日銀の総裁・副総裁候補者に対する衆参のヒアリング(所信聴取)が行われました。私は、このヒアリングを通じて、特に岩田副総裁候補に対して、かなりの心配・懸念を持っています。岩田さんが言われるには、2%の物価安定目標は日銀の金融政策だけで達成可能であるということを断言され、その具体的手段としては、国債の大量の買い入れ。しかも、それは残存期間の短いものだけではなくて、長いものも含めて買うということを主張されています。そして、日銀法の改正ということも常々言及されています。
続きを読む "日銀正副総裁人事―デフレ脱却と経済成長をやり抜く静かな闘志を" »
予算委員会で、海江田代表、細野幹事長の後、安倍総理を中心に議論しました。例えば、社会保障制度改革、国民会議について、自らが「主任の大臣」である、責任があるということもご存じないことが明らかになり、社会保障改革について、何を総理はするつもりなのか、つまり、8月21日の国民会議の設置期限までに、国民会議にどういう指示を出して、何を議論すべきと考えているかということに対して、全くお答えがありませんでした。社会保障制度改革は消費税引き上げと対になった話ですが、そういったことについて、関心がないということが残念ながら明らかになりました。
続きを読む "安倍総理─先人の苦渋の決断を理解し、敬意を持って懐深い答弁を" »
衆院予算委員会での審議が行われています。私がずっと気になっているのは、この場でも以前に申し上げたことがありますが、2%の物価安定目標が日銀だけの責任なのか、それとも、政府と日銀が責任を分かち合わなければならない問題なのかということについて、白川日銀総裁と安倍さんとの間で意見が明確に食い違っているということです。安倍さんは、デフレというのは貨幣現象なので、2%の物価安定目標というのは日銀が金融政策でやるべきだと。逆に言うと、日銀がもっぱら責任を負うべきだと言われているわけであります。
続きを読む "2%物価目標―総理と日銀総裁の見解の相違は問題、総理は説明を" »
来年度の予算案の中身が固まりました。テレビも含めて、メディア各紙が報じています。これを見て、非常に疑問があると申し上げなければなりません。
まず、キャッチフレーズとして、4年ぶりに税収のほうが国債の発行額を上回ったと言っているわけです。数字としてはもちろんそういうことなのですが、そこにトリックがあって、別に歳出を削った結果そうなっているわけではないということです。
つまり、歳出は、今年度であれば経済予備費を9000億円計上してきました。これは、大きな経済変動があったときに使うというもので、今年度も予備費はほぼ使い切っています。この予備費を計上しなかったことで約1兆円。
そして、国債の金利をより低く見たということで、ここも歳出が削減されているわけです。しかし、この2つはいずれも歳出の無駄なものを整理して切ったというものではなく、考え方を変えたというにすぎないわけです。
続きを読む "来年度予算―財政規律は守られず、従来型公共事業を大幅積み上げ" »
いよいよ今日から国会が始まりました。今日は安倍総理が第183回国会における所信表明演説を行いました。この演説は、極めて短いもので、自らの基本的な考え方を述べたということですが、従来だと具体的な政策をいろいろ語ります。それに比べると、項目としても、経済再生、震災復興、そして外交・安全保障という3項目だけを述べられたものです。考え方はいろいろあって、この国会の中で、やがて施政方針演説も予定されていますので、具体的なものはそこで述べるという1つの整理をされたのかもしれません。ただ、聞いていて、国民会議で議論されている社会保障制度改革についての言及が全くなかったことなど、従来、大臣として担当してきた私から見ると、気になるところです。
続きを読む "国会開会―抽象的な思いを述べた所信、国民会議への言及もなく" »
安倍内閣がスタートしました。
首班指名のために衆議院本会議場に入ってまず気付いたことは、席が議長から見て右手から左手の野党席になっているということ。そして、人数も2005年衆院選のあの敗北の直後よりもさらに減ってしまったということです。
私よりも当選回数が多い方というのは、横路孝弘前衆議院議長と菅直人さんだけで、同期も大畠章宏さん、高木義明さん、赤松広隆さんと、非常に少なくなってしまいました。
同期の中で連続当選してきた仲間である鉢呂吉雄さんと細川律夫さんは、いずれも社会保障と税の一体改革の大変な影の功労者です。
続きを読む "安倍内閣の外交―早々の選挙公約の反故、信じた有権者に説明を" »
先ほど党首討論が終わりました。特に、安倍自民党総裁と野田総理、あるいは山口公明党代表と野田総理のやり取りは、まさしく解散をめぐるやり取りで、総理が16日に解散することを明言される、歴史に残るやり取りになったと思います。総理はまず、谷垣総裁との約束は守る。そういう意味で、解散するタイミングを伺ってこられた。そして、今回いよいよ決断をされたということです。それにあたって、いくつかのことを言われました。1つは、昨日、民自公3党間で合意した特例公債法案の扱い。つまり、今後この法案が政争の具にならないようにすることも含めて、この国会で法律を成立させるということに関して、「今週中に」ということを言われました。
続きを読む "党首討論―政治家としての器、その大小がはっきり出た討論" »
国会がようやく動き出したという感じがします。
特例公債法案について、そもそもこの国会のスタートから、なかなか動かない状態が続いていました。
解散の日程を決めないと国会審議に応じないということで、現に参議院においては代表質問がなされませんでした。総理の所信表明も聞いていただけませんでした。しかし衆議院ではそれは行われたと。
そして、参議院で「緊急質問」が行われて、そういうなかで、安倍総裁がこの特例公債法案について、これを通さないなどということは言っていないといった趣旨のご発言をされました。それを受けて、委員会が動き出したというのが現状です。
続きを読む "国会―党首討論で特例公債法案や今国会で何をすべきか議論を" »
昨日(29日)、衆議院本会議場で野田総理の所信表明演説が行われました。
この所信の表明は、この国会、あるいはそれ以降も展望して、野田内閣として何をやろうとするのかということを述べたもので、非常に危機感を持った明確なメッセージだったと思っています。
この所信の表明を受けて、代表質問が行われ、そして予算委員会で更にやり取りが行われるという流れになります。
ただ、今回は参議院においては所信の表明を聞かず、代表質問もしないということで、これは、特に代表質問しないというのは極めて異例なことです。
続きを読む "臨時国会開会―代表質問拒否は極めて異例、国会は議論をする場" »
金曜日(19日)に3党の党首会談が行われました。結果は物別れということです。大変残念に思います。
総理は、以前に谷垣総裁との間で交わした「近いうち」にということについて、「真摯に受け止め、自分としては、時が来ればきちんと判断する」と言われました。しかし、それがいつか。例えば、年内にとか、いつにというようなことは、総理としては言えるはずもないわけで、そういったことに安倍さんや山口さんが固執をして、物別れになったということです。
これは非常に残念なことで、いつ解散するかはっきりしないといろいろな議論に応じないというのは、まさしくそれは審議拒否と同じことで、大変不毛な議論だと思います。
続きを読む "3党党首会談―解散明示に固執は不毛、解散3条件などあり得ない" »
今日(7日)、長かった通常国会が終わりました。
この国会は、1月から9月までという極めて長い期間でしたが、法案の成立率は必ずしも高くなく、重要な法案がいろいろ積み残されたということは、多くの課題を残したと思います。
私の所掌の関係でも、独立行政法人の改革に関連する法案は、審議をされることなく終わってしまいました。
そして、より重要な公債特例法案については、結局廃案になってしまったわけです。したがって、政府としては、今日の閣議でも確認しましたが、執行の抑制ということを一部やらざるを得ないという状況になりました。
続きを読む "国会閉会―国会が機能しなければ、既存政党への期待感が失われる" »
今日は、参議院の社会保障と税の一体改革特別委員会がなくて、代わりに、参議院の予算委員会の集中審議が行われました。
私も質問通告をお2人からいただいたのですが、その答弁以外は国会に出席する必要がなく、比較的その他の仕事を一生懸命させていただいています。そういう意味では、多少余裕がある一日です。
一体改革特別委員会での審議ですが、最近よく出る話が、頭からこの一体改革についての疑問を述べる、あるいは、社会保障が置き去りだ、という議論はかなり減りました。
続きを読む "価格転嫁と低所得者対策―一歩前に進んだ対策と、冷静な議論と" »
昨日(18日)、今日(19日)と2日間に渡って、参議院の社会保障・税一体改革特別委員会で、総理出席のもとでの総括質疑が行われました。
NHKの中継が入りましたので、ご覧いただいた方もいらっしゃると思います。
ここでの議論の1つは、民主・自民・公明3党ですでに修正合意をしており、自民党・公明党からは、修正後の法案に当然賛成の立場からの審議ですから、法案の中身というよりは、その周辺の問題についての質疑が多かったように思います。
続きを読む "一体改革参院審議―年金抜本改革や後期高齢者医療は国民会議で" »
今日(13日)は、参議院社会保障・税一体改革の特別委員会が初めて開催され、これから、いよいよ場所を参議院に移して、関連8法案、つまり、税制2法案、年金2法案、子ども・子育て3法案、そして議員立法の社会保障改革推進法案の審議が始まります。
衆議院と異なるのは、関係大臣だけではなく、民主、自民、公明各党の修正協議の責任者の皆さんも、答弁者として参加をしていただきますので、そういう意味では、若干負担は軽くなる。そうは言いましても、ずっと座っていなければいけないので、来週は水曜日(18日)から、ずっと特別委員会への出席が求められます。
さて、もう1つの私の重要な仕事である行政改革につきまして、今日、全閣僚からなる行政改革実行本部を、野田総理にも出席していただき、開催しました。そこで3つの重要なことを確認させてもらいました。
続きを読む "行革本部―新聞・雑誌の3割10億円削減や独法給与削減を確認" »
いよいよ今日(11日)から、参議院の本会議で、社会保障と税の一体改革に関する審議が始まりました。社会保障・税一体改革特別委員会での具体的な審議は、来週からということです。
衆議院で法案が可決されたあと、特に、離党問題などで審議が遅れていたわけですが、ようやく参議院において審議が始まったということで、少しほっとしているところです。
衆議院では120時間を超える、日米安保条約改定に次ぐ戦後2番目に長い法案審議でしたが、参議院においても、しっかりとした審議が行われることを期待したいと思います。
続きを読む "一体特1回生委員との懇談―将来を期待できる素晴らしい人材" »
昨日(26日)午後、ようやく衆議院本会議において、社会保障・税一体改革関連8法案が採決され、可決しました。
午前中には、衆議院社会保障・税一体改革特別委員会で締めくくり総括質疑を行って、まず委員会で8法案が可決されました。
委員会では、100時間を超える極めて長い審議でしたが、そこにすべて参加をさせていただいて、答弁をしてきました。
続きを読む "一体改革法案可決―歴史的合意、政治が前に進んでいる証" »
いよいよ新しい野田政権がスタートしました。内閣改造を月曜(4日)の晩に行ったところです。
いろいろな理由があって、5人の閣僚を交代させるということになったわけですが、非常に手堅い布陣ではないかと思います。専門家の方々を中心に、今までしっかりと仕事をしてきていただいた副大臣や副大臣経験者を大臣にするなど、非常にいい形での新しい内閣のスタートになったのではないかと思います。
もちろん、今までの閣僚の前田武志さん、田中直紀さん、小川敏夫さん、そういった方々は、一生懸命立派な仕事をされたと思いますけれども、今回、フレッシュなメンバーに代わってパワーアップし、しっかりと仕事をしていかなければいけないと、改めて感じているところです。
続きを読む "内閣改造―手堅い布陣、パワーアップし、しっかり仕事を" »
社会保障と税の一体改革の国会審議が、先週行われました。
衆議院本会議で3日間、すべて総理入りということで、内容的には予算委員会で議論したことと重なることがかなり多かったと思いますが、総理は非常に丁寧に答弁されて、できるだけしっかりと、お互い胸襟を開いて協議していきたいということを言われました。まさしくその通りだと思います。
本会議は一往復(質問者と答弁者の発言がそれぞれ1回ずつ)だけですが、特別委員会での審議となりますと、何度もやり取りがあって、それだけ議論は深まり、途中から台本なき意見のやり取りということになるわけです。早く特別委員会の審議を始めたいものだと思っています。
続きを読む "一体改革審議入り―しっかり議論し必要性をご理解いただく" »
東京も桜が満開です。
私も、ゆっくりと花見に行きたいなあと思いますが、なかなかそれも叶わぬことですので、車の窓から九段や国会議事堂周辺の桜の満開の模様を見て、やはり桜は良いなあと実感をしているところです。
さて、国会でようやく予算が成立し、第2ステージに国会審議は入りました。これから、さまざまな法案についての審議が始まるわけです。
続きを読む "国会第2ステージ―重要法案の審議をしっかりと行っていく" »
いよいよ、国会で予算委員会の質疑が本格化しました。第4次補正予算について、今週いっぱい参議院で行われ、その後は、衆議院予算委員会で本予算の質疑になります。
2月、3月と予算委員会が衆参で続いていくので、なかなか大変な日々です。
続きを読む "国会のヤジ-国会議員として、中身のある冷静な議論を" »
最近のコメント