru | 2012/12/28 13:23
自民党の憲法改正草案の前文を初めて読みました。
自民党の憲法草案の前文は、現在の憲法から全く進化しておらず、むしろ内容としては後退していると感じました。
しかも、憲法としての品格を全く感じられないお粗末な前文で、高校生の作文レベルと変わらない出来でした。
これなら、今の憲法の方がよっぽど良いです。現憲法は、極悪人がまかり間違って首相になっても、この憲法で国が守られるように、非常に細かい部分にまで神経を使って作られていると感じます。
要するに、直接日本を支配しない外部の人間が作ったから、うまくいっている部分もあると思うのです。
しかし、自民党の憲法は、首相など権力を持った人間が、密かに今よりもさらに大きな権力を持てる内容に書き換えているだけです。そして、明らかに戦争を起こしやすい憲法になっています。
憲法改正という政治家特権の欲望を満たすための改正としか思えない。
阿倍さんは、「憲法改正は私のライフワークだ」と言っていました。この軽率な発言そのものが、政治家としての傲慢さを露呈しています。
彼に憲法改正をする資格はないと感じます。
しかも、阿倍さんは、選挙では経済を全面に打ち出してカネで人の心を買うような真似をして、本命の憲法改正については、積極的に発言をしません。
これって、日本人は憲法改正をまだまだ望んでいないことを自覚しているからですよね。
現憲法は、アメリカが作ったものだと言いますが、この憲法を訳した日本人の愛国心は、本物だと感じられます。
日本のみならず他国の平和についても考慮された今の憲法の素晴らしい部分は受け継いでいくべきです。
投稿情報: nao | 2012/12/28 14:34
竹島の問題に関しては、韓国が実効支配しているのにもかかわらず、「竹島の日」なんて言うのはナンセンスですね。これはやる気があって出来なかったのでなく、出来ないと分かっているのに書いたのですから問題です。民主党のマニフェストはやろうと思っても、何を有権者が思ったのか、ねじれ状態になってしまい、できなかったものです。一緒にしてほしくありません。
後小沢とだけは組まないでください、自民党に対抗できる勢力は民主党だけなんです。ここが終わったら終わりです。まあ対抗できる勢力にしたには小沢ですが。
投稿情報: メタリックシルバー | 2012/12/28 16:56
当然の批判ですね。
「考えていること」と「実行できること」が違うわけです。
さて、岡田さんは「竹島の日を設定する、尖閣には公務員を常駐させる」ことはそもそもできないと「考えている」わけです。
国民は公約の「実行」を求めますが、政治家が「考えていること」も考慮して投票したのかもしれませんよ。さらに実行する「時」もあることを知っています。
批判はわかりますが。
投稿情報: macky | 2012/12/28 20:29
民主党がマニフェストにできないことを書いた、正反対のことをしたことについて、説明されたのを寡聞にて聞いたことがありません。できると思ったこと、いいと思ったことが、できない、よくないということにその立場、その状況になって気づくということは痛感されたのではないかと思います。間違ったことでないならば、歓迎すべきです。そのために野田前首相は消費税増税に全力を挙げたのではないのですか。公約違反だと責めてそれならとそれを実行されたときの国益の損失を自民党政権の失政として歓迎するのでしょうか?そのときの断面での揚げ足取り的な批判は聞きたくありません。それは自己否定です。現在の状況の危機感、なぜ民主党政権が否定されたかを十分認識されているのか疑問に思ってしまいます。もっと大局的なコメントを期待します。
投稿情報: King Crimson | 2012/12/29 00:57
僕は全体的に見て安倍さんの方が民主党の方々よりずっと信頼できると思います。
民主党の国会運営や屁理屈、不誠実は酷かった。
岡田さんは誠実な人とこれまで思っていましたが、空しい揚げ足とりばかり。
実績も報道されなかったかもしれませんが、汚点はこれでも甘く報道されてる方だと思います。
自民党なら数回内閣が飛ぶようなことばかり。
情報も自民党以上に出さないし、閉鎖的。なんの擁護もできません。
社会保障の改革ってなんのことですか?
このコメントは承認されないでしょうが、頑張って下さい。
投稿情報: nano | 2012/12/29 02:58
どんなに情報を集めても地球で起きている全ての事を知ることは出来ない-いまブラジルで何が起きているのか私にはわかりませんが、次のワールドカップに向けて活気づいているだろうことは想像できます。そして民主党も新たな時代の変化に対応できる政党に進化してる、進化の途中には大変な苦痛が在ったことなど誰も想像できませんが懸命に生きることで進化し続けるのでしょう!
投稿情報: baryon | 2012/12/29 09:29